【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第15話 数時間前にハンザ各地の州では

公開日時: 2024年7月9日(火) 12:57
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:38
文字数:3,673


 同時刻、ハンザ連邦南方地域、イタリィー州、州都マーロ市、都市部。



「くそっ! 駄目だっ? 俺達だけじゃあっ!」


「コイツ等は、まるで軍隊蟻見たいだっ!」


 国家憲兵隊カラビニエリの隊員たちは、必死でベレッタ拳銃を発砲しまくる。


 彼等は、黒い制帽を被り、黒い軍服には斜めに白ベルトを下げ、黒ズボンには赤い模様が入ってる。


 右肩から、赤と黒色の派手なマントを羽織った、服装をした彼等は、今焦っていた。



 それから、彼等とともに、一般警官たちは、数百人の暴徒ら&テロリスト達に囲まれていた。


 彼等は、建物に隠れつつ、テロリスト側からの銃撃に晒され続けていた。



「応援はまだかっ?」


 テロリストが、AK47と56式小銃による銃撃を、途切れなく撃ち続ける。


 そんな中、火炎瓶を手に持った、暴徒達が走りながら近寄って来る。



「こちらは本部…………円形闘技場周辺にて暴動発生中、この無線を聞いている者は至急応援に駆け付けろっ!!」


 無線は、本部の命令を伝えるが、内容は他でも暴動とテロが頻発している。


 さらに、治安維持組織と陸軍の部隊が交戦中である。



 同時に、殆どの人員が不足状態であると言う事を伝えるだけであった。



「何処の部隊も人手不足だとよっ!」


「くそぉっ! このままだと俺達は敵に制圧されるぞっ!」


「暴徒が走って来たぞ! ダイナマイトを持ってるぞっ! 撃てっ!?」


 彼等、カラビニエリと警官達は、ベレッタ拳銃程度の武装しか装備してない。



 対する暴徒&テロリスト達は、ダイナマイトや火炎瓶に、さらには自動小銃まで装備している。


 それ等、武器や人数の多さで、カラビニエリと警官達を圧倒していた。  



「アッラーハクバーー!?」


「死んだかっ! いったい何処からダイナマイトなんて見つけて来たんだ?」


 ダイナマイトを持って走って来た、黒人暴徒の胸に、ベレッタ拳銃から発射された弾が命中した。


 しかし、その手から転がるダイナマイトが爆発して、石材が敷き詰められた道路に穴が開く。



「仲間の仇だっ!」


「これでもくらえっ!」


 テロリスト達が、AK47と56式小銃を激しく連射し続ける。


 そうやって、カラビニエリと警官たちが身を隠している建物に、制圧射撃を加える。



「お前ら白人は、俺達イズラムの聖戦士に殺される運命なんだよっ!?」


「お前ら白人は俺達の国をめちゃくちゃに爆撃しやがって! 絶対に殺してやるっ」


 テロリスト達から銃撃されている間、カラビニエリと警官たちが隠れている建物に集団が近づく。


 暴徒たちが、大洪水による波や蝗《イナゴ》のように押し寄せている。 



 連中は、鉄パイプや角材を手に持ち、歓声を上げて走ってくる。


 そうして、どんどん、カラビニエリと警官たちへと近づいて来る。



「不味いっこのままじゃっ!?」


 警官が、ベレッタを撃ちながら呟くと、不意に目に入った、テロリストの姿を確認する。



「神の怒りだっ! 死ねっ!」


 黒人系テロリストは、RPGー7を右肩に構えて建物を狙う。


 それから、槍の切っ先みたいに、尖った弾頭を発射してきた。



 発射された弾頭は、後方から白い噴煙を噴射しながら、建物まで飛んで行く。



「うわぁっ! 伏せろーー! RPGだあ~~~~!?」


 警官が大きな声で騒ぎ、身を伏せるとRPGー7の弾頭が飛んでくる。


 そうして、建物の一角を見事に吹き飛ばしてしまい、大穴を開けた。



「壁に穴が開いたっ!」    


「行けぇーー! 皆殺しだあ~~!!」


 怒り狂った暴徒の群れは、建物に開いた壁を目指して走り、我先にと押しかける。


 暴徒たちの群れが、もし建物に到達した場合は大変なことになる。



 中に立て籠る、カラビニエリの隊員達と警官達は、連中に殺されてしまうであろう。



「もう駄目かっ? ここで…………」


「諦めるなっ! 戦えっ!」


 カラビニエリと警官たちは、建物内から必死で銃を撃ち続ける。


 しかし、暴徒の群れは開いた壁穴まで後、五メートルまで迫っていた。



「死ねっ! 白い悪魔共があっ!?」


 暴徒の一人が、走りだし。


 火炎瓶を、壁の穴に投げ入れようと、勢い良く大声で叫び、右腕を高く振り上げたが。



「あっ?」


 とつぜん、左側から加えられた銃撃により、火炎便を暴徒はバタリと前のめりに倒れた。


 撃たれた暴徒が、手に持っていた火炎瓶を落とすと、周囲の味方を巻き込んで、炎上させる。



「降車っ! 戦闘開始ぃっ!」


 隊長らしき、カラビニエリ憲兵隊員の服装をした、男は命令を下す。


 男の容姿や服装はと言うと、髪はサックスブルーで、瞳はアクアスプレー、唇はコバルトブルーだ。



 簡単に言うと、北イタリィー出身であろう、優男風の顔立ちであった。


 服装は、自分たち、国家憲兵隊カラビニエリと同様の軍服を着ている。



 しかし、本来は、赤い色が入っている部分が青色が塗られている。


 また、黒い制帽には、陸軍のベルサリエリ部隊が付ける黒い大きな羽飾りがあった。



 隊長の命令が響き渡ると、黒いプーマ軽装甲車から、黒服の兵士達が降車して来た。



 彼等は、H&K、G36自動小銃を発砲して、暴徒たちを次々と薙ぎ倒して行く。


 また、重武装で身を固めた、テロリスト達も的確に排除していった。



 こうして、到着時から、然程時間が経たない内に、付近一帯を制圧してしまった。



「君達は…………カラビニエリか? ベルサリエリか?」


「私達は新設された特殊部隊の隊員だよ、それより他の現場に行こうか?」


 カラビニエリ隊員が、謎の部隊・隊長に、所属は何処かと質問する。


 謎の隊長は、問いに答えつつ、プーマ軽装甲車に乗車した。



「君達も、円形闘技場周辺まで乗っけて行って上げようか?」


「ああっ? 住まないが頼む」


 謎の部隊・隊長に、カラビニエリ隊員は直ぐに返事をする。


 そして、彼等は装甲車に乗せて貰い、次の目的地である、円形闘技場周辺まで向かった。



 ハンザ連邦西方地域、ネーディル州、州都アステルダン、市庁舎前。



「ここから先は関係者以外は立ち入り禁止です」


「彼等は、我々の関係者だよ」


 迷彩服を着た兵士が、検問所で謎の部隊を足止めしていた。


 しかし、そこに上官が現れて、彼等を通せと兵士に命令した。 



「彼等は関係者だ、市庁舎を目指している暴徒の群れを迎え撃つ為に来た増援なんだ通してやれ」     


「助かったよ…………此処で足止めされていたら何にも出来ないからな」


 検問所に駐在する警備隊・上官は、口を開き、舌の裏を見せる。


 そして、武器が四つも描かれた、マークを謎の部隊・隊長に見せる。



「…………同志よ…………この日を待ち焦がれて居たぞ…………」


「どうやら増援が早く来ないかと待ちぼうけて居た様だな…………」


 互いに、ニィッと口角を吊り上げて、彼らは笑みを見せ合う。


 そして、検問所のゲートを黒いボクサー装甲車が通過して行く。



「…………我々の同志は有りと有らゆる場所に潜入しているからな…………学校・警察・軍・病院・企業・内務省…………そして我々を排除する筈の諜報機関までも同志が掌握している…………」


 検問所を通過して行く、装甲車による車列で、一番前を走る、車内で謎の部隊長は考える。


 そして、彼は車内から、これから向かう市庁舎へと、鷹のように鋭い視線を向ける。



 彼が考えている通り、有らゆる組織内に、帝国のスパイは入り込んでいた。



 ある者は、左翼に牛耳られた社会に絶望して協力した。


 また、ある者は、洗脳されて協力させされる。


 さらに、別な者は帝国からスパイとして潜入している。



 と、彼等ノルデンシュヴァイク人は、この日に備えて、入念な下準備を行って来た。



「軍事力も科学技術力も低い、この星の住人よっ! 貴様等は我々の同志と成るか、奴隷に成るかの道しか選択肢は無いぞっ!!」


 謎の部隊長は、装甲車内で窓に映る景色に顔を向けながら、一人呟く。


 この数時間後に、メッケル大統領とマクロニ首相たちが処刑される事に成るが。



 この星に住む愚かな人類は、まだ誰も彼等が悪魔であると知らない。


 また、これから、真冬の様に過酷な生活が長く続く事も、今はまだ分からなかった。



 同様の事態は、世界最大領土・世界最高軍事力を持つ国家でも起きた。



 元共産主義国家であり、世界最大の領土を持つ国、ロシャ連邦。


 世界最強を誇る軍事大国で自由を愛し、世界の警察を自称する、アルメア合衆国。



 この二大国家が、陥落した。



 この星で、北半球に位置する、国家群だが。



 常に、難民と人種間の問題などと、さまざまな不安定要因を抱えていた。


 そう言った諸問題を抱えていたところ、ノルデンシュヴァイク帝国に付け入れられたのだ。


 柔らかい弱点の脇腹として、問題点を突つかれた、各国家は内側から瓦解していった。



 それと、ノルデンシュヴァイク帝国軍の電撃的な侵攻も相まってだが。


 かつて、世界を二分した、両軍事大国は、瞬く間に国土を制圧されてしまった。



 北半球全域。



 地図上だと、白人国家であり、工業力のある地域と国が占領された。


 つまりノルデンシュヴァイク帝国が支配する殖民地と成ってしまったのだ。



 そして、各国家の人間達は今まで様々な問題が有れど、ある程度幸福な人生を歩む事が出来たが。



 これからは、平和な世の中が一変した。



 故に、ノルデンシュヴァイク帝国による統治の元で、北半球地域は過酷な運命を辿る事に成る。

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