【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第183話 ブルグマン通りの戦い

公開日時: 2024年7月11日(木) 22:26
更新日時: 2024年7月14日(日) 09:59
文字数:3,048


「ぐああぁぁ」


「がごぉーー」


「うわあっ!!」


「ぐおっ!?」


 ナタンの機関掃射は、窓やベランダなどに身を隠す敵兵を、撃ち殺していく。


 メルヴェの放つ榴弾は、屋根や屋上から敵を吹き飛ばして落下させる。



 二人による奮戦により、帝国側の兵士は車列後方を攻撃できずに殺られてゆく。



「また、装甲車が殺られたぞっ!」


「燃えている…………」


 味方PMC部隊が走らせていた、黄緑と深緑に塗装されたBTRー60が爆発した。


 左右から帝国兵が、RPGー弾による攻撃に対戦車用の大型爆弾や地雷を投げたからだ。



 そんな中、PMC要員たちは、周囲に銃を撃ちまくる。



「手榴弾だっ! 投げ返せっ!!」


「不味いっ! 早く何と…………うっお?」


「ぐわあっ!?」


「うわああああぁぁっ!!」


「きゃああああっ!!」


 応戦していた、PMC要員たちは投げられた様々な爆発物に、大慌てで対処しようと躍起になる。


 C4爆薬から収束型手榴弾まで、様々な爆発物が飛んでくる。



 それにより、猛土の真下に、回転しながら転がり込んだ対戦車地雷が、車輪に踏まれる。



 これで、たちまち車体が、下から爆発して吹き飛ぶ。



「前からBMPが来たぞっ!」


「大丈夫よっ!」


 そんな声が聞こえてきたが、ついで爆発音が聞こえてくる。



「撃破したのか? お、撃ちもらさないぞっ!」


「これでも、喰らいなさいってのっ!」


 ナタンとメルヴェ達は、通りすぎてゆく両側の建物に向かって攻撃を緩めない。


 そうして、戦っている二人の体は、トヨタ・テクニカルに激しく揺さぶられる。



「あれが、破壊されたBMPかっ!」


「何を撃たれたのかしら?」


 黒いBMPが炎上して、砲塔部分がなくなっているさまが、二人の目に映る。



 だが、それに何時までも、見とれている暇はない。



 ナタンは直ぐに、AAー52の銃口を右側に建ち並ぶ建物へと向け、火を吹かせる。


 メルヴェも、後ろにダネルMGLを構えて、道路に飛び出た帝国兵を、榴弾で纏めて吹き飛ばす。



「まただ、避けろっ!」


「スカニアが破壊されたっ! ミサイルランチャーもダメだっ!」


「クソ、対戦車用の兵器がっ!」


 前方にて、PMC要員らの苦戦している様子が、ナタンやメルヴェ達にも伝わってくる。


 次いで、二人の体が再び揺らされ、破壊された大きなトラックが目に入った。



「殺られちまったか…………」


「燃えているわ…………」


 ナタンとメルヴェ達は、味方部隊のトラックが破壊されているさまを見て、戦慄する。



 スカニア、リジッドトラックの荷台にある銀色コンテナが、全体的に燃えている。



 コンテナ側面には、細長い銃眼があるが、そこからも火が燃え盛っている。


 上部には、回転式にされた、連装ロケット砲BMー14が、前後二機もあった。



 しかし、後部にあった物は、RPGーか爆弾が直撃したのか原型を止めておらず、炎上している。



「空中から来たぞっ! ドローン部隊だっ!」


「ショットガンを装備しているぞっ!」


「気をつけてっ! 先に私達から狙われるわよっ!」


「ぐふぇっ!!」


「ごばああっ!?」


 小さな鉄塔の後部に、飛行機が取り付けるような翼を備えた、ドローンが多数飛来する。


 アルマース・アンチェイ製の対ドローン迎撃用ドローンだ。



 鉄塔先端には、十発の弾倉を備えた散弾銃ヴェープル・モロトー12を搭載している。



 突然の空襲に、PMC要員たちは空に、AKMやM16A3を向けて乱射する。


 だが、銃撃は当たらず、飛来するドローンに散弾を当てられて、何人か死んでしまう。



「おいっ! アレを出せっ!」


「今出したっ!」


「何だっ! 空の奴らに対抗策があるのか? うわっ!」


「きっと、ショットガンでも出すきなのよ? きゃっ!」


 PMC要員たちの会話を聞きつつ、ナタンとメルヴェ達は、飛んでくる散弾に身を屈める。


 そんな二人が、顔を上げると、空を二台のドローンが舞う。



「何だ、あのドローンはっ!」


「知らないわっ! それより敵を撃って」


 ナタンは、上空を舞うドローンに対して、AAー52を撃ちまくって、近寄らせないようにする。


 そんな中、メルヴェは、ダネルMGLを建物に打ち込む。



 肝心の味方ドローンは、火炎放射を放出しながら次々と、敵ドローンを撃墜していく。


 これは、チィーナ製の安物ドローンに火炎放射器を備えた、昆虫駆除用に使われる兵器だ。



「ドローン対ドローンか?」


「そんな事より、後ろよっ! 後ろっ!」


 ナタンは、AAー52を撃ちながら、丸焼きにされて、落下していく敵ドローンを見る。


 メルヴェは、後方から追撃部隊が現れたのを視認した。



 上空には、複数のホバーバイクが飛び、地上には、小型車両が後を追ってくる。



 ホバーサーフ社製、ホバーバイクが六機も上空から飛来する。


 その後ろには、カラシニコフ社製、フライング・カーが、一機だけ飛んでいた。



 また、四台の黒い軍用ATV、AMー1が道路を疾走してくる。



「空と地上からっ! 空襲がまた来たのかよっ!」


「ナタン、殲滅するわよっ!!」


 ナタンは、上空から迫る、敵ホバーバイク隊を機銃掃射で近づけないようにする。


 メルヴェも、グレネード榴弾を、ATV部隊に対して、放ちまくることで距離を取らせる。



 だが、敵も当然ながら攻撃してくる。



 ホバーサーフ社製の黒いホバーバイク隊に乗った、隊員たちは近づきながら腰に手を回す。


 白いバイクヘルメットを被り、黒いレーシングスーツを着た連中は、空から手榴弾を投げてきた。



「また、味方が殺られたっ!


「あああああっ!?」


「うわーーーー」


「空中から来るなんてずるいぜっ!」


 トヨタ・テクニカルの運転中は、前を走る屋根なしハンヴィーが破壊されるさまを見て叫ぶ。


 荷台に、手榴弾が落下して、乗っていた味方PMCたちが、爆撃で車ごと吹っ飛んだからだ。



 左側の窓からMP5を乱射する、アシュア系PMC要員も、額から汗を流して愚痴る。



「お前たち、空と後ろは任せたぞっ!」


「分かっている、大丈夫だっ!!」


「もう既に、やっているってばっ!!」


 ナタンはら上空のホバーバイク部隊に機銃掃射すると、運良く二機に機銃弾が当たった。



 そして、車体ごと落下してくる。



 メルヴェは、叫びながら険しい表情で、荷台の左脇にある弾薬箱を開く。


 そして、中に入っていた40ミリ榴弾を、ダネルMGLの回転式弾倉に装填していく。



 しかし、今度は地上部隊が攻撃してきた。



 軍用ATV、AMー1部隊が、KBP、GMー94グレネードランチャーを撃ってきたのだ。



「うわ、気をつけろっ! 撃って来たぞっ!」


「上から来るわっ! 避けてっ!」


「分かってるが、どうにもならんっ!」


「うわあ…………」


 ナタンとメルヴェ達は、トヨタ・テクニカルの運転手に、榴弾が飛んでくると伝える。


 その様子を、怯えながらアシュア系PMC要員は見ていた。



 発射された榴弾は、弧を描くように飛んでいき、前を走る車両に命中した。



「また、ハンヴィーが二台、やられたっ! 避けられんっ!」


「上からも手榴弾が来るっ!」


「さっきの火炎放射ドローンは?」


「そんなの当の昔に落とされているわよっ!」


 円形交差点にまで走ってきた、トヨタ・テクニカルだったが。


 運転手が言う通り、二台のハンヴィーが破壊されて横転しており、道を塞いでしまった。



 しかも、上からは、ホバーバイク隊による手榴弾の投下が続く。


 ナタンは、上空に味方は居ないのかと叫んだが、メルヴェはダネルMGLを撃ちながら答える。



「ぐわあ?」


 ダネルMGLから発射された榴弾は、見事に一台のAMー1を破壊した。


 そして、二人が乗ったトヨタ・テクニカルは、塞がれた道の右側を走ってゆく。



 そこは、歯科医院の手前にある駐車場だった。

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