【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第276話 帝国軍の動向

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:11
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:35
文字数:3,209


 帝国軍は、幾度もの逐次戦力投入により、兵力を磨り減らしていた。


 それにより、当初の作戦より予定が大幅に遅れが出ていた。



「ここは~~? この間、必死で戦ったのに敵に奪回されるとはな」


「また、こっちが手に入れたんだから、気にするなよ?」


 レオとカルミーネ達は、カントリー・プラザ・BNP・PFの廊下を歩く。



「カルミーネ、窓には近づくなよ? 連合側から狙撃されたり、爆撃されるかも知れないからな」


「分かってるさ、それにしても作戦変更で、第二小隊や帝国軍とともに進撃する事になるとはね?」


 レオとカルミーネ達は、ぶつくさ言いながら、不満そうな顔をしつつも進んでいく。


 二人も、予想外の抵抗により、連合側が未だ崩れない事に、苛ついている訳だ。



「ん? 監視任務か」


「大変だろうね?」


「マリーナ、敵に動きは?」


「この変からじゃ、分からないわ」


 レオとカルミーネ達は、廊下を早歩きで進んでいると、左側の部屋から気配を感じた。


 そこに、居た警察隊員は監視任務に着いている第二小隊の者達だった。



 二人とも、遮光カーテンと耐熱フィルムで閉じられた室内から遠方を警戒していた。



 一人は黒尽くめの兵士、オレフであり、彼は積み上げられた土嚢に隠れなながら双眼鏡を覗く。



 もう一人は、狙撃手らしく床に伏せながら深緑色のプラスチックケースから敵を観察する。


 マリーナと言われた彼女は、黒いファー型襟付き青い防寒着を着ている。



 頭には、黒色ウシャンカ帽を被り、フォルトー301狙撃銃を構えている。


 腰には、黒皮製のホルスターをベルトから下げていた。



「誰か来たわね?」


「フッ!!」


「おっと、味方だぞっ!」


「よしてくれないか」


 LTー6Aライト付きのフォルトー17をホルスターから引き抜いた、マリーナ。


 黒いフォルトー230短機関銃を、素早く二人に向ける、オレフ。



「脅かすなよ?」


「済まなかった…………だが、俺達も巡回中なんだ」


「悪気は、なかったんだよ」


 オレフに対して、レオは謝罪しながら、その場を後にした。


 カルミーネも後に続いて、軽く頭を下げつつ差って行く。



 そんな二人の前方から、女性隊員が歩いてきた。



「こちらは異常なし」


「敵の侵入はなし」


「こっちも、何もなかった」


「巡回、ご苦労さん」


 帝国の紋章が付いた、紺色ハイバックスタイル帽を被る、女性隊員たちは、二人に提示報告をする。


 服装は、二人とも大きな肩章が付いた、紺色制服&ミニスカだ。



 一人は、ベージュに近い金髪ポニーを、黒いヘアゴムで縄状に縛る。


 その先っぽだけは水色リボンで縛っている。


 顔は、瑠璃色の瞳に白い肌が、ややピンクがかっており、唇は青い。


 服装は、青シャツを内側に着ており、素足で黒いパンプスを履いている。


 そして、ボックス型弾倉が取り付けられた、トンプソンM1を両手に抱えていた。



 もう一人は、輝く金髪をロングミディアムパーマにしており、前髪は左側から右に流している。


 黒に近いグレーの瞳、やや明るい肌と、大きな水色をした、唇が目立っている。



 服装は、白シャツを内側に着ており、制服右側からは銀色のモッブを幾つも垂らす。


 そして、両袖には白い逆ブーメラン字型&盾型の紋章が付いていた。



 脚は、黒茶色の薄いタイツ&黒いハイヒールを履いていた。


 背中には、マウザーK98k小銃を背負い、両手にはMP40短機関銃を抱えている。


 レオも巡回した結果を答え、カルミーネは二人に笑顔と手を振るう。



「ウリアナ、レシア? 巡回が終わったら休憩していいわ、次はカピトリーナとゲンナジー達と交代よ」


 レオとカルミーネ達は、背後からジナイダ軍曹の声が聞こえたので振り向く。



「はい、了解ですっ!」


「了解しましたっ!」


 どうやら、白シャツの名前はウリアナらしく、青シャツはレシアと言うらしい。


 二人とも、旧式武器や軽装から分かる通り、本来は後方勤務の事務担当する警察隊員である。



 しかし、選局は帝国側が有利なままとは言え、連合側も瓦解する気配がない。


 ゆえに、総動員体制で警察隊員も前線に引っ張り出されている訳だ。



「旧式武器すら前に出すとはな」


「それだけ、敵が強いのさ」


 レオは、旧式武器と後方勤務要員までが前線に出ている様子に疲れたような表情になる。


 カルミーネは、そんな彼を励ましながら、ともに廊下を歩いていく。



「マルキャン、ウラスジラフ、ここで待っていろ」


「了解しました、隊長」


「待機しております」


 ザミョール中尉は、二人の警察隊員を護衛として、ドア両側に待機させる。



 一人は、ミグダルの小型モニターを搭載した、FASTヘルメットを被る。


 頑固そうな表情をしている、青黒く鋭い眼光の男性兵士は、マルキャンと言うらしい。


 服装は、青・青灰・水色からなる、ブルータイガー迷彩を着ている。


 右手には、ミグダル・カメラを銃身下部に搭載した、フォルト17を握っている。


 左手には、上に小穴が多数ある灰銀盾を床に設置していた。



 もう一人は、ウラジスラフと言うらしく、こちらも紺色の瞳で、険しい顔をしている。


 東部には、エビテール型暴徒鎮圧用の透明なフェイスバイザー付き黒いヘルメットを被る。


 そして、顔には目元にガラスが付いた黒いガスマスクを装着している。



 服装は、青・水色・白のブルータイガー迷彩を来ている。


 その上に、ショルダーアーマー付き黒い防弾ベストを着用している。


 これには、迷彩柄の弾帯を四つが着いている。


 左側には、脇腹に、スリングベルトで細菌保存用装置が下げられていた。


 両手には、フォルトー500A・Mポンプアクション式散弾銃を持っている。


 右足のプラ製レッグホルスターには、X26テーザーガンをしている。


 左腰には、ゴム製警棒をベルトの鞘に容れてあった。



「ああ、フロスト中尉に報告しなければ、成らんのだが?」


「僕達も入っていいかな?」


「レオ、カルミーネだな…………」


「勝手に入れ」


 レオとカルミーネ達は、厳つく体格の良い二人を前に萎縮してしまう。


 しかし、彼等が来る事は伝わっていたらしく、マルキャンとウラジスラフ達は、ドアから離れる。



「そいじゃ、悪いね」


「入らせて貰うよ?」


 ドアを開けて、レオとカルミーネ達は、室内に入っていく。



「おお? 二人とも、君達もコレを見てくれっ!」


 部屋に入ると木製の机に座りながら、ノートPCを弄る、フロスト中尉が居た。


 その右側には、ネージュ準尉が立ち、左側にはザミョール中尉が立つ。



「何なんすか、コレは…………戦艦? いや、ラーテですね」


「こっちは、航空部隊ですね?」


 レオは、ノートPCを向けられると、画面に映る巨大戦車を目にした。


 これは、ラーテ陸上戦艦と言われる、ナチス・ドイツで設計された超巨大兵器だ。



 カルミーネの方は、黒や青の戦闘機が、白灰色に塗装された敵機と空中戦を展開する様子を眺める。


 そこに映るのは、黒いSuー37と灰と白に塗装された、ラファールが互いに追いかけ合っていた。



「いやね? ノイハウス付近に鎮座する、ラーテの砲撃で公園方面は破壊され尽くした…………しかし、予想より早く連合軍航空隊が到着したらしい」


「そこで、戦線を維持し直した敵を崩すため、再び何名か選抜した警察隊員を後方に送る事になったわ」


「それで…………俺隊に行けと?」


「理由は分かりましたが、何故ザミョール中尉が、ここに?」


 フロスト中尉とネージュ準尉たちは、作戦の詳細と現況を二人に説明する



 レオは、いつもの潜入工作任務を行うんだろうと思った。


 カルミーネは、ザミョール中尉に視線を移す。



「フンッ! 居たら悪いか? ってのは冗談だ、占領予定の建物が吹き飛んだ上に、郵便局と大聖堂の方に連合軍が立て籠っているから、第三小隊とともに進撃しろだと」


「そう言う理由でしたか」


「上からの命令には逆らえませんからね~~」


 ザミョール中尉も、予定が変更されて、ともに自身が率いる部隊も、最前線に突撃すると語る。


 レオとカルミーネ達は、その答えに納得して、頷いた。



 こうして、帝国側は警察部隊まで投入して、最終決戦に挑もうとしていた。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート