【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第109話 新設された第四小隊の登場

公開日時: 2024年7月10日(水) 09:54
更新日時: 2024年7月13日(土) 10:35
文字数:3,020


 フロスト中尉とザミョール中尉達が、屋上で話をしている時、署内では雑務を行う者も多かった。


 また、ある人物たちは、自分らが勤務交代する時間まで、仕事を休んでいた。



「んはぁ? くああ~~~~!?」


「良く寝たな、お姫様」

 

 第三小隊・待機室にて、黒い艶のある皮ソファーから、ミアが目覚めた。


 すごく気持ち良さそうに、身体を横たえていた、彼女だったが。


 深く息を吸い込み、両手を思いっきり、天井に上げつつ、大きな欠伸《アクビ》をする。



 それを、ソファーの後ろから見ていた、レオは何気なく声をかけた。


 彼は、両手に紙コップを持っており、微笑みながら、ゆっくり近寄って来る。



「姫っ♡ コーヒ等は如何《いかが》かな?」


「もぉーー! そう言うの止めて」


 茶黒いコーヒーの容れられた、紙コップを握る右手を差し出す、レオ。


 不機嫌そうな顔をしながらも、それを彼から受け取る、ミア。



「そう言いながら、飲むんだな?」


「うるさい…………」


 飽きれながらも、レオは呟くと、自身の口に紙コップを運ぶ。


 タレ目を寝惚け眼にしたまま、ミアは五月蝿いと、一言だけ呟き、コーヒーを啜《すす》る。



「うわ、苦っ! …………」


「苦すぎるくらいが、目が覚めるだろ? そんな事よりも、カルミーネとベーリット達は地下の射撃場に行ったそうだ」


 ゆっくりと啜った、黒いコーヒーの味が、思わず言葉に出るほど苦かった、ミア。


 彼女は、渋い顔をするが、その後ろから体に優しく抱き付いた、レオは話しかける。



「二人っきりで、デートって訳ね?」


「ああ、そう言う事さ」


 何気なく呟いた、ミアへと囁くように、レオは彼女の耳元で話す。



「だったら、朝のお相手を頼もうかしら、王子様…………♡」


 ミアも、やる気になったらしく、レオを朝からの求愛行為に誘い出したが、それは。



「フフッ♡ 冗談よっ? 私もあんたもプリンセス・プリンスって、柄じゃあないでしょっ!」


「やっぱりな…………」


 何処からか、手鏡を取り出した、ミアは化粧をするのに、それを覗く。


 そんな彼女の言葉と態度を、やはり冗談だろうなと、レオは予想していた。



「朝からの男女のストレッチはお預けよ、今そう言う気分じゃないし」


「だが、夜は断らないでくれよ、俺達はパートナーだしな」


 手鏡を覗きながら、パフで顔に化粧をする、ミアに対して、レオは執《しつ》こく言うが。



「仕事のね」


「プライベートもだろ?」


 ミアは、何度も迫るレオを、アッサリとあしらい、今度はソファーから立ち上がる。



「プライベートも…………ね? ナタンが聞いたら、泣くわ」


「アイツは、今頃は何をやっているのやら?」


 ミアとレオ達は、そう言う中になってしまった事を、今のナタンが知ったら落胆すると予想する。



「ナタンは、私と一回だけ、いい雰囲気になりかけたからね? それ以来、付き合うことはかったけど」


「そうこうしている間に、お前と俺で、カップル成立だもんな」


 警察隊員として、潜入任務に従事している内に、ミアとレオ達は、何度もカップルや夫婦を演じた。


 それが、いつしか、本当に付き合う仲に進展していったのだ。



「あっ! それよりも聞いた? 今日は新しい人員が各小隊に増員され、さらにオマケに四番目の部隊が来るそうだけど」


「四番目の部隊か、朝から来るって話だったな、確か九時頃だったな…………って、もう五分前か? ミア行ってみるか?」


 新しい部隊が来ると言う情報を、何処から仕入れたのか、ミアが楽し気に語る。


 レオは、それを見に行こうと彼女を誘って、黒いネクタイを締め直す。



「あら、その誘いには乗るわよ」


 ミアも、どうやら興味津々らしく、新しい部隊を見に行くのを了承した。


 それから、すぐに両手に持っていた、手鏡とパフを、テーブルの上に置いた。



「じゃあ、一階に行こうか」


「ええ、行きましょう」


 こうして、レオとミア達は、第四小隊の姿を人目見ようと、一階ロビーに向かった。



「当たりっ! これが実戦なら、テロリストは秒殺だっ!!」


「子供じゃあ~~無いんだから、はしゃがないで」


 警察署地下に作られた射撃場にて、細長い机の前に立ち、ベレッタMX4を構えた、カルミーネ。


 彼は、銃弾を連射すると、嬉しそうに、ガッツポーズをして叫ぶ。



 彼が、三発も放った銃弾は、全弾白紙に描かれた黒い人型の的に命中するが。



 それを右から見ていた、ベーリットは騒ぎまくる、彼に呆れてしまう。


 彼女が構える、AGー3から放たれた、二発の銃弾は真っ直ぐに突き進んでいく。


 それも、二発とも揃って、黒い人型の的へと突き進み、見事に頭部へ命中した。



「よぉ? 御二人さん、朝から熱いね」


「イチャイチャするなら、他でやれよ」


「コラコラ、二人ともっ! カップルの邪魔をしたら悪いよ」


「そうだぞ、お前ら…………」


 そんな二人を、背後から、おちょくる誰か四人の声が聞こえてきた事で、彼等は振り返る。



「ニヤゾヴァ軍曹、カパーゼ曹長っ!?」


「ガプロフ一等兵、ムサバイエフ一等兵…………」


 第一小隊の隊員四人が、カルミーネとベーリット達に、声を掛けてきていた。


 そうして、二人が立っている、細長く茶色い机の両脇に来たワケだ。



「邪魔はしていないわ、ちょっとおちょくっただけよ」


「そうだぜ、ちょっとした悪戯さ?」


 ソーサラー姿で、サラサラ金髪ロングヘアー。碧色の瞳、水色に光る唇など。


 こう言った特徴を持った、ニヤゾヴァ軍曹は、カルミーネの左側に立つ。



 そして、悪気は無いと言って、短機関銃を構えて、すぐに連射し始める。



 その銃は、PP2000であり、上部にダットサイトを備えている。


 さらにらフォアグリップの手前には、フラッシュライトを付けていた。



 さらに、左側では、ヘルメットを被ってない、オーガーの装甲鎧を着用した、カパーゼ曹長が立つ。


 彼は、鼠色の癖毛に、蒼い瞳と唇を持つ大男で、PK機関銃を構える。


 すると、開いた二脚を台に載せると、的を確りと狙って、機銃弾を連射する。



「悪戯ですか…………」


「嫌がらせでしょ?」


 隣に来た、二人だが、カルミーネは、口には出さないが、とてもウザがる。


 ベーリットも、半ば呆れた顔で聞こえるように、わざと呟く。



「悪いね? 二人とも、邪魔しちゃって?」


「二人が迷惑を掛けて済まないな」


 ミアの隣に立った、ワーウルフ姿である、ガプロフ一等兵だが。


 彼は、KSー23散弾銃を撃ち、黒い人形の的を粉々に粉砕する。



 さらに、その左から、AKー104を構えて、確りと的を狙うムサバイエフ一等兵だが。


 四発、黒い人形が描かれた的に向かって、銃弾を放って、見事に頭部へと四つの風穴をあけた。



 彼等は全員、ノルデンシュヴァイク帝国が、この星に侵攻した時から警察部隊に所属していた。


 そして、今はサスーリカ少尉の指揮下で、第一小隊・隊員として動いていた。



「第一小隊の方々が、いったい何の用ですか?」


「たんなる射撃訓練だよ、それより聞いてるかっ?」


 カルミーネが、自分たちに近づいてきた、第一小隊の面々に質問する。


 カパーゼ曹長は、直ぐに返事してきて、逆に問い質してきた。



「何をですか?」


「増員の事よ…………他の地域や管区から来る人員と、他の世界からも、かなり兵士を増員したらしいわ」


「増員…………聞いてましたが、やはり、テロリストと連合軍の事での増派ですね…………」


 また誰かに質問した、カルミーネに対して、ニヤゾヴァ軍曹が話を説明する。


 それを聞いて、ベーリットは戦いは激しさを増すだろうと思う。


 また、彼女は眉を歪ませるほど、険しい顔をして、これから始まる敵との戦闘に気を引き締めた。

 面白かったら、ブックマークとポイントを、お願いします。


 あと、生活費に直結するので、頼みます。


 (^∧^)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート