【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第233話 塹壕を死守せよっ!

公開日時: 2024年7月12日(金) 12:03
更新日時: 2024年7月14日(日) 21:49
文字数:3,214


 オーガー&シュヴァルツ・リッターたちは、弾丸に体を貫かれて倒れてゆく。



「JSDFかっ!」


 後ろに振り返った、ジハードは一人の狙撃兵が土嚢に載せた、対物ライフルを撃つ姿を目にした。



「ぐぅっ!?」


「うっお?」


「えっ! いったい、何が起きているの?」


「狙撃だっ! また、援軍が来たんだよっ!」


 次々と殺られていく、オーガー&シュヴァルツ・リッターの重突撃部隊だったが。



 いきなり、続々と倒れていく、敵の重装甲兵を前に、メルヴェは何が起きたかと思った。


 ナタンは、この攻撃が対物ライフルを使った物だと判断した。



「RPGーーーーーー!?」


「うぎゃ~~~~!!」


「ぎゃああっ!」


 敵のオーガーが叫び、黒い弾頭が飛んでいくが、残念ながらバフチャーには当たらなかった。


 しかし、周囲に展開していた重装甲兵たちを、何人か纏めて吹き飛ばした。



「んっ! 戦車が後退していくっ!」


「逃げる気かしら?」


 バフチャーは、RPGー弾に恐れをなしたのか、急に後ろへと下がり始めた。


 ナタンとメルヴェは、その様子を注視して、砲撃されるかも知れないと警戒する。



 だが、砲弾の代わりに、発煙筒から発煙弾が、いきなり発射された。


 それにより、視界は遮られてしまい、ナタン達は混乱する。



「また、煙を使って来やがったか?」


「ナタン、無事?」


「お前ら、気を付けろっ! 来るぞっ!」


「また、別な敵部隊が来るっ!」


 ナタンとメルヴェ達は、充満する白煙により、銃撃を止めねば成らなかった。



 しかし、そんな中でも、ジハードは気を抜かないで、敵の襲撃に備えていた。


 マフディも、煙幕の向こう側から敵部隊が移動してくる様子を探る。



「フンフン、何だか、知っている匂いがするね?」


「どうでも良いから、さっさと行きなさいっ!」


 帝国側部隊の声が聞こえて、ナタンとメルヴェ達は驚いた。



「おっ! ナタン、そこに居るなっ! かくれんぼは、お前の負けなっ!」


「そこねっ!」


 ナタンの匂いを嗅いだ、カルミーネは即座に、タンフォリオT95を何発か撃った。


 次いで、ベーリットがAGー3の銃身下部に装着した、M870マスターキー散弾銃を放つ。



「ぐっ! ぎゃっ!」


 ナタンは銃声に反応して、即座に頃がったが、一歩遅かった。


 彼の左肩と右足を、一気に放たれた、拳銃弾と散弾が貫いた。



「ナタン、追加の弾をプレゼ…………」


「ぐばああっ!?」


 カルミーネは、さらなる弾丸を放とうとしたが、それは後ろから聞こえた妙な声に止められた。


 振り返った、彼の目には、ベーリットが腹部を撃たれて倒れる姿が映った。



「ベーリット、ベーリットッ!?」


「ぐばっ! 大丈夫よ、手当てじないと不味いけど、じんでないっ! ぶぁっ!」


「ナタン、今のうちに後退するわよっ!」


「カルミーネ、ベーリット、お前ら…………いや、メルヴェッ! 直ぐに行くっ!」


 充満する白煙の中、カルミーネは床に倒れた、ベーリットを抱き抱える、


 幸いにも、彼女は脇腹に大穴が空いたが、死んではいなかった。



 そして、二人が怯んだ隙に、メルヴェは後方へと退散するように、ナタンに伝える。


 彼も、その指示に従い、さっさと後ろに下がるべく、すばやく駆け出した。



「ナタン、逃がさないぞっ!」


「カルミーネ、やったのは俺じゃないだろっ!」


 カルミーネは、顔を獣化させながら、ナタンの背後へと襲いかかる。



「させねえよっ! 死にやがれっ! この野郎っ!」


「ちっ! 厄介な奴が居るようだっ!」


 白煙の中、ナタンに襲いかかる影を見た、ジハードは、ベクターSSー77汎用機関銃を撃った。


 それを、カルミーネは背を丸める事で、軽く回避してしまう。



「ナタン、良くもベーリットをっ! そこの黒い奴も死刑にしてやるっ!」


「やれるもんなら、やってみろっ!」


「敵は、こっちにも居るんだぜっ! 坊やっ!」


「それは、私達も同じ…………」


 鞘から、アネラスソードを抜き取った、カルミーネは、ナタンに斬りかかる。



 その左側からは、ジハードが、ベクターSSー77汎用機関銃を撃ちまくる。


 しかし、彼もまた無防備になり、その隙を突かれて、ベーリットがAGー3を一発だけ撃った。



「がっ! くそったれっ! 殺られてたまるかよっ!」


「汚い言葉を吐かないで、血を吐いてよ?」


「おい、おいっ? 先走るなって? ベーリット、大丈夫かっ!!」


「ナタンに、メルヴェも居るわねっ!」


 左肩を、ライフル弾に貫かれた、ジハードは反撃として、ベクターSSー77汎用機関銃を撃った。


 その乱射を、腹に大穴が開いているにも関わらず、ベーリットはひらりと回避してしまう。



 さらに、何処からかレオの声も聞こえたかと思えば、ミアも姿を表す。


 もう、白煙は霧散してしまい、また互いの姿が見えるようになった。



「ナタン、今回は逃がしはしないぜっ!」


「まずは無力化するわねっ!」


「くそっ! カルミーネだけでも、邪魔なのにっ!」


「邪魔とは、なんだっ! 邪魔とはっ!」


「邪魔だから、邪魔って言われてるんだよ…………」


 レオは、H&KG36Gを撃ちまくり、ミアはサクセニア、セミ・ポンプ散弾銃を連射した。



 ナタンは、カルミーネが握るアネラスソードを、AK12で受け止めていた。


 しかし、左右から銃撃された彼は後ろに倒れてしまい、窮地に陥った。



 だが、右側から誰かの声が聞こえた。



「ぐああああっ!」


「ぎゃあっ!!」


「俺も居るんだぜっ!」


「ク…………面倒な奴ね、殺してやるわ」


「コイツッ!」


 とつぜん、マフディが現れたかと思うと、MAT49短機関銃を乱れ撃ちした。


 低威力の拳銃弾と言えど、カルミーネやミア達は、全身に弾丸を浴びた事で負傷してしまう。



 ドラム缶に身を隠しながら、ジハードも、ベクターSSー77汎用機関銃を連射しまくった。



 ベーリットは、ゆらりと床に倒れ込むような感じで伏せた。


 レオは、スライディングしながら連続で放たれる機銃弾を回避する。



「ぐっ! 腕がっ!」


「こっちだって、殺るぞっ!」


 カルミーネの右腕を、遠方から対物ライフルが吹き飛ばした。


 反撃に、レオはH&KG36Gの銃身下部に装着した、H&K79グレネードランチャーを撃つ。



 さらに、バフチャーは滑降砲とPKT同軸機銃を撃ってきた。


 白煙がなくなった事と、外で味方が戦っている姿を、視認したから再び発砲を始めたのだ。



「ぐわっ!!」


「へっ! 喰らえっ!」


 レオの放った榴弾は、天井に当たって瓦礫を崩すだけだった。


 対して、バフチャーによる射撃は、土嚢から対物ライフルを撃っていた狙撃手を吹き飛ばす。



「んっ! こっちに来てみればっ!」

 

「戦いの真っ最中だなっ?」


 バフチャーの後方左側から、レギナとソムサックが現れた。



「不味いっ! もう逃げなきゃっ!」


「ナタン、早くこっちに来てっ!」


 いつの間にか、メルヴェは遠くに逃げていただけでなく、敵を土嚢裏で待ち構えていた。


 彼女は、ミニミ分隊支援火器を途切れなく連射させて、レオ達を牽制する。



「マフディ、ジハード、あんた等も撤退しなっ!」


 フランシーヌは、メルヴェの左側から姿を表すと、ストックレスAKを単発連射する。



「分かってるが、コイツらがっ!?」


「中々、渋い連中だぜっ!」


「はんっ! そう簡単には死なないんだよっ!」


「あんたら、早く死に…………?」


 ナタンとマフディ達は、銃を撃ちまくりながらも必死で逃げ回る。


 そんな二人に向かって、カルミーネは残る左腕の鋭い爪を振るう。



 ミアも、サクセニア、セミ・ポンプ散弾銃を撃とうとしたが、胸を対物ライフルに撃ち抜かれた。



「ミアッ! くそが、ごおっ!」


 今度は、レオの腹に一発大穴が開いてしまった。



「ソムサック、援護するわよっ!」


「ああ、俺は突っ込んで来るっ!」


 レギナは、コンパウンド・ボウの玄を引いて、アガニ・ボルトを射った。


 放たれた矢は、弧を描いて飛んでいき、対物ライフルを構えていた自衛隊員を爆風に巻き込んだ。



 また、ソムサックは突撃していき、ナタン達を追いかけながら両腕から短機関銃を連射した。


 しかも、バフチャーが滑降砲と同軸機銃を、メルヴェとフランシーヌ達に撃ってきた。

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