【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第270話 帝国の侵攻準備と朝日を浴びるレジスタンス

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:01
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:28
文字数:3,127


 フロスト中尉は、舞台上で事務椅子に座り、一人PCのキーボードをカタカタと動かしていた。



「隊長、敵の補給物資を焼き払いました」


「また、敵の武器弾薬を破壊しました」


「よくやったっ! シークン、アリシアッ!」


 青天白日が、正面に描かれた黒い野戦帽を被る、短髪のシークンは任務報告を果たす。


 彼は、青い戦闘服を着ており、軽量プレートには、大きな弾帯を二つ装着している。



 そして、背中には黒い大容量バックパックを背負っている。



 アリシアも、同様に潜入破壊工作を実行して得た戦果を伝える。


 紺色戦闘服に身を包んだ彼女は、防弾ベストの上に、タクティカルベストを着ている。


 頭部は、単装ナイトビジョンゴーグル付きFASTヘルメットを被っていた。



 二人に対して、フロスト中尉は事務椅子を回転させながら潜入工作が成功した事を褒める。


 彼等が仕掛けた爆弾や罠により、連合側は初動対応が遅れたのだ。



「あとは、他の隊員に任せて、君たちも朝まで眠るといい」


「了解ですっ!」


「明日まで、待機していますっ!」


 フロスト中尉の前で、ローマ式敬礼で答えながら、シークンとアリシア達は離れて行った。



「明日は、総攻撃の日だな? さてと、他のスパイからの戦果報告を見るか」


 一人、フロストは呟くと、再びPCをカタカタと鳴らすのだった。



 それから、かなり時間が立ち、早朝になった。



「アルチョムス、ヘンリフ、二人とも兵器を運べっ! これから、作戦準備に取りかかる」



 ザミョール中尉は、劇場の出入口付近で、新たに増員された隊員たちに指示を出す。



「分かりました、隊長」


「メチスを運べば、いいんですね」


 アルチョムスは、水色を瞳に、薄茶がかった金の髭が目立つ。


 頭部には、サーマルゴーグルが付いた、黒いフリッツ・ヘルメットを被っている。


 紺色の戦闘服を着ており、腹には黒い襟付き防弾ベストを身に付けていた。



 背中の腰側には、大きな弾帯を着ける。



 そして、両手には、M240B汎用機関銃を抱えていた。



 ヘンリフは、ピンクがかった頬で、ヘーゼルカラーの瞳が光っている。


 頭部には、灰色カバーが付いた、フリッツ・ヘルメットを被っている。



 服装は、鼠・紺鼠・黒からなる服を着ており、腹には黒い軽量防弾ベストを身に付けていた。


 灰色に塗装された、弾帯付きの防弾ベストを装着している。


 それには、肩章のように小さなショルダーアーマーと、首を防護する大襟が付いていた。



 武器は、AK205を左手で握っている。



 腰には、取り外し可能なサプレッサー付き拳銃フォルト12Bをプラ製ホルスターに容れていた。



 二人とも、言われた通り、9K115メチスを運搬し始めた。



「ハリーナとミラ達は、私と来なさい…………輸血パックと朝食の準備をするわよ」


「了解、着いていきます」


「了解しましたわ」


 カピトリーナの命令に、彼女達は素直に従い、後に続いてゆく。



 痩身である、ハリーナは、警察で使用される黒に近い紺色の制服を着て、制帽を被っている。


 茶髪を、お団子ポニーにしている彼女は、帽子の両端から触覚《かみのけ》を垂らす。



 そして、灰色の細い目と、ニッコリしたような顔が目立つ。



 背中には、PUスコープ付きAVTー40を背負っている。


 腰のプラ製ホルスターには、フォルトー12CURZを居れていた。



 小柄なミラは、黒い新型制服を着ており、同じく制帽を被っている。


 彼女も金髪ポニーテールで、前髪パッツンにしており、帽子の左右から触覚を垂らしていた。


 少し丸い顔に、薄透明な水色の瞳が、彼女は特徴的だ。



 その右手には、ズブロイア、Zー008ハンティング狙撃銃を持っている。


 反対の左手には、青いレザーに覆われた防弾ベストを掴んでいる。



「向こう側が騒々しいね?」


「中尉、我々も準備しないと…………」


 フロスト中尉とネージュ準尉たちも、舞台上から移動していく、第二小隊を見ていた。



「ああ、その前に見てくれ、面白い物が見えるだろう?」


「これは?」


 フロスト中尉がニヤリと嗤いながら、ネージュ準尉にPCの画像を見せた。


 そこには、大量の重戦車部隊とワイバーン部隊が映っていた。



 一方、時間を少し遡り、連合軍陣地では歩兵部隊が活発に作業活動をしていた。


 瓦礫や土嚢を積み上げて、ゾンビや帝国軍部隊が進軍できないように工作作業を行っている。



 それは、ナタン達が立て籠る、9ホテル・セントラルでも同様だ。



「さてと、さっきは防弾ベストすら持って来れなかったからな」


「あの時は、助かったよ」


「私達だけじゃ、ゾンビを倒せなかったわ」


 トヨタ・テクニカルを運転手をしていた、男性兵士が、ホテル内で緑色の防弾ベストを着ていた。


 そこに、ナタンとメルヴェ達も現れると、マッチョ・ゾンビを倒してくれた事の礼を彼に言った。



「ああ、俺は何にもしていない? 連中を連れてきただけだ」


「防弾板は、ここに置いてってと?」


「私のは、ここに」


 男性兵士は、作業を終えたばかりのナタリーとカトリーヌ達に親指を向ける。


 二人は、ロキヨーム通りの鉄条網を強化するべく、防弾板を設置していく。



「俺は、ナタン、こっちはメルヴェ」


「宜しくね」


「カイリー・イーグルスだ」


 ナタンとメルヴェ達が名乗ると、カイリーも名を教えながら握手してきた。



「砲声がしたぞっ!」


「重迫撃砲か、榴弾砲だろう」


「総員、退避っ!!」


「迫撃砲を屋上に出せっ!」


 いきなり、鳴り響いた砲撃音と着弾音により、連合軍兵士は慌てだす。


 冷静に状況を分析しながら、ラテン系PMC要員は、BNPビルに逃げ込み、窓から外を眺める。



 武器の整備をしていた、アラビ人兵士は、コロニー通りに向かって走り出した。


 東アシュア系民兵は、大慌てで武器弾薬が設置している場所に、迫撃砲を取りに行く。



「帝国軍が来るぞっ!」


 カイリーは、EF88を手に取ると、ベランダから敵を狙って銃撃を開始した。


 ブリュッセル中央駅や不動産管理会社ビルなどから、RPGー7の弾頭や迫撃砲が飛んできた。



 どうやら、帝国軍は建物を奇襲により、音もなく容易に制圧していたらしい。


 さらに、ピュットリー通りから、マーカー軽戦車とプレットフォルマーM豆戦車が突撃してくる。


 

「連中、ロボット戦車を引き連れているっ!」


「ナタン、上よっ! 上空から来るわっ!!」


 ベランダから身を乗り出した、ナタンは敵のロボット戦車隊を撃とうとした。


 相手は、軽戦車ゆえに武器やセンサー程度ならば、小銃弾でも破壊できると考えたからだ。



 しかし、メルヴェは上空から何かが飛来するのを目撃する。


 それは、真っ黒いドラゴンとワイバーンの飛行編隊だ。



「はっ!? 奴ら、また竜を連れてきたのかっ!」


「対空射撃よっ!」


「正面からも来てるぞっ?」


 ドラゴンには、シュヴァルツ・リッターが乗っており、手榴弾を空中から投下してきた。


 ワイバーンは、滑空しながら両脇の小樽から炸裂矢アガニ・ボルトを放ってきた。



 ナタンとメルヴェ達は、周囲が爆発する中、銃を斜め上に向けて反撃する。



 しかし、カイリーが言うように、ロボット化された、BMPー3が四台も走ってきた。


 さらにティーグル装甲車とBTRー90装甲車などが、何台も走行してくる。



「退け、退けっ! RPGのチームを連れてきたぞっ!」


「マフディッ?」


「ナタン、避けるわよっ!」


 背後から、マフディが怒鳴りながら部屋に飛び込んでくると、数人のアラビ人が後に続く。


 RPGー7を持った、彼等のために、ナタンとメルヴェ達は、ベランダから離れた。



「発射するっ! 後方から離れていろっ!」


「バックブラストに気を付けろっ!」


 アラビ人兵士は、RPGー7を構えると、直ぐに弾頭を発射する。


 もう一人も、パンツァーファウストを構えて、敵の車両部隊を攻撃した。



 こうして、何台かのティーグルやBTRー80が爆破炎上する中、歩兵部隊が降車し始めた。

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