帝国軍の奇襲攻撃により、連合軍部隊は大混乱に陥った。
「アンタら、下がりなっ!」
「戦線を下げるよっ!!」
ナタリーは、SKSカービンを抱えながら後方へと逃げる。
カトリーヌの方は、デューシカ38歩兵支援用火器で、ゾンビ達を次々と倒していく。
一時、ロボット戦車隊とゾンビの襲撃で混乱に陥った連合軍部隊だが、何とか持ち直しつつある。
「大変だーーーー!? 即時、撤退命令が出たぞーーーー!?」
「全員、逃げろ~~~~~~!!」
H&K、MG4分隊支援火器を持った、連合軍兵士が叫ぶと、その場に居た全員が混乱する。
キアッパ・トリプルスレット散弾銃を持った、もう一人も大声で告げる。
「撤退命令だっ! 下がるぞっ!」
「しかし、まだ全員が下がってない」
急な撤退命令に困惑する、イズライル軍兵士と自衛隊員たち。
「グオオオオオオッ! グアッ!」
「我々は、イズライル軍と自衛隊が撤退するまで、時間を稼ぐ」
ウェンは、65式騎兵刀を右手に、ゾンビの首を素早く斬り捨てる。
「アイリー、幻影で兵士を増やせっ! ワン、敵を押し留めるぞっ! チュー、ロボットを破壊しろっ!」
「了解ですっ! 幻影で兵力を水増しをしますっ!」
「了解ですぜ、たく、ゾンビが多すぎるっ!」
「PFは…………ここだっ!」
ウェンは、部下に命令して、チィーナ軍を最後まで殿を勤めさせるようだ。
アイリーは、191自動歩槍を単発射撃しつつ、幻影魔術を展開する。
80式汎用機関銃を、撃ち続けて、途切れなく火を吹かせ続ける、ワン。
対戦車用の武器を探して、ひたすら慌てまくる、チュー。
「退散する、我々は先に行かせて貰うっ!」
「先に行け、援護するっ!」
イズライル軍兵士たちは、ゾンビに向かって、銃撃しながら後退していく。
自衛隊員は、89式小銃を連射しつつ撤退する味方部隊を援護する。
「レジーヌ、私達も後退するよっ!」
「シルビア、分かってるわ」
シルビアは、コルトM16、9ミリSMGを抱えて素早く走る。
レジーヌは、MKR、SS20狙撃銃のストックで、ゾンビを殴り倒しながら逃げる。
「ヤバいわ…………ナタン、メルヴェ、早く逃げて来なっ!」
ストックレスAKを連射しながら、フランシーヌは、二人を呼ぶ。
「お前ら、早く逃げろっ!」
マフディは、FALで正確に、ゾンビの頭を撃ち抜いていく。
「今、行くっ! 待っていろっ!」
「私達より、後ろを助けてやってっ!」
「グオオオオッ!!」
「ガアアアアアアーー」
ナタンとメルヴェ達は、必死で走り、近付いてくるらゾンビ達に拳銃弾を放つ。
「チィーナ軍は、まだ残るようだ?」
「私達も、彼らの場所まで行かないとっ!」
「グアアアアッ!?」
「ギャアアアアーー」
ナタンは、土嚢に身を隠すと、MASー1935の弾倉を交換しながら、味方に眼を向ける。
メルヴェも、手榴弾を幾つか真ん中にある大穴に投げ入れた。
それにより、ゾンビ達は爆発とともに土砂の下敷きになり、完全に出入口を塞がれた。
「ナタン、左右から来るだろうけど、私達は真っ直ぐに下がるわよっ!」
「早く、こっちに退避してーーーー!?」
メルヴェが走り出すと、ステアーF90を出口から連合軍・女性兵士が単発で撃つ。
ナタンも、その後を追って、とにかく真っ直ぐ駆け出していく。
「援護するっ! 早く来てくれっ!」
「ゾンビは任せなっ!!」
「さあ、早く、こっちにっ!」
ディマコC8SFW小銃を、連合軍・女性兵士が連射しながら、ナタンを援護する。
「グァァーーーー!」
「ギュアアアア」
「敵は、総崩れに成っているっ!」
「側面を突くぞっ!」
右側の壁穴からは、マッチョ・ゾンビとシュヴァルツ・リッター達が何体も現れた。
さらに、歩兵部隊が後から続々と突入してくる。
左側からも、大量のゾンビとオーガー達が勢いよく突入してくる。
「不味い、分断されたっ!!」
「これじゃあ、前に行けない」
ナタンとメルヴェ達の前に、帝国軍部隊とゾンビ達が現れて、中央付近に陣取る。
「逃げ遅れた奴が居るぞっ!」
「グアアッ!!」
「グオオオオォォ」
「前に行けっ! 止まるなっ!」
「後ろからは、ロボット戦車が来ているっ!」
帝国軍兵士が、土嚢からAK12を単発連射しながら、ナタンとメルヴェ達を狙う。
さらに、ゾンビとマッチョ・ゾンビ達が、二人を標的にして、走ってくる。
しかし、ミゲルとカルロス達が自動小銃を連射しつつ、後ろから援護してきた。
「止まるなと言っても…………」
「不味いわよ、どうすれば?」
「グオオッ! グア?」
「グオオオオ、オオ?」
「グアアアアーーーー!? グァッ!?」
ナタンとメルヴェ達は、敵による銃撃や突撃を前にして、土嚢に隠れるしかない。
しかし、ミゲルとカルロス達の銃撃で、雑魚ゾンビは倒れる。
そして、マッチョ・ゾンビも、頭を見事に撃ち抜かれた。
「こちらから援護するっ!」
マッチョ・ゾンビを仕留めたのは、タカヤマが土嚢から構えた、バレットM95だった。
「助けられたな? でも、帝国軍をどうやって切り抜けるか…………」
「とにかく、何かを投げましょうっ!」
ナタンが、大勢の敵を前に悩んでいると、メルヴェは土嚢から離れていく。
そして、銃撃を受けつつも、それを掻い潜り、床に設置してあった木箱の蓋を開ける。
次いで、中に入っていた、火炎瓶を投げまくった。
「ぎゃああああっ!」
「グオオッ! グオオーー!?」
火炎瓶が、床へと落下する度に、割れてしまい、中身の油と業火を広げてしまう。
こうして、出来た火の海に、帝国軍部隊とゾンビ達は殺られていく。
「これで、左側からは攻撃して来れないだろう」
「シュヴァルツ・リッター&オーガー&マッチョ・ゾンビを除いてね」
「二人とも、援護するから前進して」
「後ろは我々が引き受ける」
ナタンとメルヴェ達は、土嚢に隠れながら燃えてない右側を見るが、そこは大量の敵が居た。
しかし、後ろから、リーシアンとユーシン達が、声をかけてきた。
二人のM4A1突撃歩槍による連射と、57式歩槍による単発連射は、帝国軍部隊を惹き付けた。
「まだ、奴らは後ろに居るぞっ!」
「残った、連中は排除しろっ!」
当然ながら、四人の存在に気がついた、帝国軍部隊は猛烈に反撃してくる。
シュヴァルツ・リッターは、PKP汎用機関銃を猛烈に乱射しまくってくる。
膝だち姿勢のオーガーは、MG3汎用機関銃を途切れなく連射してくる。
他の兵士も、AK12やAK74などで、制圧射撃を加えてきた。
「ヤバい、アレじゃあ突破は困難だ」
「後ろは…………味方のロボットが」
ナタンは、防弾板に身を隠して、敵部隊の銃撃が止むのを待つ。
メルヴェ達は、背後を見ると、REEMロボアーミー達が、破壊された姿を確認できた。
しかも、ネレフタ豆戦車だけではなく、マーカー軽戦車まで室内に突入してきている。
「うわわっ! 爆発したわっ!」
「RPGーだ、味方の援護だよっ!」
ナタンとメルヴェ達は、いきなりネレフタが爆発して驚く。
「チュー、このまま味方を援護し続けろっ!」
「はい、体長っ!!」
ウェンは、95式自動歩槍を数発ずつ連射して、敵の注意を惹いていた。
隊長からの命令により、チューは69式火箭筒を何発も発射していた。
彼による砲撃は、命中率こそ低かったが、他の砲手とともに、帝国兵やロボット戦車を撃破する。
チィーナ軍部隊は、最後まで残る積もりであり、未だ多数の兵士を最後尾に残していた。
彼らが、多数の対戦車兵器を放ってくる中、帝国軍部隊も遮蔽物へと移動する。
「そこのアンタら、早く来なさいよっ!」
「私達が援護しているうちにっ!」
「ぐわあああっ!!」
「ぎゃあーー!?」
入口付近の黒人女性兵士も、ベクターR5を弾倉が空に成るまで連射しまくる。
もう一人の女性兵士も、パラドーD付き、タンタルから榴弾を発射した。
銃弾で右肩を撃たれた、帝国兵は土嚢の裏に素早く隠れる。
シュヴァルツ・リッターも、足元が吹き飛び、一瞬だけ怯んでしまう。
「やった、あそこから行けるかっ!」
「いいえ、向こうは部隊が未だ健在よ」
ナタンは、敵の隙を突いて攻撃しながら突破を敢行しようかと考えた。
だが、それはリスクが高いと思った、メルヴェは暫くは状況を見守ろうとした。
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