【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第185話 装甲列車&荷台上の戦い

公開日時: 2024年7月11日(木) 22:28
更新日時: 2024年7月14日(日) 09:59
文字数:3,004


 十字路を越えた、トヨタ・テクニカルは味方部隊と合流するべく、街中を疾走する。



 その左側には、様々なビルや家屋などが、所狭しと立ち並ぶ。


 また、右側にも、雪積もる広い敷地に木々と、医療センターの建物が見える。



「ところで、この車の行き先は?」


「あ? 知らないのか、行くのはブリュッ!?」


「また来たわよ、今度は装甲列車だわっ!!」


 ナタンが行き先を聞いて見ると、アシュア系PMC要員が答えようとした。


 しかし、彼とメルヴェ達は、後ろから装甲列車が迫っていることに気づいた。



「うわ、わっ! わあっ! 機関砲を撃って来たぞっ!!」


「ちょ、激しく揺らし過ぎっ!」


 ドドドドと、激しい音を立てながら、黒い装甲列車は機関砲を撃ってきた。


 トヨタ・テクニカルは、その攻撃を避けるために蛇行運転を繰り返し、右へ左へと揺れまくる。



 右往左往する荷台の上で、ナタンとメルヴェ達は反撃する事もまま成らず、必死で車にしがみつく。


 これは、アムールやバイカル型の装甲鉄道車両だと思われ、ZPUー2機関砲を撃ち続ける。



「車体がボロくなるっ!」


「ぐわああっ!?」


 次々と発射される、14、5ミリ弾はトヨタ・テクニカルを易々と貫通してしまう。


 それを、恐れた運転手は、即座に頭を下げて体を丸めたのだが。


 座席後部を貫通した、一発が不運にも、アシュア系PMC要員に当たってしまう。



「殺られたかっ!」


「ああ…………KIAだ」


「くぅーー!?」


 ナタンは、後ろを確認する間もなく、AAー52を撃ちまくりつつ、運転手に声をかけた。



 だが、相手は装甲列車だ。



 簡易的とは言え、装甲板が貼られている堅牢な車体を、機銃弾が貫通する事は出来ない。



 メルヴェのダネルは、直撃すれば、ZPUー2機関砲を破壊できそうだが、それも今は不可能だ。


 なぜなら、機関砲による連続射撃が激しすぎるからだ。



 それを、避けようと、トヨタ・テクニカルの車体が揺れるため、発射した榴弾が当たらないわけだ。



「不味いな…………このままじゃあっ!?」


「うわあ? RPGッ!?」


「どこから、きゃああっ!!!!」


 運転手が、ハンドルを右から左に回す中、ナタンはRPG弾が四方から飛んでくるさまを目にする。


 メルヴェは、揺れ動く荷台と、次から次へと発射されるRPG弾を恐れて叫ぶ。



 しかし、それらの弾頭はトヨタ・テクニカルではなく、装甲列車に何発も命中直撃した。



「は? 味方か?」


「………どうやら、そのようね? 赤い旗が見えるわ」


 装甲列車が、爆発炎上する中、左右にある建物の屋根や屋上から歓声が聞こえた。


 味方のレジスタンスや連合軍コマンド部隊が、病院を占拠して、真っ赤な旗を立てていた。



 彼らの援護射撃により、装甲列車は破壊され、二人は難を逃れたわけだ。



「やあ?」


「ありがとうっ♡」


 荷台の上で、ナタンとメルヴェ達は、味方部隊に手を振って礼を告げる。


 こうして、病院の建物郡を通り過ぎた、トヨタ・テクニカルは、交差点を斜め左に向かっていく。



 そして、次なる敵が二人に攻撃を仕掛けてきた。



 BTRー40ZhD装甲トロリーが走って来たのだ。



「新手かよ……やるしかないか……弾切れかよ、クソッ!」


「連中、撃ってくるわよっ! 早く給弾してっ!」


 BTRー40ZhD装甲トロリーは、車載用の機関砲や機関銃は、備えていない。


 しかし、乗員であるワーウルフと帝国兵たちが、AKMを撃ちまくってきた。



 ナタンは、周囲の箱からベルトリンク式・機銃弾を探す。


 メルヴェは、ダネルMGLを撃つが、素早く走り迫ってくる敵には当たらない。



「死ねっ!! 連合兵めっ!!」


「白兵戦は得意かっ?」


「不味い、くるなっ!」


「近寄ると、斬るわよっ!?」


 横付けされた、BTRー40ZhD装甲トロリーから、ワーウルフと帝国兵が飛び移ってきた。



 荷台上で、ナタンはベルトリンク式・機銃弾を振るいまくる。


 そうして、敵による鋭い爪の切り裂きを防御する。



 一方、メルヴェはコンバットナイフを片手に迫る敵から必死で離れる。


 それと同時に、服の背中内に隠していた、小刀ヤタガンを抜き取る。



「斬り合いなら負けないぜっ!」


「うるさい、離れろっ!!」


「そんな剣で勝てると思っているのかっ!」


「古い剣でも、敗けはしないわっ!」


 荷台の上で、ワーウルフは爪を伸ばして、ナタンを殺さんと一気に攻める。


 帝国兵も、メルヴェと刃を交え、斬り合いを繰り返す。



「斬るだけが、白兵戦じゃあねぇんだよっ!」


「ぐばっ!?」


「ナタンッ!!」


「よそ見したら隙が出きるっ!」


 ワーウルフから蹴りを喰らった、ナタンは頭を左側の鉄板にぶつけてしまう。


 それを心配する、メルヴェの首元に鋭いコンバットナイフが真っ直ぐ迫る。



「くそっ! いてぇっ!」


「うわ、この……」


「殺られるわけ無いでしょ」


「だまれ、はやく死ねっ!」


 ナタンは、ベルトリンク式機銃弾を、ワーウルフの顔に投げつけた。


 しかし、その投擲は右手で簡単に弾かれてしまった。



 メルヴェは頭を後ろに引きつつ、小刀ヤタガンの切っ先で、帝国兵が握るコンバットナイフを防ぐ。



「クソがっ! なら、これでも喰らえっ?」


「させるかっ! オラッ!」


「刃渡り60センチか? 俺のナイフより長い……だがっ!」


「隙を突く気でしょうが、近寄らせないわよっ!」


 ナタンは、腰から、MASー1935拳銃を引き抜こうとする。


 だが、ワーウルフが武器を握らせるはずはなく、素早く右腕に蹴りを一発喰らわせる。



 帝国兵は、一気に距離を積めると、コンバットナイフを、メルヴェの心臓めがけて袈裟斬りを放つ。


 しかし、彼女はナイフを握る帝国兵の袖を掴んで斬激を避ける。



「おっ! 援軍の登場だっ!」


「味方のトラック部隊か……これで多勢に無勢だな」


「不味い、このままじゃっ! ぐわっ!」


「ナタン、よくもっ!!」


 ワーウルフは、チラッと一瞬だけ、トヨタ・テクニカルに近づいてくる部隊に目を配る。


 帝国兵も同じく、二台の黒いトラックに気づいて、ナイフによる連撃を勢いづかせる。



 ナタンも、敵の増援が登場したことで焦り始めたが、いきなり彼に銃弾が当たる。


 メルヴェは、彼が銃撃を受けたので、激昂しながら、小刀ヤタガンを振るいまくる。



 今の一撃は、ZiSー151トラックに乗っているドライアドが放った。


 トラックの屋根に載せた、ドラグノフSVDKから狙撃したわけだ。



 これにより、いきなり不意討ちを受けた、彼は後ろに倒れこむ。



「ナタン、確りしてっ! きゃっ!」


「よそ見をするなっ!!」


「これで、俺の勝ちだな…………」


「ぐぅぅ…………ぁ」


 メルヴェの小刀ヤタガンと、帝国兵が握るコンバットナイフは何度も打ち合う。


 その間、ワーウルフは倒れた、ナタンに対して鋭い鉤爪による必殺技を放とうと飛びかかった。



「くっ! 喰らえっ!」


「何っ! チィィ…………」


「私だって、負けないわっ!」


「やるな、だがっ!!」


 ナタンは咄嗟に、左手で腰からMASー1935拳銃を抜き取ると同時に撃つ。


 素早く放った一発は、ワーウルフの腹を撃ち抜き、退けざらせた。



 メルヴェも、小刀ヤタガンを振るいまくり、帝国兵を圧倒する。



 しかし、後方のZILー157トラックから新手が現れる。



 制帽を被った、ヴァンパイアが飛び込んで来たのだ。


 それに続き、蔦を鉄板に絡めて、ドライアドが迫ってくる。



「動くなっ! もう、遊びは終わりだっ!」


「動くなら、容赦しないぜっ!」


 ヴァンパイアは、H&K、VP7拳銃を、二人に向ける。


 一方、ドライアドはH&K、P30を窓の外から運転手に突きつけた。

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