【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

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デブにゃーちゃん
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第271話 機甲師団の突撃

公開日時: 2024年7月12日(金) 17:02
更新日時: 2024年7月15日(月) 08:30
文字数:3,150


 帝国軍兵士たちは、ティーグルから降りると同時、直ぐに近くの建物へと走り出す。


 BTRー90の後部ハッチから出てきた、マッチョ・ゾンビ達は、彼方此方に向かっていく。



「◣○◥◢□◣◥っ!!」


「突撃だっ!!」


「◢◥●◣■」


「向かいの建物を制圧するっ!」


 帝国軍の兵士達は、みな軽装備であり、数こそ多いが、すぐに銃撃で倒れていく


 連中は、シュトルムZ・アスカリ・市民突撃隊などからなる使い捨て部隊だからだ。



 しかし、一部はブリュッセル中央駅の向かいにあるレストラン内部へと、勢いよく突入していく。


 路上から、マッチョ・ゾンビの群れも後を追って雪崩れ込んでちく。



「不味いっ! 連中の狙いは、レストランだったんだっ!」


「直ぐに射殺しないと、向こう側の味方が不味いわっ!」


 ナタンは、レストランに向かう敵にAMDカービンの射撃を浴びせる。


 メルヴェも、ベルクマンMG15で、ベランダから制圧射撃を加えていた。



 二人や他の連合側兵士による、制圧射撃はレストランに侵入を試みた、敵部隊を何人か倒す。


 RPGー7や汎用機関銃による射撃を右側から受けた、軽装兵やマッチョ・ゾンビを仕留められた。



「うわっ! 凄い轟音よっ!」


「重砲による攻撃だ、あっちは王宮の方だな」


 メルヴェの銃撃や、BNPビルから放たれる射撃で、十字砲火が形成される。


 こうして、ロボット戦車隊を含む、敵部隊の半数は撃退できた。



 だが、いきなり遠くから聞こえた轟音に彼女は驚いてしまう。


 カイリーは、冷静にブリュッセル公園で、二つの黒煙が上がるさまを見た。



「後方部隊を潰して、補給線を潰す気なんだろう」


「味方部隊よっ! ハンヴィーと装甲車が来たわっ!」


 ナタンは冷静に、AMDカービンを撃ちながら敵の戦略を考えた。


 メルヴェは、顔を右に向けて、コロニー通りから、深緑色のハンヴィーが走ってくる姿を見た。



 FV510ウォーリア歩兵戦闘車も、ラーデン機関砲を撃ってくる様子も伺えた。


 二両が緩やかな坂を下る中、向かいにある、同じような構造のホテルからも、射撃が行われている。



「次はミサイルが飛んでくるっ! 伏せろっ!」


「建物の奥に避難するんだっ!」


 EF88を連射していた、カイリーはベランダから離れて屋内に逃げ込む。


 マフディも、サッと素早く、ホテル奥部へと駆け出していく。



 ナタンとメルヴェ達を含む、アラビ人部隊も退避した。



 直後、ミサイルがホテルの三階を吹き飛ばし、周囲に存在する建物も破壊する。


 向かい側のホテルには、誘導攻撃が二発も直撃したらしく、上部ドームが完全に破壊された。



「こっちは、殺られているな? 酷い状態だっ!」


「でも、味方が健闘しているわ、まだ私達は負けていない」


 ハンヴィーからは、Mk47ストライカー自動擲弾銃により、榴弾が放たれまくっている。


 FV510ウォーリア歩兵戦闘車も、ラーデン機関砲とチェーンガンを途切れなく連射されている。



 また、三階の吹き飛んだ部分から、ワリードとヌーラ達が現れた。



「あっ! 二人とも、大変だっ! 向かい側のレストランが敵に制圧されそうなんだっ!」


「敵が正面から撃って来てるでしょ、助けてっ!」


「分かっている…………だから、コイツを持って来たんだ」


「上から援護するわっ! 安心してっ!」


 ナタンとメルヴェ達は、破壊された三階の穴から現れた、二人に状況を伝える。



 ワリードは、それを聞いても全く動じる事は無く、冷静だった。


 彼は、LG5Sスナイパー・グレネードランチャーを構えて、何発も榴弾を道路に放った。



 ヌーラは、その横からCARカー816スルタン自動小銃を、単発連射する。



「味方の援軍が来たか? なら、制圧射撃は続行しなければなっ!」


「ゾンビが走ってくるっ!! 下の連中、防弾板で入口を塞げっ!」


「分かっているよ、今やっている」


「私達も急いでいるわっ!」


 EF88のスコープで、敵を狙撃するカイリーと、FALを単発連射しながら怒鳴る、マフディ。


 一方、一階からは、ナタリーとカトリーヌ達の声が聞こえて来た。



 完全に制圧されたのか、それは分からないが、レストラン側から次々と、ゾンビ達が走って来た。



「不味いわ、ゾンビの群れとマッチョ・ゾンビが来ている…………」


「しかも、戦車が来てるっ! また、ドラゴンもだっ!」


 メルヴェは、隣のホテルに走っていく、群れに対して、機銃掃射を浴びせていく。


 これで、ゾンビの群れは何体か倒れていくが、全ては倒せない。



 また、ナタンは再び上空からワイバーン部隊が腹に抱えた、大樽を投下するのを目撃する。


 シュヴァルツ・リッターが、次々と鞍《くら》に取り付けていた、二本のロープを外して落とされていく。



「うわっ! また、空襲だっ!!」


「ヘリコプターまで来たわっ!」


 大樽は、火薬が詰まった爆弾であり、アチコチの建物に当たると同時に爆発する。


 そこに、低空で侵入してきた、軽ヘリコプター部隊まで現れた。



 ナタンとメルヴェ達は、近づいてくる敵の航空部隊を狙う。



「待てっ! ヘリコプターは味方機だっ!」


 白い機体カラーのAS365ドーファンが、四機も現れると、側面ドアが開かれる。


 そして、中からFAーMASを持った連合軍兵士達は、近くを飛び回るワイバーン達に銃撃する。



 また、白いヘリを見て、ワリードは冷静に味方機であると思って、対空射撃を静止する。



「空は何とかなったけど、前から再び来るわよ」


「戦車隊かっ!?」


 ナタンとメルヴェ達は、カンテルステン通りから敵の機甲部隊が突撃してきたから姿を奥に隠す。


 十両からなる、青いレオパルドA2V9重戦車は、砲火を放ちながら物凄い速さで疾走してくる。



 しかも、その背後からは、二両ほど、黒い大型自走榴弾砲トレーラーが走ってくる。



「砲撃が飛んでくるっ!」


「伏せろっ!」


 滅茶苦茶に、周囲の建物を砲撃しながら、レオパルドA2V9部隊は近くまで迫ってきた。


 しかし、運良く砲弾は、ナタン達の隠れる場所より、奥にある建物に着弾した。



 だが、その背後から、ズザナ155ミリ自走榴弾砲が、砲身から噴煙を放つ。


 その一撃で、隣にあるホテルは正面が完全に吹き飛び、辛うじて二階部分だけが僅かに残された。



 カイリーとマフディ達は、ベランダに出ないで銃を構えていたが、素早く床に身を伏せた。



「俺達も、身を伏せないとっ! 次はカボチャの頭が動くっ!」


「また、あのカボチャ頭が来たの…………」

 

 ズザナ・パンプキン・ヘッド自走光線照射砲は、頭を回転させながら、レーザー光線を放ってきた。


 右から左へと横凪に振るわれた、攻撃は建物を横に切り裂いた。



 だが、幸運な事に誰も死ぬ事は無かったが、連合軍側は、機甲部隊を前に怖じ気づいてしまう。



「ナタン、メルヴェ、撤退命令が出たよっ! うわっ!」


「きゃっ! 後退しなきゃ、不味いからね」


 彼方此方《あちらこちら》から、RPGー7の弾頭が飛び交っているが、戦車隊を破壊できない。


 既に、ハンヴィーは後退しており、FV510ウォーリア歩兵戦闘車は撃破されていた。



 カトリーヌは、バレットM82を抱えながら背後から現れると、全員に聞こえるように叫んだ。


 メルヴェも、瓦礫と灰煙を浴びながら、走り出した。



「あんな物の相手はしてられねぇっ!?」


「さっさと、退避するぞっ!」


「RPGーも、殆ど効いてないっ!!」


「先に行くわ、着いてきてっ!」


 マフディとカイリー達は、無数の砲声が鳴り響く中、左右から吹き出る黒煙に入っていく。


 LG5Sスナイパー・グレネードランチャーを何発か、ハリードは撃つ。



 その間に、ヌーラは発煙弾を何個か投げた後、奥に退避し始めた。



「ナタン、早く来てっ!」


「分かってる…………」


 メルヴェは、部屋の出入口からナタンを呼ぶが、彼は黒煙で前が見えない。



「ウガアッ!!」


「不味い、ゾンビだっ!」


 二階のベランダへと、マッチョ・ゾンビが飛び乗り、ナタンに迫って来ていた。

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