緑ニット帽を被り、ラーマ・ガルドーネ・ガビロンド拳銃を構えた、南ハンザ系のレジスタンス員。
その右隣で、赤いフードを被り、ベルグマン・ベアード拳銃を構えた、北ハンザ系レジスタンス員。
彼等は、弾丸を弾く、楯変わりに積まれた、鉄製コンテナ裏に隠れて、警察部隊に向かって叫ぶ。
「レオパルド、サーミア、お前達は裏切ったのかっ!?」
「それとも、帝国に洗脳されたかっ!?」
緑のニット帽を被った、レジスタンスと赤いフードを被った、レジスタンス達。
彼等に、名前を呼ばれた、男女二人の帝国警察隊員だが。
二人は、黒い制服姿に制帽を被り、入口の端裏に隠れている。
そうして、他の帝国警察特殊部隊員が銃撃を続ける中、突入準備をしていた。
レオパルドと呼ばれた、青白い肌の若い男性警察隊員。
毛先がカールした、シルバーブロンドヘアー、メディシ・ブルー色のキリッとした賢そうな瞳。
など、彼は常に冷静沈着で、硬く強い意志の持ち主と言う、印象を他人に与える容姿をしていた。
サーミアと呼ばれた、若い女性警察隊員は、シュネーカラーの長い髪を、サラりと揺らす。
シャレイ・ブルーのトロンとした眠たげな瞳、不健康そうな程、透き通った真っ白い肌。
等々と言った、パーツを持つ可憐で、あどけない少女みたいな印象を、彼女は与える。
彼等は、他の帝国警察特殊部隊員が銃撃を続ける中、即座に行動へと移る。
二人して、スモーク・グレネードと閃光手榴弾を同時に投げ込み、アジト内に素早く駆け込んだ。
煙が充満する前に、一瞬にして炸裂音と、眩い閃光が当たりを明るく照らす。
それは、レジスタンス達から視界を奪い、その隙を狙って、二人は煙に紛れる。
さらに、右側面から、二人は銃撃を加えつつ、素早く移動する。
それに怯まず、内部で待ち構えていた、数人のレジスタンス達は、銃を乱射してきた。
二人は、銃撃を掻い潜りつつ走り、近くにある遮蔽物となる木箱の山陰に身を隠して、応戦する。
「ヴラウリオ、イェスパー? お前達も、もう諦めろよっ!! そうすれば楽に殺してやる? それとも死にたく無いって言うなら勿論、部下にしてやっても良いんだぜっ?」
「そうよっ! この中に居る者で、もし私達の攻撃を生き延びる事が出来たら? 私達帝国警察の仲間として皆を歓迎するわよっ」
二人とも、レジスタンス達を挑発しながら、木箱から身を乗り出し、自動小銃を発砲する。
レオパルドは木箱の上部から身を出して、MPIーAkSー74Nライフルを連射しまくる。
サーミアも、木箱の陰から身を少しだけ出して、ヴィーガー941ライフルを単発連射する。
「うぅぅっ!! …………」
「ぎああっ!」
短機関銃を、乱射しながら応戦していた、レジスタンス員たちだったが。
二人も、レオパルドとサーミア達による精確な銃撃に撃たれて戦死する。
「くそぉがぁーーーー!」
「じいさんっ! 止めろっ! 撃…………」
裏切り者の二人と、アジトに奇襲攻撃を仕掛けて来た帝国警部隊だが。
連中に対して、老レジスタンス員は遮蔽物の陰から、イサカM37散弾銃を乱射しまくる。
吠える老犬の如く、彼は敵に立ち向かうが、それ止めようとした、若いレジスタンスだったが。
彼は、帝国警察部隊による銃撃の流れ弾が、額に命中して、ガクンと倒れて事切れた。
「負けて堪っ!! ぐわっ!?」
ポンプアクション式散弾銃、イサカM37を撃ち続ける、老レジスタンス員の胸に弾丸が命中する。
それは、サーミアの構えるヴィーガー941ライフルが火を吹いたからだ。
「ヤバい、撤退だっ!?」
「援護する後退しろっ!」
ヴラウリオは、ラーマ・ガルドーネ・ガビロンド拳銃を撃ちまくる。
そうして、反撃しつつ後方に位置する柱の陰にまで走って行く。
今度は、イェスパーが、ベルグマン・ベアード拳銃を撃ち、応戦しつつ後退するのを援護した。
二人以外のレジスタンス達も後退して、帝国警察部隊による制圧射撃に、圧倒され始める。
徐々に、狭い通路に追い詰められていった、レジスタンス側は、アジトを放棄する事にした。
こうして、完全撤退のため、爆破準備が成された通路に逃げ込んだ。
「シモーネっ! 準備は出来ているな?」
「この場を放棄して脱出するっ! 早く奴等を纏めて爆破してくれっ!!」
ジリジリと追い詰めて来る、警察部隊に対して、応戦しつつ通路まで後退して来た。
ヴラウリオとイェスパー達は、爆破係りのシモーネに対して、爆弾を起爆させるように急かすだが。
「駄目です…………シモーネさんは動けませんので…………」
「はっ! 何を言って?」
「ミネット?」
狭い通路最奥に、さまざまな爆弾を爆破係のシモーネが設置しているはずである。
そこで、ミルクコーヒー色のセミロングヘアーをした、彼女が本来ならば待機している。
しかし、彼女ではなく狙撃手である、ミネットの声が、二人に聞こえてきた。
彼女は、たしか前の戦闘で足を負傷して、ベッドで寝ている状態である。
警察部隊が襲撃してきた際には、二人のレジスタンス仲間に脱出路へと連れ行かれていた。
だから、そこで、彼女も待機しているはずであった。
「私が拘束しました…………だって彼女は仲間である私を、こんなちゃちな玩具で殺そうとしてきたんですもの?」
通路奥から薄暗い影に混じって、訳が分からない事を喋る、ミネット。
その左手から、青緑色をした蔦が伸びていた。
その蔦は、シモーネの口と体を纏めて縄で縛るように拘束している。
右手には、彼女の愛銃サベージM1907が握られていた。
「ああ、それと…………周りの皆さんも邪魔なので始末させて頂きました?」
そう喋る、ミネットのクールショートヘアーには、青緑色をした草や葉が雑じっている。
その姿は、まるで幻想生物であるドライアドみたいな容姿をしていた。
「お前も、スパイだったのか!?」
「良くも仲間を裏切ったな!!」
正面に立つ、異形の警察隊員に対して、それぞれ銃を構える、ヴラウリオとイェスパー達。
それに対して、ミネットは素早く蔦を操り、シモーネを持ち上げ、楯にした。
さらに、こちらへと銃を向けるレジスタンス達を、ミネットは即座に狙う。
素早く動いた、彼女は、シモーネの愛銃サベージM1907拳銃を使って発砲する。
結果、三人のレジスタンス員たちを撃ち殺した。
「次はシモーネの頭蓋骨に風穴が開いちゃいますよぉ~~?」
弾が切れた、サベージM1907を、ミネットは通路の床上に落とす。
また、彼女は、自らのレッグホルスターから、ル・フランセ・ミリタリーを抜き取る。
こうして、彼女は口を蔦で塞がれ、喋ることが出来ない、シモーネのこめかみに銃口を突き付ける。
「くっ!!」
「くうぅぅっ!!」
シモーネを人質に取る、ミネットに拳銃を向ける、ヴラウリオとイェスパー達。
その背後で抵抗していた、レジスタンス達も、警察部隊を押し留めることも限界に達していた。
「奴等が突破して来たぞっ!」
「怯むな撃て撃てっ!?」
「ここが限界か…………」
『バーーンッ!!』
遂に、完全に袋の鼠と成ってしまった、レジスタンス達だが。
彼等は、最後まで徹底抗戦を続ける者や、負傷して、瀕死状態の者が多数だった。
また、帝国に洗脳される位なら、自ら命を絶つ覚悟を決め、自決する者も存在するのであった。
「そろそろ、仕上げの頃合いだな…………」
「うーーん? そうね、それじゃあ突撃っ!」
残るレジスタンス達に、追撃を仕掛けて襲いかかる、レオパルドとサーミア達。
二人は、残り少なく成った、レジスタンス達が応戦して、最後の反抗である銃撃を行う中で動く。
レオパルドは、腰のホルスターから左手を伸ばし、ワルサーP5Lを抜き取る。
次いで、レジスタンスに向けて、発砲しながら駆け出す。
そして、右手で鞘から、波打つ銀色に光る刀身の蛇剣フランベルクを抜き取る。
と、同時に素早く駆け出す。
こうして、彼はレジスタンス達に、ワルサーP5Lを発砲しながら、フランベルクで斬り掛かった。
サーミアも、素早く腰の両側に下げた、ホルスターから銃を抜き取る。
右手に、ステアーGBを、左手には、ステアー・ハーン・ドッペル12を持つ。
この両手に握った、拳銃を強く握り締めた、彼女も駆け出していく。
それから、残り少なく成った、レジスタンス達に向かって、発砲しながら駆け出して行った。
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