【暗黒騎士団VS反逆のレジスタンス】 吸血鬼アンデッド軍団と最後の人類は、たった一人でも戦う

レジスタンスは今日も戦う
デブにゃーちゃん
デブにゃーちゃん

第四部 帝国警察部隊の任務

第27話 第三小隊のヴォルフ達

公開日時: 2024年7月9日(火) 14:30
更新日時: 2024年7月12日(金) 22:36
文字数:3,330


 緑ニット帽を被り、ラーマ・ガルドーネ・ガビロンド拳銃を構えた、南ハンザ系のレジスタンス員。


 その右隣で、赤いフードを被り、ベルグマン・ベアード拳銃を構えた、北ハンザ系レジスタンス員。



 彼等は、弾丸を弾く、楯変わりに積まれた、鉄製コンテナ裏に隠れて、警察部隊に向かって叫ぶ。



「レオパルド、サーミア、お前達は裏切ったのかっ!?」


「それとも、帝国に洗脳されたかっ!?」


 緑のニット帽を被った、レジスタンスと赤いフードを被った、レジスタンス達。


 彼等に、名前を呼ばれた、男女二人の帝国警察隊員だが。


 二人は、黒い制服姿に制帽を被り、入口の端裏に隠れている。



 そうして、他の帝国警察特殊部隊員が銃撃を続ける中、突入準備をしていた。



 レオパルドと呼ばれた、青白い肌の若い男性警察隊員。



 毛先がカールした、シルバーブロンドヘアー、メディシ・ブルー色のキリッとした賢そうな瞳。


 など、彼は常に冷静沈着で、硬く強い意志の持ち主と言う、印象を他人に与える容姿をしていた。



 サーミアと呼ばれた、若い女性警察隊員は、シュネーカラーの長い髪を、サラりと揺らす。


 シャレイ・ブルーのトロンとした眠たげな瞳、不健康そうな程、透き通った真っ白い肌。


 等々と言った、パーツを持つ可憐で、あどけない少女みたいな印象を、彼女は与える。



 彼等は、他の帝国警察特殊部隊員が銃撃を続ける中、即座に行動へと移る。


 二人して、スモーク・グレネードと閃光手榴弾を同時に投げ込み、アジト内に素早く駆け込んだ。



 煙が充満する前に、一瞬にして炸裂音と、眩い閃光が当たりを明るく照らす。



 それは、レジスタンス達から視界を奪い、その隙を狙って、二人は煙に紛れる。


 さらに、右側面から、二人は銃撃を加えつつ、素早く移動する。



 それに怯まず、内部で待ち構えていた、数人のレジスタンス達は、銃を乱射してきた。


 二人は、銃撃を掻い潜りつつ走り、近くにある遮蔽物となる木箱の山陰に身を隠して、応戦する。



「ヴラウリオ、イェスパー? お前達も、もう諦めろよっ!! そうすれば楽に殺してやる? それとも死にたく無いって言うなら勿論、部下にしてやっても良いんだぜっ?」


「そうよっ! この中に居る者で、もし私達の攻撃を生き延びる事が出来たら? 私達帝国警察の仲間として皆を歓迎するわよっ」


 二人とも、レジスタンス達を挑発しながら、木箱から身を乗り出し、自動小銃を発砲する。



 レオパルドは木箱の上部から身を出して、MPIーAkSー74Nライフルを連射しまくる。


 サーミアも、木箱の陰から身を少しだけ出して、ヴィーガー941ライフルを単発連射する。



「うぅぅっ!! …………」


「ぎああっ!」


 短機関銃を、乱射しながら応戦していた、レジスタンス員たちだったが。


 二人も、レオパルドとサーミア達による精確な銃撃に撃たれて戦死する。



「くそぉがぁーーーー!」


「じいさんっ! 止めろっ! 撃…………」


 裏切り者の二人と、アジトに奇襲攻撃を仕掛けて来た帝国警部隊だが。


 連中に対して、老レジスタンス員は遮蔽物の陰から、イサカM37散弾銃を乱射しまくる。



 吠える老犬の如く、彼は敵に立ち向かうが、それ止めようとした、若いレジスタンスだったが。


 彼は、帝国警察部隊による銃撃の流れ弾が、額に命中して、ガクンと倒れて事切れた。



「負けて堪っ!! ぐわっ!?」


 ポンプアクション式散弾銃、イサカM37を撃ち続ける、老レジスタンス員の胸に弾丸が命中する。


 それは、サーミアの構えるヴィーガー941ライフルが火を吹いたからだ。



「ヤバい、撤退だっ!?」


「援護する後退しろっ!」


 ヴラウリオは、ラーマ・ガルドーネ・ガビロンド拳銃を撃ちまくる。


 そうして、反撃しつつ後方に位置する柱の陰にまで走って行く。


 今度は、イェスパーが、ベルグマン・ベアード拳銃を撃ち、応戦しつつ後退するのを援護した。



 二人以外のレジスタンス達も後退して、帝国警察部隊による制圧射撃に、圧倒され始める。


 徐々に、狭い通路に追い詰められていった、レジスタンス側は、アジトを放棄する事にした。



 こうして、完全撤退のため、爆破準備が成された通路に逃げ込んだ。



「シモーネっ! 準備は出来ているな?」


「この場を放棄して脱出するっ! 早く奴等を纏めて爆破してくれっ!!」


 ジリジリと追い詰めて来る、警察部隊に対して、応戦しつつ通路まで後退して来た。


 ヴラウリオとイェスパー達は、爆破係りのシモーネに対して、爆弾を起爆させるように急かすだが。



「駄目です…………シモーネさんは動けませんので…………」


「はっ! 何を言って?」


「ミネット?」


 狭い通路最奥に、さまざまな爆弾を爆破係のシモーネが設置しているはずである。


 そこで、ミルクコーヒー色のセミロングヘアーをした、彼女が本来ならば待機している。



 しかし、彼女ではなく狙撃手である、ミネットの声が、二人に聞こえてきた。


 彼女は、たしか前の戦闘で足を負傷して、ベッドで寝ている状態である。



 警察部隊が襲撃してきた際には、二人のレジスタンス仲間に脱出路へと連れ行かれていた。


 だから、そこで、彼女も待機しているはずであった。



「私が拘束しました…………だって彼女は仲間である私を、こんなちゃちな玩具で殺そうとしてきたんですもの?」


 通路奥から薄暗い影に混じって、訳が分からない事を喋る、ミネット。


 その左手から、青緑色をした蔦が伸びていた。



 その蔦は、シモーネの口と体を纏めて縄で縛るように拘束している。


 右手には、彼女の愛銃サベージM1907が握られていた。



「ああ、それと…………周りの皆さんも邪魔なので始末させて頂きました?」


 そう喋る、ミネットのクールショートヘアーには、青緑色をした草や葉が雑じっている。


 その姿は、まるで幻想生物であるドライアドみたいな容姿をしていた。



「お前も、スパイだったのか!?」


「良くも仲間を裏切ったな!!」


 正面に立つ、異形の警察隊員に対して、それぞれ銃を構える、ヴラウリオとイェスパー達。


 それに対して、ミネットは素早く蔦を操り、シモーネを持ち上げ、楯にした。



 さらに、こちらへと銃を向けるレジスタンス達を、ミネットは即座に狙う。


 素早く動いた、彼女は、シモーネの愛銃サベージM1907拳銃を使って発砲する。


 結果、三人のレジスタンス員たちを撃ち殺した。



「次はシモーネの頭蓋骨に風穴が開いちゃいますよぉ~~?」


 弾が切れた、サベージM1907を、ミネットは通路の床上に落とす。


 また、彼女は、自らのレッグホルスターから、ル・フランセ・ミリタリーを抜き取る。



 こうして、彼女は口を蔦で塞がれ、喋ることが出来ない、シモーネのこめかみに銃口を突き付ける。



「くっ!!」


「くうぅぅっ!!」


 シモーネを人質に取る、ミネットに拳銃を向ける、ヴラウリオとイェスパー達。


 その背後で抵抗していた、レジスタンス達も、警察部隊を押し留めることも限界に達していた。



「奴等が突破して来たぞっ!」


「怯むな撃て撃てっ!?」


「ここが限界か…………」


『バーーンッ!!』


 遂に、完全に袋の鼠と成ってしまった、レジスタンス達だが。



 彼等は、最後まで徹底抗戦を続ける者や、負傷して、瀕死状態の者が多数だった。


 また、帝国に洗脳される位なら、自ら命を絶つ覚悟を決め、自決する者も存在するのであった。



「そろそろ、仕上げの頃合いだな…………」


「うーーん? そうね、それじゃあ突撃っ!」


 残るレジスタンス達に、追撃を仕掛けて襲いかかる、レオパルドとサーミア達。


 二人は、残り少なく成った、レジスタンス達が応戦して、最後の反抗である銃撃を行う中で動く。



 レオパルドは、腰のホルスターから左手を伸ばし、ワルサーP5Lを抜き取る。


 次いで、レジスタンスに向けて、発砲しながら駆け出す。


 そして、右手で鞘から、波打つ銀色に光る刀身の蛇剣フランベルクを抜き取る。


 と、同時に素早く駆け出す。



 こうして、彼はレジスタンス達に、ワルサーP5Lを発砲しながら、フランベルクで斬り掛かった。



 サーミアも、素早く腰の両側に下げた、ホルスターから銃を抜き取る。


 右手に、ステアーGBを、左手には、ステアー・ハーン・ドッペル12を持つ。


 この両手に握った、拳銃を強く握り締めた、彼女も駆け出していく。


 それから、残り少なく成った、レジスタンス達に向かって、発砲しながら駆け出して行った。

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