信也の助力に心血を注いでいた『カーラ』の召喚のスキルの使い手達は怯む。
「絶対にリノアを救ってみせる!」
「くっ……」
勇太の決意に目を見張り、『カーラ』の召喚のスキルの使い手達は明確に言葉に詰まらせる。
「望達の邪魔はさせないからな!」
勇太は静かな闘志を纏って大剣を手に地を蹴った。
『カーラ』のギルドメンバー達が連携攻撃を放てば、勇太は負けじと攻撃をさらに繋いでいく。
それぞれがそれぞれの特性を生かした攻撃。
そして、フェイントを使った天賦のスキルの技。
しかし、勇太の緊密な強撃に、MPが少なくなってきた『カーラ』の召喚のスキルの使い手達は決め手を決めかねていた。
勇太が『カーラ』の召喚のスキルの使い手達を足止めしていた頃、有達は『レギオン』のギルドメンバー達と戦闘を繰り広げていた。
『元素還元!』
有は、『レギオン』の魔術のスキルの使い手達が放った炎の珠に向かって杖を振り下ろした。
有の杖が炎の珠に触れた途端、とてつもない衝撃が周囲を襲った。
炎の珠達がまるで蛍火のようなほの明るい光を撒き散らし、崩れ落ちるように消滅したのだ。
「炎の珠の寄せ集めでは、トラップアイテムを一つ作るくらいが関の山だな」
有は一仕事終えたように、眩しく輝く杖の先端の宝玉を見る。
『元素復元、覇炎トラップ!』
今度は武器を振り下ろしてきた『レギオン』のギルドメンバー達に向かって、有は再び、杖を振り下ろした。
有の杖が床に触れた途端、空中に炎のトラップシンボルが現れる。
『レギオン』のギルドメンバー達がそれに触れた瞬間、熱き熱波が覆い、行く手を阻む。
「よーし、一気に行くよ!」
花音は跳躍し、『レギオン』のギルドメンバー達へと接近する。
『クロス・リビジョン!』
今まさに有達に襲いかかろうとしていた『レギオン』のギルドメンバー達に対して、花音が天賦のスキルで間隙を穿つ。
花音の鞭に搦(から)め取られた瞬間、鞭状に走った麻痺の痺れによって、『レギオン』のギルドメンバー達は身動きを封じられた。
「逃がしません!」
プラネットは吹っ切れた言葉ともに、両拳を花音の攻撃から逃れた『レギオン』のギルドメンバー達に叩きつけた。
それと同時に高濃度のプラズマが走り、爆音が響き渡る。
「切りがないな」
奏良は威嚇するように、『レギオン』のギルドメンバー達に向けて、連続で発砲する。
風の弾が『レギオン』のギルドメンバー達の身体に衝突し、大きくよろめかせた。
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