「望よ、こちらは大丈夫だ」
「プラネットちゃん、すごい!」
有の言葉に同意するように、花音は両手を広げて喜び勇んだ。
「有様。このまま、バリアを展開していてもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ、プラネットよ」
「ありがとうございます」
有の承諾に、プラネットは一礼すると強気に微笑んでみせる。
骨竜達を対処していた徹は光龍を一旦、引かせると、望達が相対しているモンスターを物言いたげな瞳で見つめた。
「……このタイミングで、新たなモンスターか」
この局面において現れたーー新たな敵。
徹は必死に光明に縋り、勝利に繋がるための手段に思いを巡らせる。
徹は骨竜達と対峙しながら、モンスターへと立ち向かう望達に希望を托した。
『レギオン』の召喚のスキルの使い手達が呼び出したモンスター。
モンスターは危害を加えてきた望達をゆっくりと睥睨する。
まるで望達を敵と見定め、圧倒的な迫力を直に訴えかけてくるようだ。
圧倒的な能力が厚となって、望達の肌に突き刺さる。
「望、リノアよ、吉乃信也にリノアの意識を失わせるように仕向けるためにも、あのモンスターを倒すぞ!」
「……有。あのモンスターを倒すためには、かなりの時間を要する。望達を吉乃信也のもとに行かせることを考慮して、波状攻撃で攻め立てた方がいいと思う」
迎え撃つ姿勢の有の意思に、奏良はモンスターを威嚇するように発砲しながら苦言を呈した。
有の表情が硬く強張ったのを見て、奏良は付け加えるように続ける。
「だが、『アルティメット・ハーヴェスト』が他を抑えに回ってくれている今なら、あのモンスターを倒すことは出来る。そのためには、みんなの体力を回復させる必要があると僕は思う」
「はい。あのモンスターを討伐する方法はあります」
「討伐する方法?」
有の疑問を受けて、プラネットは花音に目配せした。
花音は即座にインターフェースを使い、ステータスを表示させると、自身のスキル技を確認する。
「妹よ、どういうことだ?」
「あのね、お兄ちゃん。私のスキルを使えば、あのモンスターに対処出来るんだよ!」
有の発言に、花音は両手を広げて歓喜の声を上げた。
「花音のスキル『クロス・リビジョン』を使えば、モンスターは麻痺の効果で動きが鈍くなる」
「なるほどな。ステータス異常を発生させて動きを阻害するんだな」
「なるほどね。ステータス異常を発生させて動きを阻害するんだね」
奏良が事実を如実に語ると、望とリノアは納得したように首肯する。
積み上げた強さとともに、望達は『レギオン』と『カーラ』、そして信也に立ち向かう意志を示した。
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