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留菜マナ
留菜マナ

第四百六十三話 光を欺く②

公開日時: 2024年3月22日(金) 16:30
文字数:1,000

「なっーー」


視線を誘起された『カーラ』のギルドメンバーの一人が、その不慮の一撃をまともに喰らう。

その瞬間、『カーラ』のギルドメンバーの一人は体力を失い、そのまま、この仮想世界から消えていった。

光を纏った大剣が、周囲にいた『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達さえも攻撃ごと吹き飛ばす。


「さらに行くぜ!」


一網打尽とまではいかなかったが、勇太は次々と『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達を薙ぎ倒していく。


「よーし、私達も行くよ!」


裂帛の咆哮とともに、花音は力強く地面を蹴り上げた。


『クロス・バースト!』


今まさに望達に襲いかかろうとしていたモンスター達に対して、花音が天賦のスキルで間隙を穿つ。

花音の鞭に搦(から)め取られた瞬間、鞭状に走った封印の効果によって、モンスター達は全ての特性を封じられた。


「『再生能力』が付与されているモンスターには、お兄ちゃんが事前に用意したアイテムで虚を突くよ」


花音の放った氷属性の飛礫アイテムが、次々とモンスター達へと叩きつけられていく。

これに対して、モンスター達は攻撃を避けながらも、行く手を阻むように防御を固めた。


「飛礫アイテムを用いれば、モンスターの注意を向けられるだろうな」


戦局全体を見極めていた奏良は、銃を構えるとモンスター達ではなく、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達に対して範囲射撃をおこなう。


「ーーっ」


不意を突いた連続射撃は、新たにモンスターを呼び出そうとしていた『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバーも含めて、彼らを大いに怯ませる。


「喰らえ!」

「ーーっ!」


奏良が放った更なる銃弾の嵐が、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達の動きを阻害した。


「プラネットちゃん、モンスターの動きを止めて!」

「お任せください!」


声に呼応するように、花音達をブラインドして近づいていたプラネットが、モンスター達にとっては死角から現れる。


「逃がしません!」


プラネットは吹っ切れた言葉ともに、両拳を花音の攻撃から逃れたモンスター達に叩きつけた。

それと同時に高濃度のプラズマが走り、爆音が響き渡る。

しかし、それはモンスター達の動きを止めただけで倒すには至らない。

ゲームオーバーまでの時間を延ばしているだけだ。


長期戦は不利となる。

なら、当然ーー。


瞳に強い眼差しを宿した徹は即座にある方針を取ることを決断する。

それに呼応するように、何者かの影がゆらりと揺れた。

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