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留菜マナ
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第三百五十七話 過ぎ去りし透光⑧

公開日時: 2022年9月2日(金) 16:30
文字数:1,385

『ーー我が声に従え、光龍、ブラッド・ヴェイン!』

「ーーっ!」


今まさに、背後から徹に襲い掛かろうとしていた『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達は、突如、目の前に現れた光龍の咆哮によってそれを防がれてしまう。

金色の光を身に纏った四肢を持つ光龍。

巨躯の光龍は、主である徹に危害を加えようとした『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達を睥睨した。

徹が呼び出した光龍は、さらに身体を捻らせて『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達に迫る。


「くっ」


攻撃を防がれたのが予想外だったのか、前衛の『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達は体勢を立て直すこともできずにまともに喰らう。

しかし、光龍の更なる追撃は、後方に控えていた『カーラ』のギルドメンバー達が新たに呼び出したモンスター達の猛攻によって防がれてしまった。


「なっ!」

「ここは任せろ! モンスターを呼び出すのなら対処していくだけだ!」


鋭く声を飛ばした徹の想いに応えるように、勇太は一足飛びに駆け出した。

露骨な戦意と同時に、勇太は一気に『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達との距離を詰める。


『フェイタル・トリニティ!』


勇太は跳躍し、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達の不意を突くようなかたちで大技をぶちかました。

勇太の放った天賦のスキルによる波動が、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達のギルドメンバー達を襲う。


「なっーー」


視線を誘起された『カーラ』のギルドメンバーの一人が、その不慮の一撃をまともに喰らう。

その瞬間、『カーラ』のギルドメンバーの一人は体力を失い、そのまま、この仮想世界から消えていった。

光を纏った大剣が、周囲にいた『カーラ』のギルドメンバー達さえも攻撃ごと吹き飛ばす。


「行くぜ!」


一網打尽とまではいかなかったが、勇太は『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達を薙ぎ倒していく。


「よーし、私達も行くよ!」


裂帛の咆哮とともに、花音は力強く地面を蹴り上げた。


『クロス・バースト!』


今まさに望達に襲いかかろうとしていたモンスター達に対して、花音が天賦のスキルで間隙を穿つ。

花音の鞭に搦(から)め取られた瞬間、鞭状に走った封印の効果によって、前方にいた『カーラ』のギルドメンバー達によって召喚されたモンスターは全ての特性を封じられた。

さらに追い打ちとばかりに、花音は鞭を振るい、何度も打ち据える。


「奏良よ、頼む」

「言われるまでもない」


有の指示に、奏良は弾丸を素早くリロードし、銃を構えた。

発砲音と弾着の爆発音が派手に響き、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達を怯ませる。


「行きます!」


裂帛の咆哮とともに、プラネットは力強く地面を蹴り上げた。


「はあっ!」


気迫の篭ったプラネットの声が響き、『カーラ』のギルドメンバー達によって召喚されたモンスター達は次々と爆せていく。

花音達の攻撃により、『カーラ』のギルドメンバー達によって召喚されたモンスター達のHPは半分近くまで減った。


「「これで決める!」」


そのタイミングで、望とリノアは剣を掲げると、連なる虹色の流星群を一閃とともに放つ。

望の特殊スキルと愛梨の特殊スキル。

それが融合したように、モンスター達に巨大な光芒が襲いかかる。

一片の容赦もない二人の一振りを受けて、『カーラ』のギルドメンバー達によって召喚されたモンスター達が全て消滅していった。

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