「望くん、リノアちゃん、お願い!」
「ああ!」
「うん!」
花音の合図に、跳躍した望とリノアが剣を振るい、飛行モンスター達を木端微塵に打ち砕いた。
だが、さらに三体の影が後方から襲いかかってくるのが見える。
「奏良よ、頼む」
「言われるまでもない」
有の指示に、奏良は弾丸を素早くリロードし、銃を構えた。
発砲音と弾着の爆発音が派手に響き、モンスター達は次々と葬り去られていく。
「行きます!」
裂帛の咆哮とともに、プラネットは力強く地面を蹴り上げた。
「はあっ!」
気迫の篭ったプラネットの声が響き、行く手を遮るモンスター達は次々と爆せていく。
だが、包囲網を崩そうしても、すぐに強固な陣形を組まれてしまう。
「吉乃かなめを倒すことができれば、状況はこちらに有利になるはずだ」
「吉乃かなめを倒すことができれば、状況はこちらに有利になるはず」
望とリノアは剣を構え、活路を見出だすために周囲を見渡す。
戦いは加熱していく。
この戦いを指揮しているかなめを倒すことの難しさを改めて実感した。
とはいえ、既にかなめのHPを示すゲージは赤色に近い。
だが、このまま、手をこまねいていれば、いずれ体力を回復されてしまうかもしれない。
「だったら、できることをやるだけだ」
「だったら、できることをやるだけ」
望とリノアは賭けに出ることにした。
「勇太くん、プラネット、俺に力を貸してくれないか」
「勇太くん、プラネット、私に力を貸して」
「分かった」
「マスター、リノア様、お任せください」
望とリノアの呼びかけに、駆け寄った勇太とプラネットが応える。
「俺達も、望達に加勢しよう!」
「徹様、分かりました」
徹の意思に、意図的に薄い存在感を徹していたイリスは『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達と応戦する。
だが、指揮を執っているかなめもまた、宙を浮いているイリスの動向に警戒していた。
いつでも交戦できる構えを取っている。
「では、私は吉乃かなめを倒すためのお力添えをします」
イリスは意思を示すように直言する。
あくまでこれは超常の領域にある美羅の加護を受ける開発者達の一人を倒すこと。
開発者の一人を倒せば、『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達の動きに乱れが生じるはずだ。
「でも、お兄ちゃん。吉乃かなめさんを倒すのは難しいと思うよ」
「妹よ、だからこそだ」
花音の懸念事項に、有は落ち着いた声音で言葉を紡いだ。
「吉乃かなめによって、リノアは転移させられる。だが、それには何らかの動作が必要のはずだ。吉乃信也の時のように動きを封じれば、リノアが転移することはない」
「なるほどな。相手は光の魔術の使い手。魔術を封じれば、望達の動きを止めることはできない」
奏良は銃を構えながら、戦況の動きを見極めた。
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