「このまま、対応しても、部屋の秘密を探ることはできないな」
「このまま、対応しても、部屋の秘密を探ることはできないね」
望とリノアは剣を構え、活路を見出だすために周囲を見渡した。
包囲を崩そうとしても、すぐに強固な陣形を組まれてしまう。
しかし、これ以上、召喚されたモンスター達に再生能力を付与させないためにも、かなめの目を誘導してしなくてはならない。
そしてーー部屋の秘密を探るために、望達に今できること。
「ふむ。『レギオン』と『カーラ』を退けるためには、やはりモンスター達の足止めは必須か」
ベヒーモス達の猛攻を回避しながらも、有は杖を構える。
「妹よ、頼む」
「うん」
有の指示に、鞭を振るっていた花音は勇ましく点頭した。
「よーし、一気に行くよ!」
花音は跳躍し、ベヒーモス達へと接近した。
『クロス・リビジョン!』
今まさに望達に襲いかかろうとしていたベヒーモス達に対して、花音が天賦のスキルで間隙を穿つ。
花音の鞭に搦(から)め取られた瞬間、鞭状に走った麻痺の痺れによって、ベヒーモス達は身動きを封じられた。
さらに追い打ちとばかりに、花音は鞭を振るい、何度も打ち据える。
しかし、花音の防衛をすり抜けて、ベヒーモス達は望達へと迫った。
「お兄ちゃん、お願い!」
『元素復元、覇炎トラップ!』
花音の合図に、有は襲いかかってきたベヒーモス達に向かって杖を振り下ろした。
有の杖が床に触れた途端、空中に炎のトラップシンボルが現れる。
ベヒーモス達がそれに触れた瞬間、熱き熱波が覆い、炎に包まれた。
だが、ベヒーモス達は炎を振り払い、襲いかかってくる。
「奏良よ、頼む」
「言われるまでもない」
有の指示に、奏良は弾丸を素早くリロードし、銃を構えた。
発砲音と弾着の爆発音が派手に響き、ベヒーモス達を怯ませる。
「行きます!」
裂帛の咆哮とともに、プラネットは力強く地面を蹴り上げた。
「はあっ!」
気迫の篭ったプラネットの声が響き、ベヒーモス達は次々と爆せていく。
花音達の攻撃により、ベヒーモス達のHPは半分近くまで減った。
「「これで決める!」」
そのタイミングで、望とリノアは剣を掲げると、連なる虹色の流星群を一閃とともに放つ。
望の特殊スキルと愛梨の特殊スキル。
それが融合したように、ベヒーモス達に巨大な光芒が襲いかかる。
一片の容赦もない二人の一振りを受けて、再生能力を持ち得ていないベヒーモス達が消滅していった。
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