望とリノアが剣を掲げると、さらなる輝きを発する。
「望くん、リノアちゃん、すごーい!」
「上手く使いこなせるかは分からないけれどな」
「上手く使いこなせるかは分からないけれどね」
花音の言い分に、望とリノアは少し逡巡してから言った。
その指摘に、花音は信じられないと言わんばかりに両手を広げる。
「望くんとリノアちゃんが同時に特殊スキルを使ったら、一気に突破口を開くことができそうだね」
「ああ、そうだな」
「うん、そうだね」
花音の咄嗟の疑問に、望とリノアは戸惑いながらも答えた。
「わーい! 望くん、リノアちゃん、すごーい!」
「花音、ありがとうな」
「花音、ありがとう」
喜色満面で喜び勇んだ花音の姿を見て、望とリノアは苦笑する。
望とリノアは仕切り直すと、残りのモンスター達へと対峙した。
「「これで決める!」」
そのタイミングで、望とリノアは剣を掲げると、連なる虹色の流星群を一閃とともに放つ。
望の特殊スキルと愛梨の特殊スキル。
それが融合したように、モンスター達に巨大な光芒が襲いかかる。
一片の容赦もない二人の一振りを受けて、モンスター達が消滅していった。
だが、街道に陣形を組み上げている『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達は、四大スキルの使い手も全て揃っている。
その上、彼らは初心者などでは決してない。
全員が全員、中級者以上の実力の持ち主だ。
装備もまた充実していた。
高位ギルドである『レギオン』と『カーラ』のギルドメンバー達は様々なダンジョンなどに赴いている。
彼らはそこで手に入れた適切かつ強力な装備を付けていた。
難を逃れた『カーラ』のギルドメンバー達が再び、数十匹のモンスターを呼び出す。
「また呼び出したのか!」
「また呼び出したの!」
「望、リノア、任せろ!」
望達の戦いぷりが、勇太の心に火を点ける。
露骨な戦意と同時に、勇太は一気にモンスター達との距離を詰めた。
『フェイタル・ドライブ!』
勇太が大きく大剣を振りかぶり、光の刃が波動のようにモンスター達へと襲いかかった。
万雷にも似た轟音が響き渡る。
「ーーーーガアアッ!」
迷いのない一閃とともに、勇太の強烈な一撃を受けて、モンスター達は怯んだ。
モンスター達のHPが一気に減少する。
頭に浮かぶゲージは0になり、『カーラ』のギルドメンバー達が呼び出したモンスター達がゆっくりと消えていった。
「俺も加勢をしないとな」
徹がそう告げたその瞬間、背中に不穏な気配を感じ取る。
徹は振り返ることはせずに、ただ一言、言葉を発した。
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