鬼より年功序列が嫌なので、違う戦場で戦います

せんきん
せんきん

パーティをしよう(前編)

公開日時: 2021年11月16日(火) 17:31
文字数:3,058


ケーキのようなゲームのステージの上にギャルが2人、地味な子が1人

そして金髪ツインテールが1人居る。

そのうち3人は絶望、ツインテールだけが愉悦の表情を浮かべている。


金髪のギャルが絶望する


「ミニゲーム、また負けた。

 ていうかこれでうちらの負け確定?」


もう1人の茶髪のギャルはすがるような表情を浮かべる。


「マジ負けたけど、でも命が奪われるなんて嘘だよね?」


眼鏡っ娘は一生懸命な顔を浮かべる


「嘘だ、嘘に決まってるよ。

  そんなことあるわけ」


白のキャミソール、オレンジの膝丈スカート

金髪ツインテールの少女は笑った


「本当で~す、あなたたちは私にパーティゲームで負けたので。デット!!」


少女3人はケーキの中に、ケーキに開いた黒い穴に落ちていく

少女達は絶望の表情を浮かべている


「「「きゃぁああああああ!!」」」


その後彼女らを見た者はいない




その後ツインテールの少女の家に、警察が2名訪ねてきた

若手の警官と、年配の警官だ。


若手の警官が聞く


「行方不明になってるあなたの娘の友達を探してるんですが」


金髪ロングヘアーで、主婦という感じの服にエプロンの女性は叫ぶ


「け、警察!!よかった、娘が鬼になって。」


金髪ツインテールの少女は笑った

主婦の後ろで


「捜査官と裏切者、みーつけた」


その後、2人の警官とこの家の母親を見た者はいない




俺たち(俺、ツウ、絵馬、斗牛)は、捜査のために家を訪れていた

この家を訪れた娘の友人が行方不明になった

そしてそれを調査しようとした警察も行方不明になったらしい


ツウは深刻な顔で言う


「警官はなかなか名が知れたコンビらしくてね。

  鬼でも簡単にやられるわけない、そうだよ」


絵馬は嫌味な顔を浮かべた


「やばそうな感じじゃない、なんで新人のうちらに調査依頼が?」


ツウは笑顔で言った


「だから調査なんだよ、やばかったら仏補佐に任せる

  ご主人様みたいなね」


おやじみたいなのに任せるか判断するための、先行調査ってわけか。

だけど。




「踏み入ったら手遅れ、ってパターンがたいていだと思うけど」


ツウは肩を竦めた


「それなら、補佐じゃなく私らが犠牲になったほうがいい

 少しでもそれで情報を得たい、って考えているのかも」


斗牛は怒ったように言った


「想像だが、だとしたら腐った組織だな」


ツウはあきらめたように言う


「組織なんてどこもそんなもん、危険なことは下っ端がやるんさ」


確かに、前の世界の部活でも

大きい荷物運びとか下級生の役割だったな

備品の竹刀の束を落として怪我したやついたっけ




俺たちは家の中に足を踏み入れた

するとそこは、ケーキの楽園だった。

巨大なホールケーキの上に、俺たちが居る


「なにこれ」「ボクおかしくなった?」「うわっ」


みんな驚いている


「はーい、いらっしゃい

  ケーキの楽園へようこそ」


俺たちは巨大なバースデーケーキの上に居て。

目の前には白のキャミソール、オレンジの膝丈スカート

金髪高めのツインテールが目立つ乙女が居た、

胸は普通の割に、胸元の大きなピンクリボンがよく目立つ


分かることがある


「「「「あいつは鬼だ」」」」


あんなに怪しい少女が鬼じゃないわけない




「可憐な乙女に鬼とは、失礼しちゃう」


絵馬は笑った


「鬼に乙女なんてないわ」


そう言いながら霊力を鬼に放つ

だがそれは透き通った


「へ?」


絵馬はあ然としている




鬼は笑った


「ここはパーティゲームの世界、ゲームで以外。

  相手に危害を加えることはできないわ。

   そしてここで行われるゲームは」


鬼は大きく手を広げる


「私か、あなたたちか敗者が死ぬデスゲーム

  フフフ、驚いた」


斗牛は困った顔をしている


「マジかよゲームとか得意じゃねぇ、お前らは?」


絵馬は考え込んで言った


「まぁ、普通ね」


ツウは首を横に振った


「そんなのやる余裕ある人生じゃないし」


俺は考え込んだ


「苦手じゃないけど、パーティゲームは普通だな」


駄目だ、あいつに勝てそうにない

俺たちの間に絶望感が漂う




鬼は笑った


「まぁ誰でも勝てる可能性があるのがパーティゲーム、ミニゲーム全敗でも勝てるかもよ

  運だけで、うふふ」


確かに運で勝てる可能性があるのがパーティゲームだ。


「初心者ファースト、まずはそちらからサイコロをどうぞ」


目の前に巨大な6面サイコロが現れる

俺は疑問に思った


「どうふればいい?」


「代表の1人が普通に転がせばいいわ」


なるほど


「ちなみにこのゲームの勝利条件は?」


絵馬が聞く、絵馬は戦いで冷静だ。

前に道着がはだけた時も動じてなかったし、怯んではいたけど




「メダルをいっぱい集めること、メダルはマスでもらえたり

 ミニゲームで私に勝利するともらえるわよ」


ミニゲームで勝利、ね。


「どうせやりこんでるんだろ」


鬼はにやりと笑って否定しない、図星なんだろう

こいつはどれだけの人間をこのゲームで殺したんだ?


絵馬がにらみつけた


「化け物」


「うふふ、こんな美少女捕まえて失礼ね」


鬼は笑って動揺しない

今まで退治してきた鬼より厄介そうだ

今までのは獣のようなやつらで、ポーカーフェイスなんて出来て無かった




「とりあえず俺からサイコロを振るぜ」


俺はサイコロを勝手に振った


「「「ちょっ!!」」」


出目は3、普通だ


「メダルを4もらう、当たりだな(どやっ」


鬼は嘲笑している


「フフフ」


まるでその程度で当たりですか?と言わんばかりだ。

ふざけやがって。




鬼もサイコロを振る


「じゃあ私もっと、あら2。

 -4コインになったわ」


2は-4コインマスだ


1ターン目終了


主人公達 +4 3マス目

敵 -4 2マス目


「へへ、こっちが優勢じゃないか雑魚め」


俺は満面の笑顔で煽る

だけど絵馬は冷静だ


「…冷静になって、ただの運よ

  向こうは運じゃない隠し玉があるはず」


「だけど、喜んだっていいじゃないか」


斗牛は同調する


「まぁ確かに喜ぶべきだな、今は+を」


ツウは言った


「次はボクが振るよ、4。

 ミニゲームでバトル、勝者にコインを全部渡す!!」


『!!!!』


こんなマスが、あいつが余裕なのはそれでか




鬼は笑った


「ミニゲームは何かな、あっレースゲームだ

  レースであなたたち4人で運転する車と、私1人で運転する車で競って

   私が勝てば4コインいただき私が0に、あなたたちが勝ってもあなたたちが-4コインいただき」


どうあがいても0になるじゃねぇかクソ

当然4人運転が不利で惨敗した

鬼のコインをもらい、0になった。お互い0


結局±0じゃないか

ツウは申し訳なさそうだ


「ボクのせいで、ごめん」


絵馬は冷静に言う


「仕方ないわよ、運だし」


そう、運だから仕方ない



鬼は言った、次は


「私が振るわね、1

 +4コインだ、やったぁ、」


こいつ…


2ターン目終了時


主人公達 0コイン 7マス目


鬼 4コイン 3マス目


俺は疑問に思って聞いた


「そういえば、このゲーム終了条件はなんなんだ?

  それがないと終わらないが」


鬼は笑って言った


「5ターンで終わりだよ、時間かけすぎるのは尺の無駄だからね。

  5ターンでそれぞれの命運が決まる」


5ターン、たった5ターンで命が決まる。

なんて残酷なゲームなんだ。


斗牛が言う


「次は俺が振るぜ、2。

  9マス目のマスに止まることになるな」


ダイスを振った人がお色気ポーズ?

こんなふざけたマスがあるのか!!


斗牛は胸元を開けた


「うっふーん」


『プッ!!マジ受ける』


「鬼はともかくお前らまで笑うなよ、クソ!!」


鬼は笑った


「じゃあ私が振るね、5。

  次のターン自由に出目を選べる」


「なんだそれチートじゃないか」


俺は叫んだ


鬼は笑った


「あなたたちも止まれる可能性あったし、平等でーす」


確かに、平等と言えば平等だ。

だがどうもあいつの作ったゲームの成果、あいつに支配されてる気がする

実際されてるんだろうが


3ターン目終了時


主人公達 0コイン 9マス目


鬼 4コイン 8マス目

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