クズ度の高い少年が モンスターと戦って倒すと、倒したモンスターが美少女になって、倒した相手に絶対服従してくれる世界に行ってみた。

くろねこ教授
くろねこ教授

第68話 野獣の森入り口その温泉回

公開日時: 2021年10月7日(木) 17:30
文字数:6,012

「男女が一緒に寝れる訳無いでしょ

 何考えてんのよ!」


怒り出したのは女冒険者エリカだ。

コノハの家は一応寝室は別になってる。

ベッドは2つだけ。

昨日はここにコノハに寝てもらい、後は全員同じ部屋で寝たのだ。

薬の材料を置いていたと言う部屋。

今はガランとしている。

そこに毛皮が敷かれているのだ。

ショウマと従魔少女が寝るのにはちょうど良かった。

さらにエリカ達3人が加わる。

さすがに寝るには狭いかも。

そんなコトを話してたらエリカがブチ切れた。


「アナタ達も男でしょ。

 女性に気を使って、オレ達は表で寝るとか言いなさいよ」


なぜ野宿しなきゃいけないのだろう。

せめて台所で寝るとか、廊下とか。


「エリカ様、ベオグレイドの家でだって

 一緒に生活してるではありませんか」

「あそこは寝室にカギがかかるでしょう」


もちろんコノハの家の寝室にカギは無い。


「姉ちゃん達、オレのところで寝るか?」


提案したのはユキトだ。

ユキトの家は母と妹とユキト。

ベッドは無いが、布団に使える革や布はたくさんあるらしい。


ユキトの家に女性陣が泊まる事になった。

エリカ、コノハ、ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美。

そしてユキトの妹、イチゴとその母ナデシコ。

コノハの家には男性陣。

ショウマ、ミチザネ、ユキト、タマモだ。


「なんでオレが家を追い出されるんだ」


ユキトはブツブツ言ってる。

自分一人で女子の中に居るつもりだったのか。

その年でハーレムするつもりだったとは。

末恐ろしいヤツである。


「クォーン、クゥーン」


タマモもコノハと引き離されて納得いってないらしい。

コノハに付いていったのだが、エリカに追い出されたのだ。


「女子の方が人数多いのよ。

 狭いんだから、図体大きいのはあっち行ってなさい」


そういやタマモはオスなのかメスなのか。

気にしたコトも無かった。

ショウマはチラっとタマモを気にする。

不機嫌そうだ。

今、尻尾を捲って股間を確認したら蹴られるかも。


「あのちっこい人は?」

「コザルですか?

 アイツはいつもどこに居るか、

 よくわからんのです。

 気にしないでください」


ふーん。

忍者だし。

野宿くらいは出来そうだね。


「お風呂無いのかな?」


これでショウマは奇麗好きだ。

毎日お風呂には入ってる。

でもコノハさんの家は見た限り風呂らしき設備が無い。

有るのは大きい釜とバカでかい鍋。

魔女が犠牲者を煮るような、人ひとりくらい煮込めそうなヤツ。


「まさかコレじゃないよね?」

「いや、それはさすがに、薬の調合用でしょう」


ミチザネが否定してくる。

と、ユキトが教えてくれる。


「なんだ兄ちゃん達、風呂か」


公衆浴場が有るらしい。

村の真ん中の方に温泉が湧いている。

村人全員が使う施設になってるのだそうだ。


「温泉?

 秘境の村の温泉。

 温泉湯煙抒情旅

 みたいな」


「オレ、姉ちゃん達に声かけて来るよ」

「いや、それには及びません。

 すでにコザルが伝えているでしょう」



女子組はユキトの家に集まっている。

コノハの家より少し小さい家だが、狭くは無い。

コノハの家が薬を作る設備や、物置のような場所がいくつも有るのに比べてシンプル。

布や革が置いて有る処と居間があるだけなのだ。


「すいません。

 片付いてなくて」


イチゴだ。

ユキトの妹。

8歳から10歳くらいだろうか。


「ゴメンね、イチゴ。

 いきなり押しかけちゃって」

「ううん。コノハ姉と一緒に寝れるなんて嬉しい」


イチゴの母親はもう寝ている。


部屋を片付けつつ、大きめの革を使って寝床を作る。

フサフサした毛皮もたくさんあった。


「毛皮のベッドなんて、ちょっと豪華ね」


エリカも満足している。


「イチゴとナデシコさんは革細工をしているの。

 動物の毛皮から、服や小物を作るのが得意なんです」


コノハが説明する。


「コノハ姉。アタシはまだマントとか敷物くらいしか作れないよ。

 得意なのは母さん」


「マントですか。みみっくちゃん貰ってもいいですか。そろそろ寒くなってきますからね。毛皮のマント暖かそうです。今日のドロップ品と交換しましょう」

「ハコ、お前はまた勝手に。

 ドロップ品はショウマ王のモノだ」


「ムッ。何者ですか!」


ハチ美が家の中でいきなり弓矢を構える。

エリカの方だ。


「な、何すんのよ。

 いきなり弓向けないでよ」


エリカは腰を抜かしそうになってる。

その先に居た気配はもう消えてる。


「いや、アレです」


ハチ美は指さす。

気配は天井裏に移動してる。

そこに張り付いていたのは小柄な人影。


「コザルじゃないの。

 驚かさないでよ」

「エリカ様。

 ショウマさんとミチザネ達は公衆浴場に行くそうです」




というコトでショウマは温泉に浸かってる。

公衆浴場は残念ながら混浴じゃなかった。

まぁいい。

ケロ子達の入浴姿を他の男達に見られたかもしれない。

それはちょっと許せないカンジだ。

木造の建物の中にお湯が張られてる。

というより、お湯が沸く場所を建物で覆ったのか。

建物の外にも湯が張られてる場所が有るらしい。

露天風呂だ。

中の風呂桶は木造。

露天は岩風呂だ。


「露天風呂か。

 風情が有りますな」


ミチザネが行くのでショウマも付いていく。

ミチザネと仲良くなったワケでは無い。

そっちの方が空いてるようなのだ。

建物の中は他の村人も多い。


「アレが神聖魔法を使う方か」

「うん。聖者サマだよ」


「おう。今日の『野獣の森』で出来たキズがキレイに消えたぜ」

「神聖魔法は初めてだがたいしたもんだ」


「母なる海の女神教団の偉い方なんだろ」

「なんでこの村に?」


「分からないけどオシノビらしいよ」

「聖者サマのコトは内緒にって話なんだ」


まったく内緒になってない。

人によってはショウマを拝みだしそうだ。

というワケで落ち着かなかったのだ。


今日もショウマは村人に『休息の泉』を使った。

ただし3回だけ。

一応3回までしか出来ないというタテマエだ。

初日にもう限界と言ってしまったし。


今日は戦士達も加わった。

『野獣の森』で戦い、戻って来た戦士達。

戦士達のリーダー、キバトラは大げさに礼を言ってた。


「おおー、ホントウだ。

 回復してる。

 大したもんだな。

 聖者さん」


コワイ顔が笑うと柔らかくなる。

もう一人イタチという男はこちらを疑ってる風だった。

彼も戦士達のリーダー格のようだ


「治療費は?

 女神教団の神官は治療費をガッツリ取るって聞いてるぜ」


「礼の果物や野菜だけでいいだと?」


「フン。

 普段ガッツリ稼いでる余裕ってワケか」


「おいおい、イタチ。

 聖者サマにその態度は無いだろう」

「キバトラ。

 アンタは人が良すぎる。

 オレはアンタとは違うからな」


キバトラがリーダー、No2がイタチらしい。

戦闘力より、他の点で評価されてるらしい。

ユキトが言っていた。


「イタチはイヤなヤツだけど。

 しょうがないんだ。

 街にツテを持ってるんだ」


他の人間がベオグレイドにドロップ品を売りに行くと税金を取られて何も残らない。

イタチはなにかのツテで有利に売買できるらしい。


ベオグレイドか。

一度行ってみようかとショウマも思っている。

装備の強化をしたい。



「これが露天風呂と言うモノか。

 なかなか風情があるではないか」

「風情があります」


ハチ子とハチ美はご機嫌だ。

従魔少女達は公衆浴場は初めて。

こんな広い風呂場が有ったんだと思ってる。


「こっちのお湯、熱いかなっ。

 アタシぬるい方のお湯に入ってるっ」


ケロ子は熱いお湯は苦手らしい。

ぬるめにゆっくり浸かるのが好み。


「みみっくちゃん、熱いのもぬるいのも好きですよ。

 ぬるめのお湯でゆっくりプカプカしてるのもいいですし、熱めのお湯で体の中の細胞が活性化してくるカンジもたまらないですね」


エリカは静かだ。

少し前までは騒がしかったのだ。

   

「へー。温泉。

 良いじゃない。

 体にも美容にもいいわ」


「アナタ達。こういうトコロにはマナーってものが有るのよ。

 手拭いでちゃんとカラダは隠しなさい」


「汚れたカラダを洗ってキレイにしてから、

 お湯に浸かるのよ」


しかし、ハチ子ハチ美の裸体を見たら黙ってしまった。

服の上からでも分かってはいたのだ。

分かってはいたのだけれど。

なんであんな高い位置に腰が有るの。

スタイルが良すぎるじゃないの。

細身なだけではない。

適度に筋肉が付いて引き締まった体。

加えて出るべきトコロはキチンと出てるのだ。


ケロコさんはと見てみれば。

こちらは細身ではない。

けど。

デンッと膨らんだバスト。

迫力がスゴイ。

しかもだらしなさや垂れてる感が全くない。

上を向いて張っているのだ。

お腹は筋肉が付き締まってる。

凹凸がハンパないのだ。


自分はと見てみれば。

真っ平。

体は引き締まってはいる。

お腹も出てないハズだ。

でも出るべきトコが出てない。

むー。


この二人はお仲間のハズ。

コノハさんとミミックチャンを見る。

あれー?

コノハさん!

裏切り?

意外と凹凸が有る。

着やせするタイプだったのか。

くっ。

騙された!

歯嚙みするエリカだ。


ミミックチャンはさすがに子供っぽいスタイル。


「いいんですよー。みみっくちゃんはこれで。世の中にはいろいろな好みの男性がいるですよ。みみっくちゃんのスタイルが好きな人はいつの世にも必ずいるです。いや隠してるだけで、むしろそっち好みのオトコの方が実は多いかもしれないですよ」


そ、そうなのか。

勉強になる。


エリカはお湯に浸かる。

目の前には亜人の村の人達。

お婆ちゃんと小さい娘さん。

仲良さそうだ。


いい村だなと思う。

通りすがりに見るだけでも分かる。

村は発展してない。

家や道路もチャンとしてない。

ベオグレイドの街とは違う。

でも住んでる人たちはいい人だ。

子供が多い。

年長の子が小さい子の面倒を見てる。

老人も多い。

畑仕事とかをしてる。

子供が手伝ってる。

老人も子供たちの世話をしてる。


エリカの周りでは亜人は嫌われてる。

蛮族みたいなモノだと言われてる。

ヒドい言い方をする人はこう言う。

アイツらは魔獣と人間のあいの子だ。

あんなヤツらが居るから魔獣が出てくるんだ。

エリカはさすがにそれは言い過ぎだと思う。


でも蛮族みたいに言われるのはある程度事実だとも思う。

だから言われても仕方ない。

街でたまに亜人を見かける。

キチンとした服じゃない。

獣の皮を着てる。

体にキズが有るのを見せびらかしてたり汚い亜人も多い。

蛮族と思ってもしょうがないじゃない。

街は清潔にキレイにしてるのだ。

汚いのが来るなよ。

そんな風に思う。

思ってしまっていた。


でも村に来てみたら印象が違う。

みんないい人だ。

畑仕事をしたり、魔獣と戦ったりしてるのだ。

多少汚れるのは当たり前だ。

『野獣の森』で毛皮はたくさん手に入る。

獣の皮を着るのも当然だろう。

しょっちゅう魔獣に襲われるのだ。

ケガもするだろう。


亜人さんを蛮族扱いするのは間違い。

自分だけでもやめよう。

エリカはそう思う。

思うようになった。


浴場から出る女子達。

ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美、コノハ、エリカ。

コノハに話しかけてくる男がいる。


「コノハか」

「イタチさん」


「コノハ、村に戻って来たって事は。

 あの話をOKしたって事だな」

「違います」


「フン? いいのか。

 『野獣の森』の奥を知ってるのはオレくらいだ。

 サツキをみつけられるのはオレだけなんだぞ」

「それは…

 いえ、やっぱり自分で何とかします。

 イタチさんの助けは借りません」


「チッ。

 あの聖者とか言うヤツか。

 あれをアテにしてるのか」

「違います」


「コノハ。

 アイツは怪しいぜ。

 無料で神聖魔法なんて。

 ペテン師じゃないのか」


「ちょっと、なによ。

 コノハさんに絡んでんじゃないわよ」


割って入ったのはエリカだ。

知り合いが話してるだけじゃない雰囲気を感じたのだ。

相手はイタチと言う男。

村の戦士達と一緒に居たリーダー格。

槍を装備している。

良く分からないけどコノハと揉めている。


「なんだ。キサマは」

「冒険者よ。

 クラス:ウイング・ファルコンのエリカよ」


冒険者。

クラス:ドッグ以上のクラス名を持ってる。

と言う事はLV15は越えてる。

功績も上げてる猛者と言う事だ。


「冒険者?

 コノハに雇われたのか。

 そんな金をどうやって?」


他の女子も集まって来る。

エリカ、ケロ子、みみっくちゃん、ハチ子、ハチ美。

コノハも加えると6人もいるのだ。

旗色が悪いと感じたのか、イタチは去って行く。


「コノハ。

 考えておけよ。

 オレがいつまでも取引に応じるとは限らないぜ」


「なにアレ?

 カンジ悪い男ね」


そこに男子組が温泉から出てくる。

ショウマ、ミチザネだ。


「待たせちゃった?

 ゴメン、ゴメン」

「遅いわよ。

 女子より長風呂なんて」


「しかしエリカ様。

 湯舟が幾つか有りましたからな。

 全て入り心地を試すのは当然でしょう」

「ミチザネはなんで当然て顔してるのよ。

 ヒトコトくらい謝りなさいよ」


ユキトの家。

女子組に男子がオジャマしてる。

全員揃って軽いミーティングだ。

ショウマは言う。


「明日も『野獣の森』で戦う」


ハチ子ハチ美をLV10まで育てたい。


「それで、

 明後日、ベオグレイドへ行ってみよう」


LV10までいけば職業Ⅱが選べる。

それ次第で購入する武器も変わるかも。


「レベリングね。

 エリカも行くわ」


いや。

僕らだけがいいんだけどな。

ショウマ、ハチ子、ハチ美、コノハ、タマモ。

この5人。


「ふむ。

 レベルが低い方たちの強化という目的は分かりますが、

 危険もあるのではありませんか?」


ショウマの魔法があれば戦闘はなんとかなるだろう。

それは言わない。

入り口入ってすぐ。

それでも魔獣は多数出た。

ゲートの近辺で戦う。

ヤバそうなのが出たらゲートから逃げる。


「しかし予想外のコトが迷宮には起こります。

 我らのうち一人だけでもお連れ下さい」


今日の“双頭熊”戦も予想外だ。

ミチザネが言う我らとはエリカ、ミチザネ、コザルのコトだろう。

みんなLV20前後。

ショウマより高レベル。

“双頭熊”にはやられてたけど。


「コザルが行く」


忍者の人が言う。

忍者が何出来るのか気になってたんだ。

一人くらい仕方ないか。

どうでもいいけど、この人なんで天井にいるの?。


コザルは天井に立っている。

さかさまにぶら下がってるのだ。

その状態でミーティングに参加してる。


これも忍者スキル?

ただの変な人?


なら。

ショウマ、コザル、ハチ子、ハチ美、コノハ、タマモ。

これが明日のメンバー。


『野獣の森』では毎日のように魔獣が溢れて来るらしい。

他の人達はそっちを警戒。


ショウマがコノハの家に帰ろうとすると雨が降り始めていた。


傘用意してないや。

仕方ないので獣皮の大きいのを貰う。

即席のレインコートだ。

頭からかぶって隣の家へ帰るショウマとミチザネ。

雨の中、動く物がいるのに気づく事は無い。



【次回予告】

※次回エログロシーン有りです。苦手な方は跳ばしてくださいませ。※

帝国で売春は禁じられていない。しかし裏はどうだろう。帝国で人身売買は禁じられている。人間を奴隷として売り買いは出来ない。法律に定められてる。だが亜人は?

亜人を売り買いしてはいけない。そんな法律は無い。条文に書かれていない。だから、裏でもまっとうな商売。そのハズだ。

「いや、嫌、イヤ、いや。ああああああああ」

次回、女は見てしまう 

(ボイスイメージ:銀河万丈(神)でお読みください)

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