クズ度の高い少年が モンスターと戦って倒すと、倒したモンスターが美少女になって、倒した相手に絶対服従してくれる世界に行ってみた。

くろねこ教授
くろねこ教授

第43話 新たなる迷宮へその1

公開日時: 2021年9月12日(日) 17:30
文字数:3,883

さてこれからはみみっくちゃんのお時間ですよ。人気No1従魔少女みみっくちゃんが説明するですよ。


ご主人様は、冒険者組合を後にしました。最初に行ったのは絵草紙屋さんです。

ご主人様がえっちなコト以外であんなに勢い込んでるのは珍しいですよ。

そこでご主人様は本を買い込みました。ザっと30冊くらい。表紙には美青年、美女が描かれてる本ですよ。


そうショウマは絵草紙屋に行った。

ショウマはお店の前に立っていた。

本屋さん。

有ったんだな。


ちょっと予想と違うかも。

店はマジメな本と軽めの本とで分けてる。

マジメな方は背表紙を革で綴じてる百科事典みたいなの。

軽めのは表紙は絵が描かれてる。

紙質はあまりよくない。

藁半紙みたい。

マンガ週刊誌風だけどそれよりは薄い。

手に取ってみたけど、中はめくれない様になってる。

それはいいのだけれど。

女性向け?

お客さんもショウマ以外女性しかいない。


表紙絵を見ても凛々しい美青年、逞しい男性が多い。

女性がいても、美青年とのツーショット。


「と〇のあなでも池袋の方に間違えて来ちゃっった?

 みたいな」


アウェー感を感じるショウマだが、負けてはいられない。


表紙絵はいわゆるマンガ、アニメタッチでは無い。

それでもショウマから見て気になるのも混じっている。

海外ファンタジーイラストみたいなヤツだ。

目の大きなデフォルメはされてないけど。

元々ラノベイラストだってリアルタッチの混じってるし。

惹かれる絵も幾つか有るのだ。


適当にアリかもと感じたヤツをまとめて買い込む。

内容はどうせ良く分からない。

タイトルを見ても、

『なんとか騎士物語』

『なんとか王子伝説』

『〇〇聖女伝説』

とかそんなの。


『女冒険者サラ』

これアヤメが言ってたヤツだ。

ついでに買って行くか。

表紙には美女が描かれてる。

美人だけど、筋肉もあって逞しい。

ワ〇ダーウーマン風?

あのお婆ちゃんがモデル?

ウソでしょ。

表紙サギ?

つい思ってしまうショウマだ。


一冊10G~20G。

適当に買ったら、30冊越えてしまった。

活字に飢えていたショウマなのだ。


「へー、ご主人様。読書が好きとは知らなかったですよ。でも期待してるようなえっちな内容じゃないですよ」

「分かってるよ」 


レジ近くに置いてあった冊子も買ってみる。

新聞みたいなヤツ。

表紙はデカデカと書いてある。

『地下迷宮』『地底大迷宮』になる?

『“迷う霊魂”を倒したのは誰だ?!、本命はこの男』

下にはイラスト。

麗々しい美青年。

目は切れ長、口元は凛々しく、鼻筋は高い。

長い睫毛の下から潤んだような黒い瞳がこちらを見つめている。

手には細身の刀。

ショウマから見ると日本刀風だ。


「誰?この美形。

 “迷う霊魂”を倒した大本命なの」


記事にはクラス:シルバーサーペントのキョウゲツと書かれてる。


あれ?

“迷う霊魂”を倒したのって僕じゃなかった。

…まぁいいか。

目立つのイヤだし。

ひょっとしてもう一体くらい居たのかも。

そう思うショウマである。


カトレアが記事を見たら大笑いしただろう。


「誰だよ?! このキラキラしたの。

 全然似てねーじゃん。

 確かに顔の造りは近いけどさー、

 アイツはもっと殺気立ってるぜ。

 こんなナヨっとした美形じゃねーよ」


「おもしれーから買って行こう。

 チームメンバーに見せたら、大笑いすんぞ」

 



そこからご主人様は服屋さんに行きましたですよ。例のトカゲちっくな店員さんがいるお店ですよ。相変わらず趣味の服を買い込むご主人様ですよ。ハチ子、ハチ美の日常用服も一緒です。ハチ子は生意気にトレーニング用動きやすい服が欲しいとか言い出すです。ハチ美のエプロンやらいろいろ買い込んだですよ。みみっくちゃんのシャツもです。専用の背中の木箱を通してちょうどいいサイズ、頭を通すタイプじゃなくて前をボタンで留めるです。これでみみっくちゃん大きいサイズの服じゃなくて良くなりました。ご主人様のえっちな視線を気にしないで済みますですよ。


 

「待ってたーわ」


いきなり爬虫類人の店員さんに捕まるショウマだ。


「こないだの、作ってみたの

 感想聞かせて」


店員が差し出したのは黒のドレスに白いフリフリエプロンの組み合わせ。

まごうことなきメイド服であった。


「キター!キタキタ! メイド服キター」

「どうよ?

 魅力的な仕上がりでーしょ。

 今回は自信あるーの」


「うん。完璧だよ。

 とりあえず、ハチ美に試しに着てもらおうかな」

「はい?何でしょうか、王」


ワタワタしてるハチ美を他の少女たちの手を借りて、強引に着替えさせる。

出来上がったのは、美少女メイドだ。


「アイドル?」


ショウマがつぶやいてしまう。

黒いドレスはハチ美のスタイルの良さが出る。

その上にレースの白いエプロン。

たまらない破壊力である。


「これ、人数分頂戴」

「はーい。

 アレンジパターン幾つかあるわーよ

 選んーで」


店員さんと相談しつつ、全員分購入するショウマ。

ホントウは予備まで買いたかったが、そこまで出来ていないらしい。

そりゃそうだ。

メイド服の話をしたのが2,3日前なのだ。

パターンが幾つか出来ていただけでも、素早すぎる。

ショウマは高級下着もハチ子、ハチ美の分買い込む。

だってお金持ちだし。

街に出かける前確認した手持ちはおよそ230000G。

さらにキキョウから220000G。

アヤメにドロップ品を売ったのも10000G越えている。

合計460000G。

日本円換算、4600万円である。

躊躇う理由が何もない。


ケロ子は膝丈のドレス。

裾がフワッと広がる、フレアスカート。

フリフリのエプロン。

ケロ子が元気よく、歩くたびに裾が広がる。

躍動感があって、たまらないのだ。


みみっくちゃんは少しダボっとしたドレス。

背中の箱の都合上、仕方ない。

袖まであるので手が少し隠れ、萌え袖になってる。

お人形的なカワイサだ。


ハチ子、ハチ美はスタイルの良さが際立つピッタリしたロングドレス。

レースの付いたエプロンと合わせて高級感がある。

 

ショウマはご満悦だ。

今後は美人メイド4人連れての行動になる。

考えただけで、極楽気分である。


「よーし。

 じゃあみんなその恰好で帰ろう」


「王よ、この服装はキレイだと思うし」

「文句は無いのですが」


「しかし戦闘には向かないぞ」

「向かないのです」


戦闘用じゃないから当然だ。


「だって1階には魔獣の気配無いんでしょ。

 ウチまでなら、戦闘の心配要らないってコトだよ」


「どうしてもイヤなら無理強いはしない。

 けど僕としてはその服着て欲しいな」


そう言われると逆らえない従魔少女達だ。



「ご主人様、ご主人様。提案が有るんですが…」


ショウマの革ローブを染めたらどうかと言い出すみみっくちゃん。


「あの練習試合、結構な人数が見てましたよ。ご主人様の魔法で被害を受けた人もいます。幸いご主人様は顔を隠してました。黒ずくめのローブでしか覚えられてないハズですよ。ローブを染めてしまえば誰にも分かりません」


なるほど。


「店員さん。

 お願いできる?」

「このローブを染めかえればいいのーね。

 そこまで複雑な作りじゃないし、簡単ーよ。

 2,3日で出来るーわ」

 

 

そこからさらにみみっくちゃんたち、食料や生活必需品を買ったですよ。正直、目立ってましたね。みみっくちゃん元々美少女ですが、小柄で目立たなかったですよ。ところが、見かけない服装に身を包んだ少女になったです。一気に目立ちまくり。街の視線はみみっくちゃんにクギヅケですよ。



帰路に着くショウマたち。

従魔少女たちはメイド服。

ショウマは革ローブを預けてしまったので、コートを着ている。

手持ちには余裕がある。

上等なのを店員さんに見繕ってもらった。


4人の少女たちは目立っている。

中でもハチ子、ハチ美に視線が集まっている。

もともと、ハチ子とハチ美は目立つ美人だ。

ケロ子とみみっくちゃんも合わせて美少女揃い。

珍しい服装で統一してるのでさらに目立つ。

野郎ドモの視線は熱く集中する。

女性も服装にアラ、ステキと目を引かれてる。

女子が目立つので、ショウマには視線が来ない。

少女たちに隠れて気楽なショウマだ。


「洗剤要りますっ。

 革鎧、汗クサくなりそうなんですっ。

 ニオイ消し必需品ですっ」


洗剤を気にしてるケロ子。

みみっくちゃんはスイーツを選んでる。


「うー、ドーナツは必要不可欠。特にこのクリームが入ってるタイプ。これは究極の一品ですよ。

 しかし、ワッフル。これも捨てがたい魅力ですよ。ジャムも買って、ワッフルに付けて食べる。正に至高の一品ですよ。

 究極対至高です。どちらが勝つでしょうか。あっ両方買うと良いですね。みみっくちゃんナイスアイデアです」


ハチ子は武器が気になってる。

ハチ美はアクサリーやら、化粧品に目が行っている。


「武器はこれしか無いのか。防具も種類が全然無いではないか」

「髪の毛が傷まないシャンプー、石鹸で頭も洗うのは無理が有る気がしていました。

 こんなものが売っていたんですね」


ハチ子はそのうち武具屋街連れて行ってあげる。

今日はもう疲れたし、大通りだけね。


シャンプーは買っていいよ。

僕も使うし。



そんな少女たちを見てる目が有る。

裏通りから。

男たちだ。

他にも視線が集まってるショウマたちは気づかない。



【次回予告】

冒険者。世界を魔獣の跋扈する世界から救っている勇者と言われる。しかし危険と隣り合わせの仕事だ。常に迷宮に赴き魔獣と戦う。確かに報酬は大きく、若くして一攫千金も可能。目指す者は多いがそう簡単に続けられる職業ではない。暴力と戦闘が必須の仕事なのだ。迷宮都市の冒険者も品行方正な者ばかりでは無い。チンピラのような人間も混じっているのだ。

「まだショウマさまになにかする気かっ!」

次回、ケロ子が吼える。 

(ボイスイメージ:銀河万丈(神)でお読みください)


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