アイリスがショウマに言いだしたのだ。
弓士ムゲンと新婚してる女性。
彼女は今、聖者サマ御殿で来客の整理を手伝ってくれてる。
事務処理なんかもしてる。
ミチザネによるとかなり優秀らしい。
「サルビア曹長の胸のキズ、治してあげられないでしょうか」
サルビア曹長。
鋭い目の女隊長。
彼女は帝国軍の曹長でありつつ、フワワシティの護衛団相談役を兼任してる。
普通なら有り得ない事だけど。
非常時のドサクサ。
誰も文句は言ってこないし。
いいじゃん。
彼女は胸にキズが有るらしい。
幼い頃受けたキズ。
そんな昔からのモノ。
ショウマになんとか出来るのか。
「ちょっと試してみないと分かんないねー」
そんな訳で現在、ショウマとサルビアは二人切り。
サルビアが服を脱ぐ。
上半身裸になり簡易寝台に横になる。
「聖者サマ、
いくらアンタでも子供の頃からの傷だぜ。
無理ってモンだろう」
「やってみないと何とも言えないや」
ショウマは動揺しつつ、平静を装う。
サルビアはパッと見、コワイ女軍人。
迫力ある眼つき。
暴力のプロなのだ。
「分かった。
アンタに任せる。
好きにしてくれ。
どんな結果になっても文句なんて言わないさ」
だけど今、軍服を脱ぎ横たわるサルビアは美人だ。
良く見ると整った顔つき。
長い睫毛に切れ長の目。
目を閉じて、ショウマに身を任せた風情。
上半身が露わになっている。
鍛えられた肉体。
引き締まった腕。
だけど女性としての優美さも持っている。
美しく丸みを帯びた胸。
ショウマの視線は胸に吸い付いて離れない。
左胸は美しい。
だけど。
バランスの取れていない右胸。
膨らみが無い。
赤黒く爛れた皮膚。
これがアイリスの言っていたキズ。
確かにこれは…
何とかしてあげたい。
そう思わせる。
『母なる海の女神』
ショウマは唱える。
ランク5の回復魔法。
これをショウマが使うのは久々。
だって前回使った時は全ての魔力を吸い取られ死にそうになったのだ。
コワイじゃん。
空中が青く染まる。
海の色。
世界が水に包まれる。
水の中から現れる美しい女性。
海の女神ティアマー。
「やっほー、元気やったか。
ショウマはん」
ティアマーが現れる。
「この魔法ってティアマーが現れないとダメなの」
「そりゃ、そうや。
ウチを呼び出す魔法やで」
かくかくしかじか。
「どう治せる?」
「もちろんや」
そう言ったけどティアマーは動こうとしない。
どうしたの。
ちょいちょい。
ティアマーは自分の唇を指さす。
「アホやなジブン。
キスや、キス。
久々にあったんやで。
キスくらいしてもバチはあたらんやろ」
ええー。
ショウマはちょっと引き気味。
ティアマーとイチャイチャして魔力を全部奪われたのだ。
意識を失ってしばらく何もやる気が起きなかった。
ちょっぴりトラウマ。
ほれほれ。
そんなカンジでティアマーは唇を突き出す。
しょうがない。
軽くショウマはキス。
「イマイチ、心が籠ってへん気がするわー。
まあええやろ。
今日のとこはこれでええわ」
ティアマーが居なくなる。
するといつの間にか。
サルビア曹長の胸が。
赤黒い右胸。
女性の他の部分は美しいだけに無残な姿。
それが左右同じ形に。
女性らしく豊かなバスト。
鍛えられ均整の取れた体つき。
そこには目つきこそちょっと怖いが美しい女性が寝ていた。
「これは、まさか。
本当にか」
目を疑うサルビア。
驚きのあまり自分の身体を何度も見返してる。
ずっとおっぱい丸出しですけど。
いいんですか。
見ろとおっしゃるなら、おっしゃる通りに。
ショウマはそんな裸の女性をガン見。
「ありがとう、聖者サマ。
…実はもう一つ相談が有る。
アナタが良ければ、自分を抱いてくれないか」
サルビア曹長は男性経験が無かった。
それなりの年齢の女性だが。
彼女なりに体の傷跡がコンプレックスだったのだろう。
男性に肌を見せられなかった。
見せられる素肌になって最初に居た男性。
ショウマと初経験をしたい。
そういうサルビア曹長。
いいの。
いいのかな。
まあいいか。
サルビアは美女だ。
胸をガン見してたショウマは既に元気状態なのだ。
「そうか。
やはり私のような醜い女では抱く気にならないか。
すまなかったな、聖者サマ」
そんな風に言われたら。
ショウマだって。
「何言ってんの。
サルビアさんはキレイだよ」
そう言って女曹長を抱きしめる。
その後の事は詳しく語れない。
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