コーンが持つ銃「ラハティL‐35」はフィンランドが製造した自動拳銃だ。コーンはこの銃がお気に入りでどんな仕事でも使う。
面白い事にゼブラもこの銃が好き。過去話に「ラハティ12月26日事件」がある。
その事件はラハティL‐35を使った暗殺の事件だ。
コーンは、これをきっかけに相棒銃と認めた時期だった。
この事件は意外な事件だった。
ブラジル付近 マラカ島。
まだ太陽が照らす時間、だが今日はオレンジ色の夕焼けが出ていて砂浜でコーンを薄いオレンジ色に照らす。
砂浜に打ち上げられたコーンは船内の外で気を失っている。
暫くして船ごと打ち上げられた3時間後、コーンは目を覚ました。
〈コーン〉ん…… いててて……
と、体に痛みが走る。
〈コーン〉ここはどこだ?
コーンは周りを見渡しながら、これからどうするのかを考える。コーンは歩いた。15分ほど歩いて場所が分かる。さらに自分が打ち上げられた場所の15分歩いたところにあるものを見つけた。
〈コーン〉ここはマラカ島か、てことはブラジルが近い。もうすぐ目的地のアルゼンチン
そういいながら今度は船内を見る。
船はガラスが割れていたり、電気の故障で電気がつかない。少し中に海水も入っている。これは動きそうにない。そう判断したのか、コーンは改めて船内になにかないかを探す。暫く探してトランシーバー、水、ナイフ、銃、少し海水に使っているが乾パン2つ。そして、フルーツブランデー、それらを海水に使ってないリュックに入れた。フルーツブランデーは瓶は奇跡的にも割れていない。これは運がいい。割れてしまっては仕事どころではない。これらを積み、コーンは船から降りた。そして振り返る。
〈コーン〉世話になったな……
と、コーンは悲しそうな顔で船に礼を言う。余程この船にはお世話になったのだろう。タラモア1010号は夕焼けの色とマッチしていて、まるで海賊時代に打ち上げられた沈没船のように静かだ。
船にお礼を言うと、島を歩き始めた。なにかを探しながら歩く。少しお腹がすき、乾パンを食べた。そういえば朝からなにも食べていない。
水を飲みながら歩くと、村が見える。そこには人々がいた。
コーンはその村に入る。
すると男性に声をかけられる。
〈陸来〉君酷い怪我だな? 大丈夫か?
〈コーン〉…… あんたは?
〈陸来〉おれは陸来だ。よろしく!
〈コーン〉リ、リク? 何人なんだ? チャイニーズか?
〈陸来〉いいやおれは日本人さ。このマラカ島で民泊をしている。
〈コーン〉民泊? じゃあここは村じゃないのか?
〈陸来〉ここはおれが作った民泊施設、マラカQランドだ。その看板よく見てみな
そう言うわれ、コーンは看板を見る。「malaca q land」とそう書かれてあった。たしかにこれは村では無く、別物だ。
〈陸来〉だろ?
〈コーン〉お前何者なんだ?
と、キョトンとするコーンに陸は笑う。
〈陸来〉ハハハッ!! ただのJapaneseだ。こっち来いよ、手当してやる。
不思議となにも思わない笑いに連れられその男に付いていくコーン。
民泊に入ると、たしかに色んな人たちが泊まっていた。ブラジル人、中国人、イタリア人などがいる。
〈陸来〉ついた、この部屋で待っててくれ。いま妻を呼んでくる。妻は看護師でね。
コーンはその部屋に入ると、リュックを自分の近くに置いてイスに座った。部屋中を見渡してもどこにでもあるような白い空間で、特に何も無い。
1分もしないうちに陸来は妻と部屋に入ってきた。
〈陸来〉やあ、お待たせ、おれの妻の望来だ
〈コーン〉ミ…… ク?
〈望来〉初めまして、望来よ、あなたは?
〈陸来〉あ! いっけないっ! 名前聞くの忘れてたわ!
〈望来〉もう! しょうがないわね! 君名前は?
〈コーン〉ジョコンダ、ジョコンダ・クアドラだ
コーンは「コーン」ではなく本名の「ジョコンダ・クアドラ」のほうを名乗った。
コーンは普段本名を教えることはないが、この夫婦になにかを感じたのだろう。
ー #3 陸と陸 ー つづく。
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