鎮守の森。英雄たちはチャック兄弟と戦闘している。「聖剣の力を持ってしてもこれほど苦戦するとは思わなかった!」聖剣から発動される炎や水は一向に命中しない。「彼らの動きが速すぎて当たらない。何か策はないものか」「僕が雷を撃ちましょうか?」「だめだ。君のは敵味方関係ないじゃないか」「そうっすね。ここぞという時に撃ちます」グレートが近衛衆と会話している。「英雄の3人は敵組織とみられる2人と戦闘中だな」「はい。おそらく鎮守の森のほうに逃げた2人を追っていったようです」「素早い動きを見せていたが、一体何者なんだ」「タブララサの話では、チャック兄弟と名乗ったようです」「チャック兄弟!?そうか」「総司令官様、ご存じなんですか」「2人は“通り魔チャック”の異名で知られる指名手配犯だ。彼らのかつて戦争で活躍した一族の子孫だ。敗戦したみたいだが。戦闘能力が高いのはそれが理由だ」「そんなに強い相手ですか」「単純に言えば、剣の腕はあるが、経験がない。最近では各地の事件現場に出没していたらしい。それで経験を積んでいたとしたら、厄介だ。英雄たちなら大丈夫だとは思うが…」チャック兄弟は高速移動をしながら会話している。「同じ攻撃ばかりでつまらないね、兄さん」「ああ。同じすぎてこっちも攻撃できないままだ。僕たちが勝利して、首領様に報いなくちゃいけないよ」「せっかく戦いの場を与えてくれたんだもんね」「ああ」雪が止み、空が晴れる。「空が晴れてきたな。僕たちの心は曇ったままだというのに…」「このままでいいわけないよね、兄さん?」「ああ。行こう」スーツ姿のチャック兄が二丁拳銃を集中砲火する。「“クロス・ファイア”」「うお!一気に攻撃してきた!」「うっ」「ミザリオ!大丈夫か!」続けて、デニム姿のチャック弟が二刀を構えて突っ込む。「“クロス・ソード”」「俺が守る!」吹き飛ぶアルメオが木に背中を打ち付ける。「ぐお!」「先輩方!大丈夫っすか!」チャック兄弟は横に並び、勝負をかける。「畳みかけるよ、兄さん」「ああ。終わらせよう」二人の連携した攻撃を雷が弾く。そのままチャック兄弟まで雷が届く。倒れる兄弟。「…動けないや、兄さん」「ああ。僕たち死ぬみたいだ。一緒に死ねて良かった…」「…一か八か撃ったらちゃんと相手にだけ当たった。危ない、危ない。もし先輩方に当たってたら死んでたな。今の感覚覚えとこう。先輩方、大丈夫っすか?」「おう。俺たちは大丈夫だ、オックウ!」「…私は銃弾を数発受けた程度だ」「大丈夫じゃないじゃないっすか!」「偶然急所は外れている。大丈夫だ」「オックウも隣に座れ。少し休むとしよう」
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