俺は地上へと向かう。
すでに大陸は間近。
山や木、人間の町が見えて来る。
だけど俺大きすぎない。
山脈くらいの大きさは有りそう。
多分人間の町なんか一足で踏み潰せそうなのだ。
これやばい。
気を付けていても人間を踏み殺してしまいそう。
「身体を変化させますか?」
ロゴス知恵ちゃんが言う。
そんなの出来るの。
「マスターが分かり易いようにスキルの形式で表しましょうか」
【スキル:肉体変化Lv1、自分の肉体を任意の別の生物に変化出来る】
【スキル:人化の法Lv1、自分の肉体をヒト族のものに見せかける】
【スキル:種族転化Lv1、自分を別の種族に転化する】
「どれでもお好みで、オススメは肉体変化ですね。人化の法は見せかけを変えてるだけなので場合によっては近付く人を踏み潰します」
どれがいいのかとか違いも良く分からない。
オススメでいいや。
「はいはい。
アナタの混沌存在力を使ってスキルLvを上げますよ」
【スキル:肉体変化がLv1からLv9999にレベルアップしました】
なんだか頭の中でファンファーレが鳴り響く。
芸が細かいな。
「はい、試してください。
アナタのなりたい生物になれますよ」
「イヌ」
俺の身体がいきなり犬になる。
シベリアンハスキー。
近所の人が飼ってた犬だ。
身体のサイズもそのサイズになる。
「ネコ」
俺の身体がネコになる。
トラジマのちょいぽちゃ猫。
隣の空き地に良く寝てた猫。
たまに俺はエサをやってた。
そっか記憶に有る生物になるんだな。
なら当然。
「人間」
俺は俺になる。
日本人の中年サラリーマン。
別にイケメンじゃないけどブサイクでも無い。
腹だって出てない。
足は短いけどな。
おおっ。
懐かしの俺。
手で自分の顔を撫でる。
いつも通りの俺。
安心するなぁ。
「ロゴス知恵ちゃんの記録とちょっと違いますよ。
アナタ、ちょっとだけ鼻が高くなってるし、足も伸びてますよ。
全体的に二割り増しくらいイケメンになってますね」
うるさい、うるさい。
ワザとじゃないよ。
自分の意識の中の俺だ。
自分の記憶ではこんなもんなんだよ。
文句あっか。
「いえロゴス知恵ちゃん文句ないですよ。
いくらでもイケメンに、この世界最高の美貌にだってなれるのに。
二割り増しってところがアナタらしいです」
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