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はる
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(日常小話)線香花火①

公開日時: 2021年7月12日(月) 08:42
文字数:535

Side 空



「ただいまー」


ひよしさんが仕事から帰ってきた。


「おかえりー」


僕はゲームしながら答えた。


「お前、またゲームかよ。制服も着替えてねーし」


「これ今日買ったばっかりの新作なんだよ~!これ買う為にバイトでお金貯めてたから待ち切れなくて。とゆーことで、しばらく集中するから話しかけないでね」


ひよしさんに塩対応してから、ひたすらゲームを続ける僕。


「なんだよー、せっかく花火買ってきたのにな~」


僕はぴくっとゲームをする指の動きを止めて、ひよしさんを見た。


ひよしさんがピラピラと花火セットを見せびらかした。


「空はゲームに夢中みたいだし。一人でやってこよっかな~」


わざとらしくひよしさんが言う。


「待って!花火やりたい!」


「えーでも話しかけるなって言われたしな~」


「謝るから…っ」


「どうしよっかな~」


あーもーひよしさんのこういうとこ、ほんと面倒くさい。


僕は、ひよしさんを褒めちぎる作戦に出ることにした。


ゲームをストップして真剣な表情で言ってみる。


「ひよしさん、今日もイケメンだね」


「…そうか?」


「うん、今日もカッコイイ!髪型もイケてる!男の中の男!」


「空は今日も可愛いぜ」


「…それはいいよ…」


「よし!花火行くか!」


「うん行くー!」


なんかよくわかんないけど、褒めたらうまくいきました。

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