Side 空
「ただいまー」
ひよしさんが仕事から帰ってきた。
「おかえりー」
僕はゲームしながら答えた。
「お前、またゲームかよ。制服も着替えてねーし」
「これ今日買ったばっかりの新作なんだよ~!これ買う為にバイトでお金貯めてたから待ち切れなくて。とゆーことで、しばらく集中するから話しかけないでね」
ひよしさんに塩対応してから、ひたすらゲームを続ける僕。
「なんだよー、せっかく花火買ってきたのにな~」
僕はぴくっとゲームをする指の動きを止めて、ひよしさんを見た。
ひよしさんがピラピラと花火セットを見せびらかした。
「空はゲームに夢中みたいだし。一人でやってこよっかな~」
わざとらしくひよしさんが言う。
「待って!花火やりたい!」
「えーでも話しかけるなって言われたしな~」
「謝るから…っ」
「どうしよっかな~」
あーもーひよしさんのこういうとこ、ほんと面倒くさい。
僕は、ひよしさんを褒めちぎる作戦に出ることにした。
ゲームをストップして真剣な表情で言ってみる。
「ひよしさん、今日もイケメンだね」
「…そうか?」
「うん、今日もカッコイイ!髪型もイケてる!男の中の男!」
「空は今日も可愛いぜ」
「…それはいいよ…」
「よし!花火行くか!」
「うん行くー!」
なんかよくわかんないけど、褒めたらうまくいきました。
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