「葵さ、やっつけで行動するなってあれほど言ったよね??!」
「…うう、だけどさぁ」
「だけどもクソもないでしょ!?私があの場にいなかったら大怪我するとこだったんだよ??」
こんこんと私を叱りつけているのはクラスメイトの三ツ橋アカネ。
所有する能力は量子空間(テレポーター)。
友達の1人であり、候補生の1人でもある。
「かすり傷程度だって」
「嘘ばっか。いくら重力風(シールド)を張り巡らせてたって、あの至近距離であの爆発…。たかが演習で死ぬ気!?」
「そのたかが演習で大怪我するとこだったんだよ」
「西園寺君のこと?」
「あんなヤツを“君”付けすんな。やられる前にやっただけだ」
アカネの言う通り、最後に出した技はほとんど自爆みたいなもんで、出力を誤れば自分もろとも吹き飛ぶ。
けどそうならないように威力はだいぶ弱めたし、シールドだって万全だった。
多少の傷は負ったかもしれないが、どうせ大したことない。
心配性のアカネのおかげで、かすり傷も負わなくて済んだけどね?
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