カーテンの隙間から朝日がこぼれている。
隣では裸の男がタオルケットをゆるく握り,枕をベッドの下に落として寝息をたてている。
身体が重い。
腰と太ももにわずかに倦怠感を感じながらベッドから起き上がる。
よく見なければ分からないほどではあるが,パンツにわずかに染みがついている。
安くはないブランド物で,お気に入りの下着だ。
洗わないとな。
はだけたシャツをぴんと張り,投げ散らかされたショートパンツと,旦那の夏物の寝間着をつかみ取って脱衣所へと向かう。
なんだかなあ。
旦那との夜の相性は悪くない。
いや,悪くないなんて言い方はふさわしくない。
丁寧な前戯と女性側の反応を意識化に置いたベッド上の振る舞いは,成熟した大人の品格を漂わせる。
そして,こちらが絶頂に向かうのを手に取るように感じているかのように,同じ高揚感を感じさせ,激しさを増す。
夜の私は,旦那を求めている。
仕事から帰ってきた旦那を見るとげんなりするのに,まして休日なんてほとんど一日一緒にいることを思うと鬱になりそうなほど心がふさぐのに,夜は彼を求めて下がうずくのを感じる。
私がふんぎりがつかないのは,素敵な夜に原因があると言っても過言ではない。
でも,そんな生活を変える日が,結婚生活に嫌気が差してからそう遠くはない日に訪れることになる。
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