散文詩集『ランタン』

仮題
紫夏 伊乃
紫夏 伊乃

心の穴を開き

喪失感との葛藤

公開日時: 2022年9月5日(月) 02:52
文字数:351

ぽっかり穴が空いたような

そんな感覚を経験した人は、どれだけいるのだろう。

人生で何度か経験したそれは、

私の中で決定的な規則性を持っていた。


「楽しい」を感じられない期間は、心に穴が空く。

何をしても満たされなくて、

何ならこの穴を埋められるのか考えて、

何でも埋められないという結論に至って、

でも、それを悲しく思うことも、絶望することも無くて。


「楽しい」を感じられない間は

過去に楽しかった出来事も

本当に楽しかったのか、疑い始める。

きっと、楽しかった。

ではなんで、思い出せないのだろう。


穴が空いた心を復元することは、不可能なのだろうか。

度々穴が空いて、

前後の日々の「楽しい」には疑問を抱く。

何処が直ったのだろうか、全く直っていないじゃないか。

では何だ。不可能だと言うのか。

穴が空いたら、塞ぎ切れないとでも言うのか。

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