散文詩集『ランタン』

仮題
紫夏 伊乃
紫夏 伊乃

好意を持て余し

価値観

公開日時: 2022年8月12日(金) 00:59
文字数:370

愛に重いとか軽いとか、安いとか。

高いは聞かないけれど、まぁ色々種類がある。

私の愛がどんなものか、と聞かれるとよく判らないが、

例えるなら忠犬だろうな。


私の愛が忠犬なら、私にとっての愛は、首輪だ。

もっと言うなら呪縛だ。

愛された祝福なんて、反吐が出そうな綺麗事。

愛というのは、その人にとっての期待であり、重圧でしかない。

無責任な期待と重圧を、「愛」という無条件に明るい言葉で着飾ってしまう。

でもね、そんな愚行も、私は良いと思うの。

「愛してる」なんて世に蔓延っている言葉が全部、

そんな本来の言葉に戻ったとするでしょう?

そしたらきっと、私と同じように、

「愛」が呪いという名の鎖に見えるようになる。


だから、壊れない為の言葉は必要で、

それに使われたのが「愛」であっただけで。

こんな風に考えてしまうから、

私は皆の思う「愛」を受け取った記憶が無いのでしょう。

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