ここから男子の2名も登場し、ますます笑いのカオスなモードへと突入します。
前回とは一風変わり、高校生のわりには意外とませたネタの第二話です。
思う存分、お楽しみ下さい。
「ねえ、英子。あたし、思ったんだけどさ。美伊南たちさ、18歳になったわけじゃん」
「そうですね。大人の仲間入りになりましたね」
「だからさあ、大人になるからさ、色々と特権がつくはずじゃん」
「そうですね。選挙権とかの投票券も貰えますし」
そう、最近になって私たちの歳でも政治家に投票出来るようになったんだ。
私の清き一票で政治を変えてみせる!
「……何かさ、それダルいよね。あんな残暑見舞いみたいな葉書じゃなく、お米券や商品券をくれればいいのにさ」
本当、美伊南ちゃんは、たまにとんでもないことを言うよね……。
「──いいや、家族とのコミュニケーションを良くする、肩叩き券とかの方がいいぞ」
そんな私たちの会話をどこから聞いてたのかな?
ストーカーでイケメンな白馬の玉子さまの大瀬君の登場だよ♪
「いや、俺、ストーカーじゃないからさ。それからさ、英子、白馬の~台詞の後の漢字間違えてるぞ。正しくは食べ物の玉子じゃなくて人間の王子さまだよな?」
「あっ、ごめんなさい。蛭矢君から借りた少年漫画があまりにも面白くて……」
「──だろ、ユ○タマゴ先生の漫画は良いだろ」
そこへ、割って入るただならぬ気配を感じた私。
後ろには例の彼が眼鏡を光らせながら、ゆらりと立っていた。
あのオタクの蛭矢君が……。
「まあ、僕としては普通の肩叩き券じゃなくて、好きなギャルゲーヒロインから叩いてもらいたいな」
えっ、それって二次元のキャラクターがゲーム画面から飛び出して来るんだよね?
多分、2D仕様だからペラペラのタオルな体型で肩をペチペチと叩くんだよ。
さすが、ギャルゲーマーの発想。
普通じゃ考えられないよね……。
「そのあんたのそのおかしな頭、一回スイカ割りみたいにパカリと割って中身丸ごと、取り替えたいわよ……」
「おう、僕の高速計算処理チップを見つけて驚くなよ!」
──美伊南ちゃんの発言は怖いもの知らずだよね。
もう、美伊南ちゃんが政治家になったらいいのにね……。
第2話、おしまい。
日本の法律が変わり、18歳になった男女から選挙権をもらえるという提案から思いついたネタです。
今でこそ、様々な人が投票できる時代でしたが、一昔前はそれなりに財力を持ち、もっと大人の歳の男性のみが投票できるという怪しいシステムでした。
女性の選挙権がもらえたのも戦後からですし……。
こうやって私の小説ではあまり触れない政治・経済をネタにしてみるといかにも新鮮で、中々赴きがあって良いのではと思ってしまいました。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!