その後、士道と鞠亜は学校に到着し、下駄箱で靴を履き替えようとした時、士道はある異変に気がついた。
「あれ?俺の上履きがない…?」
士道が自分の下駄箱の周辺を探していると、どこから現れたのか分からないけど、折紙が現れた。
「士道、これ…」
折紙が渡してきたのは、士道の上履きだった。
「な、なあ折紙、どうして折紙が俺の上履きを持っていたんだ?」
「温めておいた、早く履いて。早くしないと私の温もりを感じられなくなる」
「そんなもの感じなくてもいいからなっ!?」
士道が狂気じみた声をあげると、周りの生徒から変な目で見られた。
◆
下駄箱の一悶着を終えた士道達は教室へと向かった。
「おお!遅いぞシドー!むっ、シドーどうして鳶一折紙と一緒なのだ?」
「夜刀神十香、貴女には関係のない話。私と士道の邪魔はしないで」
「邪魔とはなんだ、鳶一折紙!それに私が聞いているのはシドーだ、貴様ではないっ!」
「まあまあ2人とも、落ち着いて…。折紙とは下駄箱で偶然会ったんだよ…」
「ふむ、そうであったか…。シドーがそう言うのだから、きっとそうなのだなっ!」
十香と折紙の言い争いは日常茶飯事、士道は慣れていた。
「士道は相変わらずすごいですね。私は見ていることしかできませんでした…」
「そんなことないさ、鞠亜にだってすごいところはあるよ。例えば、料理の上達が早いところとか」
士道が鞠亜と話しながら教室のドアを開くと、教室から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「よぉ五河ぁ…おはようさん。今日も相変わらず女の子と仲良く登校ってか…くぅー、モテる男だぜ」
「お、おお…そうか……」
友人、殿町は相変わらずの様子だった。なんか安心したのも束の間、普段聞き覚えのない声が聞こえてきた。
「やあ、五河士道、おはよう。だいぶ遅い登校ね」
「…ああ、おはよう鞠奈。今朝は少し寝坊しちゃってな」
鞠亜の言う通り、鞠奈が学校にいた。しかも同じクラスだったことに、士道は動揺していた。
「ふーん、キミらしくないわね」
「あはは…そ、そうかもな」
鞠奈との挨拶を済ませた士道は、自分の席に座ると、士道を挟んで先程の言い争いが続いていた。
「夜刀神十香、貴女は本来ここにいるべきでは無い。士道は迷惑している」
「そんなこと、貴様に決められる筋合いはないぞっ!鳶一折紙!」
「おいおい、お前らはいつまでそうしているつもりだ?もうすぐホームルームが始まるぞ?」
士道が2人の言い争いを仲裁していると、クラス担任の岡峰珠恵先生が教室に入ってくる。
「はーい、みなさーん。おはようございまーす」
「「おはようございます!」」
岡峰先生の挨拶と共に、教室の学園生活が始まった。
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