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抹茶
抹茶

2話

公開日時: 2022年1月25日(火) 11:19
更新日時: 2022年1月25日(火) 11:21
文字数:1,080

その後、士道と鞠亜は学校に到着し、下駄箱で靴を履き替えようとした時、士道はある異変に気がついた。


「あれ?俺の上履きがない…?」


士道が自分の下駄箱の周辺を探していると、どこから現れたのか分からないけど、折紙が現れた。


「士道、これ…」


折紙が渡してきたのは、士道の上履きだった。


「な、なあ折紙、どうして折紙が俺の上履きを持っていたんだ?」


「温めておいた、早く履いて。早くしないと私の温もりを感じられなくなる」


「そんなもの感じなくてもいいからなっ!?」


士道が狂気じみた声をあげると、周りの生徒から変な目で見られた。



下駄箱の一悶着を終えた士道達は教室へと向かった。


「おお!遅いぞシドー!むっ、シドーどうして鳶一折紙と一緒なのだ?」


「夜刀神十香、貴女には関係のない話。私と士道の邪魔はしないで」


「邪魔とはなんだ、鳶一折紙!それに私が聞いているのはシドーだ、貴様ではないっ!」


「まあまあ2人とも、落ち着いて…。折紙とは下駄箱で偶然会ったんだよ…」


「ふむ、そうであったか…。シドーがそう言うのだから、きっとそうなのだなっ!」


十香と折紙の言い争いは日常茶飯事、士道は慣れていた。


「士道は相変わらずすごいですね。私は見ていることしかできませんでした…」


「そんなことないさ、鞠亜にだってすごいところはあるよ。例えば、料理の上達が早いところとか」


士道が鞠亜と話しながら教室のドアを開くと、教室から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「よぉ五河ぁ…おはようさん。今日も相変わらず女の子と仲良く登校ってか…くぅー、モテる男だぜ」


「お、おお…そうか……」


友人、殿町は相変わらずの様子だった。なんか安心したのも束の間、普段聞き覚えのない声が聞こえてきた。


「やあ、五河士道、おはよう。だいぶ遅い登校ね」


「…ああ、おはよう鞠奈。今朝は少し寝坊しちゃってな」


鞠亜の言う通り、鞠奈が学校にいた。しかも同じクラスだったことに、士道は動揺していた。


「ふーん、キミらしくないわね」


「あはは…そ、そうかもな」


鞠奈との挨拶を済ませた士道は、自分の席に座ると、士道を挟んで先程の言い争いが続いていた。


「夜刀神十香、貴女は本来ここにいるべきでは無い。士道は迷惑している」


「そんなこと、貴様に決められる筋合いはないぞっ!鳶一折紙!」


「おいおい、お前らはいつまでそうしているつもりだ?もうすぐホームルームが始まるぞ?」


士道が2人の言い争いを仲裁していると、クラス担任の岡峰珠恵先生が教室に入ってくる。


「はーい、みなさーん。おはようございまーす」


「「おはようございます!」」


岡峰先生の挨拶と共に、教室の学園生活が始まった。

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