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ドーナツ穴から虫食い穴を通って魔人はやってくる 時間の壁を超えて王になる!時間の壁に分断された世界の内と外、それぞれで紡がれる物語

公開日時:2021年6月14日(月) 07:03更新日時:2021年9月27日(月) 21:06
話数:209文字数:661,168
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レビュー
1
作品評価
9
わたしの評価

あらすじ

それは、黒かった。

ただ、ただ、黒かった。

巨大で、壁というには余りに不安定で……

 

「時間(とき)の壁」

 

数年に一度、現れる。

時間(とき)の粒子の集合体であるそれは大陸を分断した。

 

世界の最果てに浮かぶ大陸にて「時間の壁」は現れた。中央に大きな穴がポッカリ空き、中には無数の島々が星屑のごとく散りばめられている。

 

大陸の名はアニュラス。

 

人間と亜人種が暮らす大陸。

 

この大陸アニュラスにて物語は始まる。

 

アニュラスの中心にある鳥の王国。

王国の周りは六つの国に取り囲まれ、常に戦争状態にあった。

 

外交で他国に来ていたディアナ王女一行の前に立ちふさがる時間の壁。

国へ戻れなくなった王女達は盗賊に襲われ、従者のユゼフは王女だけ連れて逃げることに。

同時に壁の向こうでクーデターが勃発し……

やがて王女は魔物にさらわれてしまう。

 

成り行きで同行することになった元貴族だが、今は浮浪者のおじさんと共にユゼフは王女を助けに行く。

チェンジ・ザ・ワールド。

世界を変えたい! 若者達の強い想いが国を変えていく。虐げられていた亜人種が国を取り戻すために立ち上がる物語。

 

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日間ポイントランキング1位になりました!

8月の月間ポイントランキング3位です!

ドーナツ穴というのは舞台となる大陸の形です。そして虫食い穴はその大陸各地に散らばるワームホールです。別の場所へ瞬間移動できる便利な物として登場します。

 

この作品は「小説家になろう」でも連載しています。

 

毎日1回、21時~22時の間に更新。

 

©2021黄札

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優人
優人 投稿日:7月20日

【物語は】

ある上位の王室付学術士の老人が、主人公を起こすところから始まっていく。

何かにうなされていたのか、”憎悪のこもった咆哮が荒野に響く”(作中の文を引用)とあることから、よほど悪い夢を見たのだと思われる。ここで老人は、近くの天幕で眠る王女が、今の咆哮によって目覚めてしまわないかを、案じていた。老人は汗の凄い彼に水などを勧めつつ、寝ぼけている彼に現状を説明。彼とやりとりの最中、案じていたことが起こってしまうのであった。

 

注*群像劇は全員が主人公という場合がある。レビュー上、初めての方にも、分かりやすく(伝わりやすく)するためにユゼフを主人公と記載しています。

 

【物語の魅力】

主人公(ユゼフ)と王女がどのような人物なのか、会話や話の流れなどによって分かっていく。

三話まで行くと舞台となる大陸のイラストが、添えられている。タイトルだけでは分らなかった”ドーナツ穴”。ドーナツが大陸の形であることが分かると、タイトルの意味が明確になって来る。

 

この物語には、古代の長さの単位が使われている。世界観を大切にするために、古代の単位が使われているのではないかと想像した。

 

その後、建国について詳しく説明がなされたり、一話に登場した”壁”について描かれていく。この作品は、しっかりとした土台を築き、自分の中に創造した世界を表現しているところが印象的だ。

この物語の中で”壁”がとても重要なものであり、オリジナル要素であることが分かる。ここに詳しく書くことは出来ないが、意外性の詰まったものであることは間違いない。この壁が果たして物語にどのように影響を及ぼしていくのか、とても興味深い。

 

【登場人物の魅力】

この物語は群像劇である。群像劇には二種のタイプがある。

この作品は各視点(登場人物)により、色んな角度から物語について描かれ、謎部分も明かされていくスタイルなのではないだろうか。

 

その中で、各登場人物にどんな役割分担があるのか。

これが直接、登場人物の魅力に繋がっていると感じた。特にそれを強く感じたのは、この国について良く知っている人物の視点で、世界観が描かれていくところ。必然性で物語が作られているのだと感じた部分でもある。

 

この作品は、生易しい物語ではない。かなり壮絶であると感じた。

主人公が王女を守る理由。彼女を守るために犠牲にしていくもの。王家に仕えるものが賭けるもの。

それぞれに使命があり、仮に虐げられていたとしても、それが全うすべき自分の人生であり運命である。

ある者は性を失い、ある者は辱めに耐え、ある者は命をかける。

生半可ではなく、それぞれが人生を賭けたヒューマンドラマだと感じた。

 

【物語の見どころ】

まず舞台や世界観に対する拘りが凄い。単位、王家のシステム。この中には古代の単位、宦官などが含まれる。宦官とは、男性の仕える相手が女性の場合、去勢をするという事。

 

オリジナル要素の”壁”についても細かく設定がなされており、分かりやすく説明されている。それがどのように物語に影響を及ぼしていくのかも、見どころの一つ。

主人公にとって守るべき王女が、人として尊敬に値しない。そこから産まれていく心理も、見どころだ。主人公はこの王女に忠義があって守ろうとしているわけではない。

彼はとても正直者であり、自分を曲げられない部分がある。それは周りから見れば、世渡りが下手に見えるだろう。しかし彼には、曲げられないからこそなし得ることがある。

 

そしてあらすじにも書かれている、”世界を変えたい! 若者達の強い想いが国を変えていく。虐げられていた亜人種が国を取り戻すために立ち上がる物語。”(あらすじより引用)ここが最大の見どころだ。

 

是非、あなたもお手に取られてみませんか?

過酷で壮絶な舞台、そこで必死に道を切り開こうとする彼らの物語を。

おススメです。

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