カナエとミレナ様はお部屋に向かう為の廊下を歩いて行くのです。
「スティラは普段ちゃんとお仕事しているのかしらね?」
「そうですね、基本はしっかりとしてくれているはずですわ、私も、彼の付き人を長年してはいましたけれど、文句のつけようのない、華麗な仕事ぶりでしたので」
そう言われてミレナ様は
「私も、ちゃんと、出来るかしら? こんな事はしたことが無い物」
そう言いながらとても不安そうな表情をするミレナ様なのです。
「たしか、領主経験は?」
そう言いながら少し考える様に立ち止まって天井を見上げるのです。
「どうぜん、無いわよ、そんな経験」
そう言いながら自信を無くして落ち込むミレナ様に元気を出していただきたくてにこやかに微笑むのです。
「では、こう、いたしましょう、ミレナ様事業を起こして展開して行くのです。最初は失敗するかもしれませんが、何年か先、未来にきっとお役立つと思います」
そう言われて戸惑うのです。
「実はミレナ様のお部屋に、王子様がご用意して行ったお金が置かれていると言うのです、ここは、伯爵のご令嬢ぽく、事業展開をして、この地域の活性化を図りましょう、まずは……どんな事をされたいですか?」
そう聞かれて部屋に入ると綺麗な布がかかった丸いテーブルが真ん中に置いてありそれの布を取ると500万payは下る大金がテーブルに山住にされて居たのでミレナはすごく悩んだ顔をしてから
「その、この街の名物は何かあるの?」
そう聞けば資料を取り出しその紙をめくって行くと
「昔は、かなり、農産物が有名だったそうですね? 聞いた事はありませんか? アルイライム産の天使のリンゴとかかなり絶品でしたが」
そう言われて頷くと
「最近は、見かけなくなって久しいと思ったら……街の人が居なかったからなのね」
そう言いながら溜息をつくのです。
正直、困りました。
生産過程を知っている人は他界している可能性があるのです。
「困ったわ、これでは個々の名産物で経営しようとか無理じゃない」
そう言いながら少し考えた顔をすると
「誰かいないのかしら? その、子孫とか」
そう言いながらすごく考えた顔をするのです。
事業展開するとしてもです。
知識が無さすぎる今のミレナ達ではどうしようも出来ません。
せめて、過去の過程が書かれたメモや日誌が見つかればいいのですが……。
そう思って居ると外が騒がしくなるので、慌ててミレナとカナエが走って行けばそこには一人の男性が門番のエレインに抑えられて追い返されそうになっているのです。
「は、放せよ、おれは、アルド・ハーミア、ここのご領主様にご相談があるんだ」
そう怒鳴り散らす所を見てカナエが歩き出すと
「ご当主様は、お忙しくてお会いすることは出来ません、私が代わりにお話を伺います」
そう言われてムッとした顔をすると
「アンタは?」
そう聞かれてカナエは頷くと
「このお屋敷の使用人頭をまかされております、カナエと申します、して、お話とは?」
そう言いながら歩き出し少しそれた所で話を聞いて居るのです。
戸惑うミレナの元にエリスが
「何事ですか? ミレナ様?」
そう言われてミレナがそばまで来るエリスに
「エリスさん」
「エリスで結構ですよ、で、何事ですか?」
そう言いながらちらっと後ろを見ればその見る方を見つめると
「まぁ、フローラさん達も気になるのでしょ?」
そう言いながらにこやかにフローラ達に微笑んだのです。
頷くとカナエがやがて男性を連れて来たのですが
「何方だったんですか?」
そう聞けば
「彼は、天使のリンゴ農園の跡取りだそうですよ」
そう言いながらゆっくりとミレナを見つめて来た。
「ミレナ様、失礼いたします」
そう言いながら走ってきたせいで跳ねた髪の毛にブラシを入れて解かして行くのでした。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!