Book of Time

1週間という残された時間の中・・・君を想う
Frawr
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8

公開日時: 2023年8月12日(土) 21:00
文字数:770

 確か、彼女もここの生徒だった。車に飛び込むも間一髪で助かったが、彼女は「死にたかった」と言っていた。よく覚えている。


「まさか……!?」


 ときは、慌てて教室を飛び出した。


「え?!とき、どうしたの?!」


 向日葵ひまわりが、慌ててときの腕を掴もうとするが素早く避けられ走って行ってしまう。いつも慌てた様子をあまり見せないときの様子に冬樹ふゆきも何か不安を感じ冷や汗が出る。


とき、どうしたんだよ?!」


「分かんない!ふゆちゃん追いかけよう!」


 向日葵ひまわりは、入ってきた生徒を素早く避けるとときを追いかけた。

 冬樹ふゆきも、後を追うように慌てて教室を出て追いかけて行く。


「って、向日葵ひまわり、早っ!」


 向日葵ひまわりは、男の冬樹ふゆき以上の早さで走っていき角を曲がる。

 冬樹ふゆきは、見失わないよう全速力で追いかけて、向日葵ひまわりの曲がった方向に向かった。


とき、待ってよ!」


 向日葵ひまわりは、数メートル離れたときに叫ぶが、聞こえていないのか階段を飛び降り曲がっていってしまう。

 負けじと同じように階段を飛び降りて同じ方向に曲がったが、ときの姿はなく見失ってしまった。辺りを見回すが、ときの姿どころか人の気配さえない。


「あれ?とき?えっとえーと……」


 向日葵ひまわりが、その場で足踏みをして辺りを伺っていると、遅れて冬樹ふゆきが到着した。


向日葵ひまわり!」


ふゆちゃん、どうしよう……とき、見失っちゃった……」


 T字型で、右は行き止まりなので左なのは確かだが、そこから少し先が分岐点になっており見失ってしまったのだ。

 冬樹ふゆきは、方角から場所を推察してどうするべきか考え込む。暫くして纏まったのか、向日葵ひまわりの方に向き直った。


「とりあえず俺は寮の方見てみるから、向日葵ひまわりは、一応職員室に行ってみてくれる?」


「分かった。ときを見つけたら気絶させといてね!」


 向日葵ひまわりは、物騒なことを言うと職員室に走って行った。

 冬樹ふゆきは苦笑するも、すぐに真面目な表情になり、寮に向かうべく向日葵ひまわりとは逆の道を走っていった。

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