どうも、リビングアーマーの俺です。
隣にいるのは人犬族のロロコとドラゴン娘のドグラ。
そして皇帝陛下のフィルシオール十七世。
俺たちがいるのは宙に浮かんだ廃棄都市ダンジョン。
目指すはその上部にある旧帝都ガルシラ。
そのどこかにいるライレンシア博士のところだ。
さて、ここから廃都ダンジョン攻略の話が長々と続くと思った?
残念! すぐに終わるのでした!
俺たちと同時に突入した6000体のマジカルアーマーたち。
そいつらがダンジョン内をくまなく探索してくれる。
出てくるモンスターなんか全然目じゃない。
なにしろこちらには膨大な魔力がある。
原初魔法を使うこともできる。
なのでどんなに攻撃されても痛くも痒くもないし。
ちょっと魔法を放てば簡単に倒すことができる。
ベテラン冒険者のリザルドさんが『二度と来たくない』って言ってたけど。
今の俺にとってはそのへんを散歩してるような感じだ。
……いや、ほんと。
転生したとき最初に落ちたのがここじゃなくてよかったわ。
もし初期の俺がここを探索してたら。
出てくる魔物の魔力で鎧が崩れて一瞬でゲームオーバーだったかもしれない。
今考えると、その辺はヘルメスさんが考えて召喚してくれてたんだろうか?
ともかく、今は先へ進むことにしよう。
6000体のマジカルアーマーによる探索が完了。
どのルートを通れば安全かは把握できた。
〈行こう。ロロコ、ドグラ、陛下を守ってあげて〉
「うん」
「まあ、よかろ」
俺が先頭、次に陛下が続いて、その斜め後ろをロロコとドグラ。
そんな感じでダンジョンを歩き出す。
警戒は一応していたが、モンスターは全然出てこなかった。
マジカルアーマーたちがほとんど掃討しちゃってるからな。
たまに取りこぼしたやつが現れたけど、ロロコやドグラの一撃でやられる。
こいつらも雑魚というわけじゃないんだろうけど……まあ相手が悪かったな。
そんな感じで俺たちは洞窟を抜けて地上に出た。
〈ここからは警戒を解いて大丈夫かな〉
「いや、しばらくは気をつけた方がいい」
と陛下。
なんでだろ?
この辺もモンスターが出るの?
「っ!? 止まれ。なにか来るぞ」
ドグラの言葉に足を止め物陰に隠れる。
そんな俺たちの前を通り過ぎるのは……。
大量のゾンビと幽霊を引き連れたネクロマンサーみたいなやつだった。
なんだこいつー!?
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