ロロコに連れられて、やってきたのは玉座の間だった。
と言っても、もうその面影はほとんどない。
玉座があったんだろう場所には、なんか巨大な装置が設置されていた。
玉座そのものは、部屋の端っこの方に転がっていた。
そして、そこには懐かしい顔ぶれがあった。
エルフのクラクラ。
彼女はほとんど見た目が変わっていない。
さすが長命のエルフだ。
ドラゴン娘のドグラ。
彼女はクラクラの腕にしがみつくようにして抱きついている。
え……もしかして、そういう関係になったのか……?
ドワーフ嬢のアルメル。
彼女もほとんど変わってないな。
強いて言えば、胸がさらに大きくなってる。
ええと、あれは誰だ?
めっちゃセクシーなお姉さんがいる。
緑色の肌で、左腕が鋼色の義腕で……まさかラファ!?
成長しすぎだろ……。
ドグラの妹のマグラ。
彼女も見た目は変わっていない。
クーネアさん。
彼女も相変わらずのメガネ美人だ。
そしてゴーレムを背後に連れた少年とメイドさん。
あの少年がベル・ガレンシアだ。
彼も成長したようだけど、バリガンガルドで会ったときの面影が残ってる。
「連れてきたよ」
ロロコの言葉に、皆が一斉にこちらを向く。
「おお、リビタン殿! 久しいな!」
「全然変わってないですね」
「まあ、変わりゃせんじゃろうな」
「リビタンの場合、変わっても変わってなくてもわかんないよね」
おうおう、みんな好き勝手なこと言いやがって!
元気そうで何よりだ!
〈みんなは……なんか色々あったみたいだな〉
「そうですね。ですが、その全てをのんびりと語っていられるほどの余裕はないかもしれません」
とクーネアさん。
ま、そりゃそうなんだろうな。
なんせ、世界が滅亡しかけてるんだろ?
もともとわけわかんないまま、こっちの世界で冒険してたんだ。
大して変わらないと言えば変わらない。
〈けど……これで全員なのか? その、エドのモンスター軍団だかと、ヴォルフォニア帝国に対抗する勢力が?〉
「いや、もちろんそんなことはない」
クラクラが首を振った。
「まずは、あそこに連れて行くのが手っ取り早いかと思いますわ」
とマグラ。
みんなそれに頷いた。
〈あそこって……?〉
「私たちの本拠地」
ロココがそう言った。
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