どうも、リビングアーマーの俺です。
現在、崩落した洞窟を落下中。
すぐ横を一緒に落下しているのはゴブリン娘のラファ。
ちょっと離れて、少し上から迫ってくるのはゴーレム団子。
『危険危険危険危危危危険険危険ですですですすすすすす』
ぶっ壊れた警告音を発し続けてるけど危険にしたのはお前じゃ!
大量のゴーレムのパーツがめちゃくちゃに融合しちゃった団子。
あれが暴れ回ったせいで今の崩落が発生したのだ。
で。
「ロロロロロロロコさぁん!」
遠くから悲鳴が聞こえる。
どうやらこの崩落に、ずっと逸れていたロロコとアルメルも巻き込まれたらしい。
合流できたわけだけど、これ合流って言っていいの? って状況。
なにしろ二人の姿は見えない。
落ちた先がどうなっているのかもわからない。
上から降ってくる岩で全員埋まってしまうかもしれないもんね。
よし、こうなったら。
〈ロロコ! アルメル!〉
俺はとりあえず二人に呼びかける。
「リビたん」
「リビタンさん!」
二人が気づいた。
よし、声からどっちの方にいるかはわかってきたぞ。
〈今からそっちに俺のパーツを飛ばす。それにつかまれ!〉
「わかった」
「わかりましたぁ!」
俺は左脚パーツを分離させると、そこに視界をコピーしてから飛ばす。
なんで左脚かって?
今、俺の頭部と左右の腕と右脚パーツはゴーレムのものに交換されてる。
それが飛んできても、二人が俺だってわからないかもしれないだろ?
左脚はアルメル謹製の鎧だ。
それなら判別しやすいはず。
と言うわけで、行け! 俺の左脚!
視界をコピーしたので様子はわかる。
落ちてくる岩を避けて、飛ぶ、飛ぶ、飛ぶ。
なんかこういうゲームがありそうだな。
なんて思いながら進んでいく。
『危険危険危険危険』
のわっ!?
またゴーレム団子か!
危ねえな。
俺は団子をかわしてさらに先へ。
見えた!
ロロコとアルメル!
〈おおい!〉
俺は二人に呼びかける。
俺の声は霊体から発されているので、脚パーツだけでも声は出る。
二人が俺の脚を発見し手を伸ばす。
よし!
二人ともガッチリ掴んだな。
〈このまま落下速度を緩めて下まで行くぞ〉
そう告げて、暴れているゴーレム団子からは少し離れる。
一方、残りのパーツの方はラファを抱えて、同じように下降していく。
どっちも岩にぶつからないよう注意しながら降りていく。
『危険危険危険危険』
ゴーレム団子はそんな俺たちには構わない。
相変わらず音声を発しながら、周りの岩を破壊しつつ、どんどん落っこちていく。
姿が見えなくなったと思ったら、下のほうから、
――づどおおおおおおおおん!
と派手な音が響き渡った。
地面に激突したのかな?
続いて、
「うわ、なんだこいつ!」
「こんなモンスター見たことねえぞ!」
「これ、ゴーレムのパーツじゃねえか!?」
そんな声が聞こえてきた。
ん?
もしかして、下に人がいるのか?
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