転生したら鎧だった

〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します
三門鉄狼
三門鉄狼

244 転生したら魔王だった!?

公開日時: 2022年11月25日(金) 17:00
文字数:962

本編最終話です!

 どうも、リビングアーマーの俺です。


 エドとクーネアさんを元の世界に転移させた俺とロロコ。

 ガルシラをロボットから要塞形態に戻して元の土地へと帰還した。


 降りた先ではみんなが待っていてくれた。


 エルフのクラクラ。

 ドワーフ嬢のアルメル。

 ゴブリンお姉さんのラファ。

 ドラゴン姉妹のドグラとマグラ。

 クノイチのヒナワ。


 他にも大勢の人が集まってきていた。


 俺とロロコはガルシラから出てみんなのところへ向かおうとする。


 ……と思ったら。


 あれ?

 なんか身体が急に重くなって。

 視界が暗くなって。


 魔響震のときみたいな感じだ。


 おかしいな。

 この鎧は魔響震対策が施されてるはずなんだけど。


 ぐっ……?


◆◇◆◇◆


 膨大な記憶が流れ込んでくる。


 天空塔ダンジョンと接続したときによく似てる。

 けど、それとは比べ物にならない情報量だ。


 この大陸の――いや、この星の。

 あらゆる場所における記憶。

 それが蓄積された魔力が俺に流れ込んでくる。


 物質が形を変えて世界中を巡るように。

 魔力もこの世界の隅々まで巡っている。


 長い時をかけて。

 その『もの』の歴史と、『人々』の歴史は流れていく。


 それが全部俺に押し寄せてくる。


 ああ、そうか。


 焔狼族の魔力で『浄化』した魔族の魔力。

 それは消え去るわけじゃないんだ。


 放出され、拡散し、世界に散っていく。

 けれど、今回は量が多かった。

 そして魔王の魔力はあまりにも『濃く』て『重かった』。


 その魔力は簡単に拡散されなかった。

 強い魔力と高密度の術式を蓄える俺に引き寄せられた。


 魔力が有していた記憶と共に。


 これはつまり……。

 どうなるかというと……。


◆◇◆◇◆


「リビたん!?」


 動きを止めていたのはごく短い時間だったみたいだ。


 横にいたロロコが驚きの声をあげる。

 え、なになに?


 近くまできていたみんなも驚きの表情で俺を見ている。


 めっちゃ気になるんですけど……。


 俺は近くにいたマジカルアーマーの一体に視界を移す。

 そしてみんなが驚いている俺の姿を見る。


 なんじゃこりゃあああ!?


 そこに立っていたのは、ついさっきまでとはまるで別人――いや、別鎧だった。


 全体が真っ黒に染まっていて、エッチングの模様もなにやら禍々しい。

 トゲとかツノとかがあちこちから生えている。


 なんというか。

『魔王が身につける鎧ってこんな感じだよな』っていうイメージそのまま。


 これはもう完全にアレだな。


 ――俺、魔王になってる!


次回はエピローグ代わりのおまけになります。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

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