本編最終話です!
どうも、リビングアーマーの俺です。
エドとクーネアさんを元の世界に転移させた俺とロロコ。
ガルシラをロボットから要塞形態に戻して元の土地へと帰還した。
降りた先ではみんなが待っていてくれた。
エルフのクラクラ。
ドワーフ嬢のアルメル。
ゴブリンお姉さんのラファ。
ドラゴン姉妹のドグラとマグラ。
クノイチのヒナワ。
他にも大勢の人が集まってきていた。
俺とロロコはガルシラから出てみんなのところへ向かおうとする。
……と思ったら。
あれ?
なんか身体が急に重くなって。
視界が暗くなって。
魔響震のときみたいな感じだ。
おかしいな。
この鎧は魔響震対策が施されてるはずなんだけど。
ぐっ……?
◆◇◆◇◆
膨大な記憶が流れ込んでくる。
天空塔ダンジョンと接続したときによく似てる。
けど、それとは比べ物にならない情報量だ。
この大陸の――いや、この星の。
あらゆる場所における記憶。
それが蓄積された魔力が俺に流れ込んでくる。
物質が形を変えて世界中を巡るように。
魔力もこの世界の隅々まで巡っている。
長い時をかけて。
その『もの』の歴史と、『人々』の歴史は流れていく。
それが全部俺に押し寄せてくる。
ああ、そうか。
焔狼族の魔力で『浄化』した魔族の魔力。
それは消え去るわけじゃないんだ。
放出され、拡散し、世界に散っていく。
けれど、今回は量が多かった。
そして魔王の魔力はあまりにも『濃く』て『重かった』。
その魔力は簡単に拡散されなかった。
強い魔力と高密度の術式を蓄える俺に引き寄せられた。
魔力が有していた記憶と共に。
これはつまり……。
どうなるかというと……。
◆◇◆◇◆
「リビたん!?」
動きを止めていたのはごく短い時間だったみたいだ。
横にいたロロコが驚きの声をあげる。
え、なになに?
近くまできていたみんなも驚きの表情で俺を見ている。
めっちゃ気になるんですけど……。
俺は近くにいたマジカルアーマーの一体に視界を移す。
そしてみんなが驚いている俺の姿を見る。
なんじゃこりゃあああ!?
そこに立っていたのは、ついさっきまでとはまるで別人――いや、別鎧だった。
全体が真っ黒に染まっていて、エッチングの模様もなにやら禍々しい。
トゲとかツノとかがあちこちから生えている。
なんというか。
『魔王が身につける鎧ってこんな感じだよな』っていうイメージそのまま。
これはもう完全にアレだな。
――俺、魔王になってる!
次回はエピローグ代わりのおまけになります。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
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