どうもリビングアーマー改め冒険書の俺です。
……全く意味がわからないな。
リビングアーマーならまだ人型だし。
そういうモンスターに転生しました、で納得できるんだが。
まあ、それはいい。
それより。
〈ところでアルメルは何に悲鳴をあげてたんだ?〉
そう。
俺が動けるようになったきっかけは、アルメルが俺を落っことしたから。
そして落っことしたのは、何かに驚いたからだ。
「あ、それはですね、ええと……そこにある巨大な石像がモンスターだと思ってびっくりして……」
照れ臭そうに言うアルメル。
なんだ……。
まったく、アルメルは慌てん坊だなぁ。
あっはっは……。
〈……その石像、どこにあるんだ?〉
「え? あそこにあるじゃ……あれ?」
…………。
俺はバサバサ羽ばたきながらぐるっと回って、元きた道を見る。
石像、ないな……。
嫌な予感がしますね。
これは大体当たるやつだぞ……。
「リビタンさん、上!」
〈っ!〉
アルメルの言葉にとっさに横に避ける。
俺がさっきまでいた場所を巨大な重量物が落下していった。
石像が着地し、石畳がめちゃくちゃにぶっ壊れる。
うわー! うわー! うわー!
「ぎゃーーーーーーー!」
逃げるぞ!
走り出すアルメル。
バサバサ羽ばたく俺。
音もなく追いかけてくる石像。
……怖いよ!
せめて石らしくガタガタ音をたててくれ!
――!
石像が、無音で腕を振りかぶってきた。
やばい、避けきれない!
〈アルメル!〉
「いやああああああ!」
どがごおおおおおおん!
あれ?
石像の腕がぶつかるより先に、横の壁がぶっ壊れて、石像が埋まってしまった。
なんだなんだ?
「なんじゃ、今度はどこに出た?」
「あ、アルメル」
ぶっ壊れた壁の向こうから出てきたのは。
ドグラ(彼女が壁をぶっ壊したらしい)と俺の両腕パーツ。
ロロコと俺の兜。
そして火吹き鳥。
――ふごおおおお!
だから最後のはいらないっての!
読み終わったら、ポイントを付けましょう!