ほのぼの家族…ってどの家族のこと言ってんだ!!!

お母さんはね、お母さんはね、お母さんはねえええええええ?!(怒
たかさば
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串揚げパーティー

公開日時: 2021年2月3日(水) 18:00
文字数:6,367

串揚げパーティーをやることにした。


先週、肉まんパーティーがしたいという娘の要望に応えるべく久々に大きな蒸し器を棚から出した際にですね、ミニフライヤーを発見しましてですね。


ミニフライヤーは、娘が毎日お弁当を持って行っていた時に活躍した便利家電なのですよ!


直径15センチほどの電気鍋セットには、かき揚げを揚げたりチキンビッツを揚げたりするときに便利なアミ状のバスケットと調理中に装着できる蓋が付属しており、それはもう毎日大活躍していた時代があったのですよ!


唐揚げ二個を揚げるのに、ちょうどええサイズ!

チーズボール三個揚げるのに、ちょうどええサイズ!

コロッケ一個分を揚げるのに、ちょうどええサイズ!

フライドポテト五本を揚げるのに、ちょうどええサイズ!!

ミートボール(大きめ)三個を揚げるのに、ちょうどええサイズ!


あさイチのとっ散らかってる時間帯に揚げ物をするのは少々敷居が高くなりがちなのだが、ミニフライヤーがあればなんてことないのである!


スイッチオンで油が自動的に適温まで上がり、揚げたいもん入れたら蓋をしてキッチンタイマーを仕掛けて卵を焼くことができるのである!


ちょっぴりしか揚げないしそんなに油は汚れないからさ、月曜に油を投入した後は使用後に揚げカスをきれいに取って連日使いまわして、毎週金曜日に廃棄、実に分かりやすいうえに使いやすいのなんの!


お弁当を作らない夏休みなんかには、テーブルの上にもってって卓上串揚げパーティーをすることもしばしばあったんだよね。娘のお弁当を作らなくなってからは全然やってなかったけど。


三年間きっちり使い倒したミニフライヤーは、やけにべたつくボディと空回りする温度設定ダイヤル、一部溶けてビニールテープで補修済みのコードを堂々装備することになりまして…まあね、捨てるつもりだったんだけど、愛着わいて捨てらんなくて、奥の方にしまい込んでたって言うか。…こういうところがね、ものの多い家庭の特徴的な行動っていうかね、まあいいや。


久々に取り出してみたところ、バスケット部分が…さびてる!!おかしいな、ちゃんと洗ってしまってあったはずなのに、なんてこった。


発見してしまったからには見過ごすわけにもいくまい、潔く捨てるかと思い、袋に入れたところで…往生際悪くですね、最後に卓上串揚げパーティーでもしよまいかと思い立ったという次第。


串揚げならさびたバスケットは使わないからね。気の毒なさびたバスケットさんは金属ごみの袋の中へ、それが昼過ぎの出来事。


わりと細かい作業が好きなタイプの私、お昼ごはんの後意気揚々と買い物に出かけ、ほくほく顔で帰宅し、せっせと揚げるモノの皆さんを串にぶっさし中なのである!竹串は200本用意しましたとも。…足りるかな。


具材はちくわにチーズにピーマンにジャガイモにネギにニンニクにアスパラにベーコンにハムにうずらの卵にソーセージにもちに明太子にボイルエビにボイルホタテにミートボール、あと甘い衣用にミニフランクと魚肉ソーセージとキャンディチーズと丸ごと粒イチゴジャムとマシュマロとトリュフチョコにバナナ、あんこ玉に10円饅頭。


昔はプチトマトや玉ねぎ、芽キャベツにブロッコリーなんかもあったんだけど、熱くて口の中をやけどしただの、涙が出るからやだだの、中まで火が通り難いだの、見た目が気に入らないだのでメンバー陥落となった食材たちもたくさんいたりする。本日おそろいの皆様は、我が家で大変にもてはやされている、安定の人気者たちばかり。


みなさんは、きっちり串に刺さった後、卓上でとろりとバッター液に包まれて、パン粉をまとい、油で揚がるのですよ!


うちの串揚げはバッター液が二種類存在していたりする。出汁入りのしょっぱい奴と、ホットケーキミックス。わりと甘い衣ってのもおいしくてね、ケチャップで食べるとおいしいのさ。余ったらまとめちゃって、砂糖と蜂蜜を追加してダシくさいドーナツになるのだな。お上品な料理家が聞いたらしかめっ面をしそうなんだけどね、うちはほら…口に入るもんはなんでもうまいと思ってる節があるというか多少の事は気にしないっていうかチョコシロップかけたらオールオッケーな人物が二人ほどいるっていうか。


なお、パン粉は目の細かいものを用意。通常のパン粉を分厚いビニール袋に入れて、麺棒でゴリゴリやって自作済み。


「え!!なになに、串揚げやるの!!甘い生地も作ってね!!」

「きのこ買った?」


串刺しに夢中になってたら、いつの間にか娘と息子が帰ってきたようだ。


テーブルの上にエリンギとシイタケとまいたけとエノキとブラウンマッシュルームのパックを見つけた息子は…やけにいい顔をしてさっそく手を洗いに行ったぞ!!!彼はキノコが大好物で、ずらりと並ぶキノコの姿を見てテンションアップが隠し切れないらしい!


「わーい、食べちゃお!!!」

「ちょ!!つまみぐうな!!!」


娘はマシュマロをひと掴みし…口いっぱいに頬張っとるがな!!!姉弟、顔はそっくりだというのに、この違い、ああ、なんてこった。


「キノコやる。」


手を洗いエプロンを装備した息子が参戦してきた。カット済みのキノコをぶっすぶっすと串に刺してゆく。


「ねえねえ、今回も肉ないの?あたしささみと豚バラ食べたい!」

「やだよ!だってあんたら生のまま食べようとするじゃん!危険極まりない、却下却下!!」


生肉は揚げ不良が発生しがちなので、慌て者揃いの我が家ではメンバー入りすることがなかったりする。だってさあ、食欲魔人どもがまだだって言ってんのに食べられるから平気とか半分くらい火が通ってない方がジューシーとか言って口の中に入れちゃうんだよ、どんだけ注意しても聞きゃあしない、かくなる上は食材ラインナップに入れることを中止するしかないってね、いわばまさに自業自得、絶対作らんぞ!!!


「エノキがうまくできない…。」

「ああ、エノキはね、ベーコンで巻く用だから…って!!一本?!」


何やらマイキノコ串を皿に盛っていた息子が、おかしな声をあげたので見ると…エノキを一本、縦にして串にさしてるじゃありませんか。一本!!一本で串揚げ!!!面白すぎる、しかしここで大笑いしたら気の毒だ、ええと・・・。


「何それ!!ウケる!!そんなん揚がるわけないじゃん!!何これ!!ぎゃははははは!!!」


バナナをつまみに来た娘が余計な一言をー!一切料理をしないやつに限ってなんでこういう発言をするのかと小一時間ほど説教したくなってきたわ!!!…ああ、息子が凹んだ顔、顔っ!!!


「ちょ!!!あんたはそういう事いう!!!あのね、根っこの繋がってるとこをね、輪切りにしてイチョウ切りにしたらいいんじゃない、ね?そしたら串にささる!よしそれで行こう!」

「わかった。」


食材をすべて串にさし終わったので、テーブルの上にミニフライヤーをセットして、晩御飯の用意をしていたら旦那が帰ってきた。


「あ!!今日串揚げ?!わーい!ねえねえ、これだけだと追いつかないからさあ、キッチンでも揚げてね!」

「まあ、そのつもりだよ。手洗ったらそっち揚げ始めていいよ。」

「わーい!あたしチョコから食べよ!」

「キノコ食べよう!」


ミニフライヤーだけだと、食欲魔人どもの捕食スピードに太刀打ちできないんだよね。キッチンでも油鍋を温めて、ダブルで串揚げをするのである!


「そっちは一回に四本くらいまでだからね、あと揚げカスはなるべく早めに拾ってね!」

「りょ!」

「えーこんなんはいる分入れたらいけるって!」


娘と旦那の返事は聞いてはならん、頼りになるのは息子だけだ!!


「ちょっと、君がしっかりしないとこの油は一瞬で揚げ油としての機能が果たせなくなる!!これ、揚げカスすくうやつ…頼んだよ?」

「わかった。」


頼もしい息子の返事を聞き、私はキッチンに向かった。


キッチンで手際よく串を揚げつつ、自分も食べたいものをつまんで…ついでに美味しい泡の飲み物など。ぐふふ、アブラモノってさあ、炭酸のきついあわあわのドリンクがね、ふふん、合うんだよね~♪サクサクカリカリのポテトに素揚げのピーマン、アスパラにチーズボールにエノキベーコン、にんにくウマいな、明太子ぷっちぷち、ぎゅふふ、いくらでも食えるぞ、あれあわあわなくなった、なんてこった、これは追加が必要だ、けしからんなあ、けしからん、ああ確かにけしからん、ぎゅふふ!!!


「お母さん、追加分もらっていくねって!!ちょ、二本目!!…三本目も冷やしてある!!」


おお!?なんか娘が人の揚げた美味いもんかっさらっていこうとしてるぞ、なんという不届きもの、ここに成敗してくれよう―!!


「何言ってんの、これは断じて二本目などではない、何故なら缶が二本存在しているという事は、0と1の世界でいえば1なんですよ、有と無、二つの分野に分けたらこれは1なんです、いいですか、世界は0と1でできているんです、ねえねえ、二進法って知ってる?えへへ…。」

「だめすぎる。」


なんか息子がまだ揚げてない串の束もってっちゃったぞ。ああ、ミニフライヤー用の串無くなったのか、じゃあこっちの油はもう消していいかな、よし消そう、じゃああっち行くか、そういや白いご飯食べてないな、よし明太子で食べよう。残ってるかな、残ってなかったら明太子でもう一本開けるか。


「ちょっとお母さん!!ちゃんと火消したの!!それ何本目!!お姉ちゃん、奪取奪取!!隠蔽して!!」

「消したし固めるやつも入れたわ!!これは1、腹の中に入れば胃袋はひとつしかないから1、すべからく1でしかない、缶などただの入れ物にすぎぬわ!!あ、この焦げたの食べちゃお、うーん芳ばしいね、うまうま!!あ、ご飯まだあるね、よし食おう、すぐ食おう、めっちゃ食おう!!うへへ、ごはんもりもり、ふふ・・・。」


息子が律義にミニフライヤーに四本づつ入れて揚げてるのを見ながら、私は珍しくご飯をモリモリとたべーる!明太子ちょっと余っちゃってさ、もったいないんで食べちゃおうと思って!ごはんあったから四本目のしゅわしゅわはやめとくか、よしやめよう。冷蔵庫にしまいに行こうと思ったら、持ってきたはずのしゅわしゅわがないぞ、どこ行った、まあいっか。


「串無くなった。」


200本用意した串がなくなったらしい!!息子が最後の四本を揚げている。相変わらずよく食う一家だな!!けしからん、けしからんゾウ、食い過ぎだ!!一人当たり50本食ったのか、食い過ぎだろう、ええとそういや自分は何本食べたかな、ピーマン二個分で八本、チーズが三本、エノキのやつが二本にうずら系が五本、肉団子二本、ホタテとかも二本づつにアスパラちくわええとそれから?ニンニクが五個に…50本くらい食べたか?よくわかんないな、まあいいや。


「じゃあドーナツにしよ、お姉ちゃんは砂糖持ってきて!」

「はーい!」


なにげにお菓子作りが趣味の旦那は、ドーナツ奉行なのである!串揚げパーティーのラストは旦那がいつも〆て終わるのだ!


「このフライヤーだと大きいのが作れないなあ、もっと大きいの欲しくない?」

「いいね、買おう買おう!」

「欲しい。」


はい!?なんか調子に乗ったふざけた会話が聞こえてきたぞ!ちょ、せっかくいい気分で酔ってたのに、テンション下がって来たじゃん!


「あのね!これ、元々お弁当用に薬屋のポイントでもらった奴だからちいさいんだってば!もうしばらくお弁当作んないのに、わざわざ買うの?!いらないよ、置く場所ない!!そもそもこのフライヤーはね、捨てる前に最後に有終の美を飾らせようと思ったんだし!もう捨てるんだよ、却下します!!!」


そもそもうちには調理家電がやたらとあって、ずいぶんキッチンが窮屈なことになっているのだ!!チョコレートフォンデュセットやらプリンメーカーやらチーズフォンデュ鍋やらジューサーやらパン焼き機やら餅つき機やらワッフルメーカーにタイ焼きメーカー、ポップコーンメーカーにヨーグルトメーカー、タコ焼き機は二つあるし、流しそうめん機に至っては三つもあるし、やけにこだわる旦那が買ってきたおかしな無水鍋や圧力鍋、クレープ焼き機にせんべい焼き機、とにかくもうね、置き場がない、ないんだってば!!!!くそぅ、怒りで酔いが完全に醒めたぞ、なんてことしてくれてんだ!


「ええー、いいじゃん!!これまだ使えるのに捨てるとかかわいそうじゃん、買わないならせめて取っといてよ!」

「不用品捨てたら買ってもいいよ!置ける場所作ってからじゃないとダメ!!これはもうすでにずいぶん使い過ぎてるの、寿命は過ぎてるからもう出家するしか道はないの!!あきらめたまえ!はい、残念です。」


私は食べ終わった茶碗を持ってキッチンへ。これ以上討論の必要はなくってよ。なんか急におなかいっぱいになってきた、アブラモノって一気におなかに来るよねえ、胃薬飲んどかないと。完全にに酔いも醒めたし、もうお風呂入って寝ちゃお。


「じゃあ後片付け頼んだよ、私はお風呂入って寝るわ!ドーナツは余ったらラップしといてー。」

「へいへい。」


私は一切合切の後片付けをせずにお風呂に入って、ぐうすか寝て…翌朝余っていたドーナツを食べて、その夕方。


「ちょ!!!なに、何これ!!!」

「新しいフライヤー、買っちゃった!!テヘ―!」


買い物から帰った私を待ち受けてたのは、でっかい荷物!!!大喜びで箱を開けてる旦那と娘!!キッチンでは息子は調理家電の入った箱を積み直してる!!!何この連携、どういうことだ!!!


「これさあ、ポテトが一気に一キロ揚げれるんだって!めっちゃよくない?ドーナツも一個づつじゃなくて六個揚げれるよ!」

「チュロス作ろうって話になってさあ!ちょー楽しみ!ヒャッホー♪」

「ちょ…!!油4L?!こんなん業務用じゃん!!どこ置いとくの、コロッケ屋でもやるつもり?!」

「場所できた!」


昨日…小さなフライヤーを捨てたばかりだというのに、四倍はあろうかというでかさの、新たなフライヤーが…我が家にやってきただとう…?!油の管理とか地味にけっこうかなり相当めんどくさいのに、なんてことしやがる!!!4Lって、油二本分だよ?!馬鹿じゃん、何も考えてないじゃん、何やってんだ!!!


「子供会とか町内会でも使えそうじゃない?これはいい買い物をした!!」

「やったーやったー!さっそく作ろう!!!」

「材料買いに行こ。」


開いた口が塞がらないとはこのことか。今日の晩御飯用に買ってきた豚小間と玉ねぎが泣いている、豚丼はどうなるんだ、また今日も揚げ物なのか、油を今から買いに行くというのか、何本買って来るつもりなんだ、まさか一斗缶買ってこないよね、マジか本気かなんてこった!!!


「今日はお母さん何もしなくていいよ、俺飯作る!!あ、ごはん炊いといてね!!行ってきます!!」


旦那と娘と息子はそろってスーパーへと向かって行ってですね!!


揚げたてのカキフライやらコロッケやらポテトやらチュロスやら唐揚げやら確かにおいしかったですよ、美味しかったけれども!!使用済みの油が大量にー!こんなん毎回捨てるの大変すぎるやつじゃん!超重労働じゃん!


「どうする?石鹸でもつくる?たしか山添さんが手作り石鹸やってたはずだけど、聞いてみようか?」

「やってみたい。」

「ちょ…そんなんまったくやった事ないよ、ムリムリ!」

「とりあえずやってみたらいいじゃん!」


どんどんおかしな方向に話が進んで行くー!旦那が早速電話かけてるー!


「なんか来週教えてもらえることになったー!予定空けといてね!」

「りょ!」

「わかった。」


私は返事をしなかったものの。


週末、急な仕事の入った旦那の代わりに、山添さんに色々学ぶ羽目になったという、いつものパターンがね、あったってね、そういうお話ですよ…(。>д<)


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