朝起き上がるとそこには目立つように大きな文字が書いてあった
”森目叶向《もりめかなた》は寝ると記憶がなくなる”
私が森目叶向ということを私は知っている
しかし、なにも思い出せない
見渡すと壁一面に様々な文字が書かれている
”森目叶向は高校2年生””7時45分に家を出る””起きたら隣の部屋の妹を起こして””今日は6月13日””1階にお母さんがいるから話を聞いて”
よく分からない
1階に降りようと部屋を出る時に、1つの文章に目がいった
”あなたのことはこの日記を見れば分かります”
近づいてみると机に日記帳が置いてあった
「森目さん!僕のこと分かる?」
「だれですか?」
「やっぱりかー...印田凜真《いんだりま》っていうんだけど!」
「いんだりま?あー...」
「分かるの!?」
「んー変なヤツ?」
「はい?」
「あなたって私の彼氏なの?」
「...?僕のこと覚えてるの!?」
「日記に書いてあったんです いんだりまって変なヤツが私の彼氏だとか言ってるって」
昨日の叶向め~~~!
でも日記に僕のこと書いてくれたんだ...
「変なヤツではないけど僕たち恋人ってことは本当だよ!」
「ふ~ん... で、あなた私のこと好きなんですか?」
「ッ...!」
「だって日記に書いてたんですよ あなたが私のこと好きって言ったって」
昨日の叶向め~~~!(2回目)
「す...好きだよ!叶向のこと好きだ!」
「どんなとこが?」
「い...一生懸命なとことか! あ、あと...かわいいとことか」
「へー私って一生懸命なんですね まあかわいいことは知ってます」
なんかキャラ違うくない?
記憶ないからキャラ変わるの?
「分かりました」
「え...?」
「私があなたの彼女だって信じますよ」
「え、え、ええええーーーー!!」
こんなあっさり?昨日証拠写真見せて散々ねばって駄目だったのに、こんなあっさり?
「だって...」
「だって?」
「何でもありません! とりあえず授業が始まるので早く席に戻ってください!」
いつも通り追っ払われて僕は席に戻る
昨日と別人みたいだったけど今日の叶向もかわいかった...
「だって...昨日の私、好きって言われて嬉しそうだったんだもん なにが恋しやがってだよ、あんたもあいつに恋してるじゃん」
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