寝ると記憶をなくす少女と付き合うことになったんだけど!?

その恋は、忘却の彼方へ
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強くなった理由

公開日時: 2020年12月25日(金) 22:08
文字数:1,304

那由多《なゆた》が不良9人を瞬殺!?!?


「な、ナニモンや!?」


タクミが声を震わせながら問う


「森目叶向《もりめかなた》!?」


叶向に双子の妹がいると知らない九院さんは那由多のことを叶向だと思っているようだ


「ちっちっちっ! あたしこそ、その森目叶向の双子の妹、天才、森目那由多なのですよ!」


「双子の妹ですって!?」


「そうなのです! そして、私が最も許せないのは、“集団による弱い者いじめ”! よって、あなたを成敗します!」


那由多はタクミにバッドマークを突きつける


「那由多! お前が強いのはさっきの一瞬で理解したけど、タクミはその9人とはわけが違うと思う... 大丈夫なのか?」


「その人タクミって言うの〜? タクミ〜?... あ〜あの有名な不良のタクミ!? あたしが通ってる通信制高校の友達にそいつから被害受けたって子いっぱいいるんだよな〜!! 浮気されたとか浮気されたとか浮気されたとか〜〜... 許せんなぁ〜 女の敵は!」


横目で九院さんの方を見ると泣き崩れてしまっていた


九院さんは叶向をいじめていて、それは絶対に許せないし、許す気はないけど... こんなに悲しそうに泣かれてしまうと可哀想に思えてしまった


「那由多! そいつをぶちのめしてくれ!」


「はいよ〜」




2回瞬きする頃には、タクミはボコボコにされていた






気がつくと騒ぎを見ようと駆けつけた生徒たちが、僕たちの周りに集まっていた


その中には...叶向の姿が


「那由多、何やってるの?」

「あ、お姉〜 お弁当忘れてたから届けにきたよ〜(ニコニコッ」

「そうじゃなくて! そこの人たち!」

「あ〜彼氏さんが襲われてたから助けたんだよ〜 あと女の敵だし〜〜」

「彼氏? 女の敵?」

「まあ彼氏さんはいいとして〜 そこの九院さんて人傷つけたとか被害多数! これくらいやってもしょうがないよね!」

「はぁ〜」

「でもこれからが本番っぽいよ!」




「タクミ...」


九院さんが那由多にボコられ倒れてしまったタクミに近づく


「あなたを責めようかと思ったけど、悪いのは私だったわ... だからもう怒る気はない... あなたをクソ野郎と見抜けなかった私の実力不足... だから...この一発で終わり!!!!!」


振り上げた足を勢いよく振り下ろす


キ〜ン...


タクミのタクミにクリティカルヒットし、タクミ襲撃事件は幕を閉じた




騒ぎを起こした僕たちは後で先生に呼び出されたが、九院さんによる叶向いじめが発端だと説明すると、今度は九院さんに矛先が 

九院さんは退学を迫られたが、被害者の叶向が許したこともあり、当分の謹慎で済むことに


叶向に聞くと


「まあ覚えてないしね〜 浮気うんぬんもちょっと可哀想だったし! 私にはこんなにいい彼氏がいるのに〜」と余裕の勝ちヒロイン発言




助けてもらったお礼を言いたいこともあり、放課後は森目家にお邪魔した


「で、那由多... なんでお前あんなに強いんだよ...」


「言ったでしょ〜 昔公園でいじめられてるところを男の子に助けてもらったって〜 それ以来もうあの子に頼らなくても、自分で自分を守れるようになるって決めたんだ! そして、できることなら今度はあたしがあの子を守ってあげたいんだ!」


もう“その子”を守ったことを知らない那由多は、意気揚々と夢を語った






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