お菓子と紅茶と異世界召喚!?

~女子高生四人が異世界召喚されたけれど、勇者ではないと城から追放されたので最強冒険者としてのんびり生きています~
時野洋輔
時野洋輔

小ネタ【本当っぽい嘘の話】

公開日時: 2020年10月4日(日) 15:00
文字数:743

 とある町のカフェで、鈴とヤヨがラングドシャに似たお菓子を食べていた時だった。

 鈴があることを思いつく。


「ねぇ、ヤヨちゃん。ヤヨちゃん」

「はい、なんですか?」


 ヤヨは飲もうとしていた紅茶の入ったカップを置き、鈴に笑顔で尋ねた。


「ヤヨちゃんっていっつも本当のことを説明してくれるでしょ」


 妙な言い回しに、ヤヨは若干違和感を覚えつつ、笑顔で対応する。


「本当のことかはわかりませんね。以前にも言った通り、私の知識は実践に欠けるものが多く、本の受け売りなんです。本に書かれていることが必ずしも真実であるとは限りませんから」

「うん、それはいいんだけど、一度でいいから、本当っぽい嘘を言ってくれないかな?」

「本当っぽい嘘ですか? そうですねぇ」


 ヤヨは少し困った風に考え、何か思いついたのか説明を始めた。


「鈴さん、マウスって知っていますか? 動物のマウスではなく、パソコンで使うマウスです」

「うん、お父さんが使ってるパソコンをたまにいじらせてもらうから」

「そのマウスの移動距離には、特別な単位が用いられているんですが、その単位の名前がミッキーって言うんです。という本当っぽい嘘の話でした」

「あはは、ヤヨちゃん。さすがにそのネタは嘘ってわかるよ。やっぱりヤヨちゃんは嘘が苦手なんだね」

「あ、いえ、ミッキーの話は本当で、『本当っぽい嘘の話』というのが嘘なんです」

「…………………………え?」


 鈴が脳の処理が追い付かず、フリーズする。


「ミッキーが嘘で、嘘が嘘で嘘が本当で、じゃなくて、ミッキーが本当で、嘘が本当で嘘が嘘でミッキーも嘘でつまりマウスがミッキーでミッキーがマウスで……」

「鈴さん、落ち着いて下さい! 周りの人も変な目で見てますから!」


 結論、嘘は周りを混乱させる。


(マウスの移動単位がミッキーというのは真実です)

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