小ネタです。
本編とは一切関係ありません。
「ヤヨ先生、お茶ドゾーっす」
千秋がそう言って紅茶の入ったカップをヤヨに渡した。
「ありがとうございます。ところで『お茶ドゾー』って、それもアニメのネタですか?」
「これはアニメじゃなくて、ネットスラングっすね。場を落ち着かせるために使うネタっす」
そう言うと、千秋が普段メモ代わりにしている紙とペンを取り出すと、そこに『つ旦』と書いた。
「これでお茶を渡しているように見えるっすよね?」
「アスキーアートですね! 確かに湯呑と受け皿に見えます!」
「まぁ、うちはアニヲタであって、ちゃんねらーじゃないっすから、ネットスラングはあまり使わないんっすけどね」
「いえ、これは面白いですよ」
ヤヨは暇なときにはWikipediaを使っていろいろな情報を見て回るのが趣味であったが、しかしネットスラングの知識は持ち合わせていなかった。
栄養バランスの取れた食事を食べ続けていた子供が初めてジャンクフードを口にするような感覚に、ヤヨは少し興奮した。
「他に何でもいいからネットスラングを教えてください!」
「ググレカス」
「…………」
「…………」
「……あ、千秋さんも冷めないうちにお茶どぞー」
「ドモドモっす」
二人は仲良く紅茶を飲んだ。
その後、ネットスラングについてヤヨは一通りの知識を吸収させてもらったが、日常会話で使われることはほとんどなかったという。
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