バルセロナでの朝10時を迎え、侑斗がむにゃむにゃ言いながら目を覚ますとスマートフォンの時計を確認すると10時を過ぎていたことに気付き、慌てて隣で寝ている星弥に「しまった!笠間城跡のライブ配信を見損なったよ!」と話すと、侑斗の一言に目覚めた星弥は「仕方がないだろ。向こうは日本、俺達はバルセロナにいるんだから。そもそも配信している時間帯が俺達からすると真夜中に配信していることになるからな。そりゃ無理だよ。起きれないよ。」と語った後、侑斗はやはり”明るい肝試し”の動向が気になってしょうがないのか、すぐさま公式TikTokを確認し始めると案内役の斧落が次に向かう心霊スポットについての動画が配信されていた。
「今回はYouTube並びにニコニコ動画での佐白山並びに笠間城跡のライブ配信を沢山の方々に見て頂いて本当にありがとうございます!そして次回予告ですが、いまわたしたちは矢板市内にあるビジネスホテルで宿泊中ですが、明日1月3日に向かう場所は矢板市内にあるおしらじの滝という心霊スポットです。ここでは水深が僅か2mほどしかない場所であるにもかかわらず、2017年と2020年に水難事故が発生してお亡くなりになられた方がいます。死因は溺死もしくは心臓発作とされていますが、繰り返し説明しますが、水深2mの場所で果たして溺死をしてしまうことは有り得るのでしょうか。現地に行って見て、朝9時から明るい肝試しを実行したいと思います!それでは明るい肝試しを応援して下さっている皆さん!明日の配信を楽しみに待っていて下さいね~!それではバイバーイ!」
斧落の次回予告の動画を見た侑斗は「また明日の朝9時からか。」と言い始めると、星弥は「侑斗よく考えなよ。明日俺達は日本に帰らなければいけないんだよ。こっちで朝8時には出発してと考えたら、そんな”明るい肝試し”のライブ配信をゆっくりと見ている暇などないよ。それに俺達まだ帰国するための準備すらできていない。これじゃ母さんに”のんびりだらだら過ごしてないでさっさと帰国準備をしなさい!”って言われて怒られるよ。ライブ配信を見ることは諦めて帰国準備するための段取りをし始めようよ。ライブ配信された動画だって後で編集されてある程度加工が加わるはずだろ。何もライブ配信だけにこだわる必要はない。」と言い切ると、侑斗は「そうだね。ライブじゃなくても見れるもんね。」と話すと、諦めがついたのか持っていたタブレットをさっと持ってきた旅行鞄に入れ始めた。
「あと来ていた服とか、今できるまとめなければいけないことは今のうちにまとめないといけないな。」
侑斗は星弥に語ると「そうだよ。生放送にこだわりを捨てたほうが良い。こだわりを持ちすぎて後々体を壊してしまったら元も子もないからね。」と話しながら「俺もまだ準備が出来ていなかった。俺も侑斗に負けられない!」と言い出すと持ってきた旅行鞄に洋服や仕事用のノートパソコンなどを片付け始めるのだった。
二人が慌しく帰るための準備や部屋の掃除などで追われているうちに、日本では日付が変わり、2026年1月3日の朝を迎えた。星弥と侑斗はぐっすりと熟睡している中で朝の8時55分にYouTubeとニコニコ動画でのライブ配信が始まった。
油井がカメラを前に視聴者に対して大きな声を上げてリポートを始めた。
「明るい肝試しをYouTubeとニコニコ動画でご覧の皆さん!おはようございます!リポーターを務める明るい肝試しのリーダー油井活魚です。そして僕の補助として全国津々浦々の怪談蒐集を専門にされている企画演出の村田岩熊にも今回僕と共にリポートを行ってもらいます。」と村田を案内すると、村田がカメラの前に出てきて「どうも!明るい肝試しをご覧の皆さん、おはようございます!企画兼怪談蒐集家の村田です。本日の栃木編もどうぞ宜しくお願いします!」と視聴者に対して挨拶を済ませたところで、油井が「さて、1月3日に僕達が明るい時間帯に肝試しを実行するのは栃木県の矢板市内にある”おしらじの滝”という心霊スポットでございます。おしらじの滝に纏わる怖い話についてはプロフェッショナルの村田に解説をお願いしたいと思います。ではどうぞ宜しくお願いします。」と村田に話を振ったところで、村田がおしらじの滝に纏わる心霊話を語り始めた。
「幻の滝とも呼ばれる”おしらじの滝”においては、これまで知る人ぞ知る滝として一部の熱狂的なカメラマンでもなければ訪れないような場所であったが、SNS等を通してよりおしらじの滝の知名度が広く認知されてゆくにつれ、澄んだブルーの滝壺には
多くの人の心を鷲掴みにする栃木県の観光名所にもなった。だがその一方で、この滝には昔から多くの地縛霊が棲んでおり、不敬なものをのみこむという話がある。水深は2m程しかないにも関わらず30cmの高さから飛び込み、2017年に水死、2020年の8月には二人が水死しているなど、人が溺れるには浅すぎる上に、飛び込んだとしても泳いで陸地に上がれる範囲内であるにも関わらずお亡くなりになられてしまう等の説明しきれない出来事が起きている。因みにここで溺れかけた人の体験談によると体を何かに引っ張られ水面に上がれなくなったという。お亡くなりになられている方もいるために、そういった心霊現象が起きても不思議ではない所だろう。事故が続いたことを受け現在は滝壺の近くは立入禁止になっている。そのため、我々明るい肝試しが今回検証が出来るとしたら滝壺を眺めることが出来る観ばく台から果たして噂にある地縛霊の真偽を確かめるという事になる。今回明るい時間帯の肝試しではありますけどね、冬眠の時期だから出てこないことを心より願ってはいるけど付近には熊の出没情報もあるため、念には念を入れよという事でメイサちゃん、むっちゃんを除く男6人で熊鈴を鳴らしながら滝壺を眺めることが出来る観ばく台へ近づいていこう。穴持たずなんて頼むから出てこないで、そんな気持ちでいっぱいだ。はっきり言って幽霊より熊のほうが怖いからね。」
村田の話す内容に後ろでじっくりと聞いて居た秩父が「熊鈴って!?しかも穴持たずってそんなもんこんな冬の寒い栃木の山奥なら安心してどっかで冬眠しているだろ。熊鈴を鳴らすほどの事でもないだろう。それより怖いのは熊ではなく、どうしてお亡くなりになられたのかを明るい時間帯に肝試しを行うことで実証することが俺達のおしらじの滝でのミッションだろ!?」と言い始めると、油井も続けて「熊は出てこない。何か気配を感じたときに鳴らす、それぐらいで十分だろう。」と言い始めると一同は早速駐車場から”おしらじの滝の入り口”と書かれた看板の方向へと歩き始めた。
先頭を歩く油井と畑が後ろを歩く村田、斧落、甲州、秩父、後藤、杉沢村の6人に対して「足元が非常に滑りやすくなっている!こけないように慎重になって進もう。足元がかなりぬかるんでいて、木の根も生えていて、その上雪もちらほらとある。急ぎ過ぎずゆっくりとしたペースで歩こう。」と語りかけると、それを聞いた村田はさらに聞こえるように大きな声で「気付いていると思うけど足元がかなりぬかるんでいる上に雪があって滑りやすい土壌になっている。足元の木の根も引っかけやすい危険性があるから気を付けて。」と続けて注意喚起を行ったところで、一同は慎重に慎重にゆっくりとこけないように歩き進んでいく。
観ばく台へと歩く途中で油井が隣を歩く村田にスマートフォンでワード検索をした結果を見せびらかすように見せ始めると「死因のところを見てほしい。これは熊が出る出ない以上の怖さを感じるよ。滝壺の高さは3mしかない、その上水深は2mしかない上に、警察からの発表によれば二人の男性は立入禁止のロープを乗り越えた末に高さ30cm程度の岩の上から飛び込んだとあるように、3mの高さから飛び込んで打ちどころが悪かったために浮上しきれずに溺れたのならまだしも、30cmでは何故?しかもおしらじの滝は雨が降ったときにしか水が流れない幻の滝であるが故、水が流れたとしても流れは激しくないと言われている。そこで溺死した以外にも急激な低体温による心臓発作等も可能性としては考えられるが、近付けばより事実に近づけるかもしれないな。」と疑問に思ったことを語り始めると、村田は「もっと怖い話をしようか。一般的には人が溺れるためには膝上程度の水深で十分とされているが、おしらじの滝で流れる水は体の浮きにくい淡水であるために、海とは事情が異なる。あるサイトでは立ち泳ぎ等に慣れていない人が足のつかない水深で顔を出そうとしても思うように顔が上がってこれない可能性は十分考えられる。」と話したところで、一同はついに滝壺を眺めることが出来る観ばく台のところへと到着した。
さっそく幽霊がいるかどうかを確認するために、三台のカメラ(ポラロイドカメラ、チェキ、デジタル一眼レフカメラ)を用意し始めると、霊が出てきそうだと思ったところにシャッターを切るなどして、心霊写真が撮影できるか否かを確認し始めた。
すると一番滝の近くにまで辿り着いた甲州が油井に対して「油井君見に来てほしい。チェキで写真はまだ撮影していないけど、このコバルトブルーの水の底から誰かがのぞいているような気がする。」と言い始めると、油井は「誰かが水の底から覗き込んでいるってどういうことだよ!?ここは遊泳禁止だし泳げるような場所ではない。それに今のこんな寒い時期に飛び込むような奴などいない。」と話すと確認のために滝壺の近くをじっと見つめ始めると、油井は甲州に「俺も試しに水の底をちらっと見たんだけど滝壺の近くからも気配は感じなかったのか?」と質問すると、甲州は「わたしは特に水の底からの複数の人の視線を強く感じてそれが”写真なんか写さないで”と訴えているようにも聞こえて何かあるんじゃないかと思って声をかけた。」と言って説明をすると、油井は村田を呼び出し二人で検証を行い始めた。
すると村田が油井に「甲州の言っていた通りかもしれない。2017年の死亡事故では滝の上から観光客が落下したとあるが、亡くなられた人数が記載されていないことも含め考えると恐らく一人だけだろうと推測される、2020年に発表された死亡事故では二人の若い男性が命を落としたとも考えると、亡くなられた方達が未成仏霊となって現れても不思議ではない。」と話すと、その言葉を後ろで聞いて居た後藤が確認のためにさらにカメラを近づけて撮影をし始めると油井に対して「少なくとも3人以上入るんじゃないの?俺が見た限りでも4~5人はいる。その中に最近ここで溺れて亡くなられた方も恐らくこの方じゃ?という方はいるが、あとの方々の説明がつかない。そもそもおしらじの滝が心霊と呼ばれる経緯は2017年の事故があってから水底に地縛霊が棲んでいると言われるようになったんだよね?だとしたら最近報告された事故の報告以外にも何かあったような気がしてならない。大昔の霊かもしれない。」と言って聞き出すと、その言葉を聞いた村田が「大昔の霊ってどういうことだよ?それってつまりおしらじの滝が今と違ってまだ有名になるまでにってことだよな。」と後藤に対して聞き始めると、「この滝壺の状態から、滝壺が流れ落ちる水の底辺りから、むっちゃんが話すように視線を強く感じた。しかしSNSで話題になる以前にも亡くなる事案があってもおかしくない。それが例えば、地元の人でなければ決して訪れることがなかった時代にまで遡って考えると、あえてこう言った場所でひっそりと死を選んでもおかしくないなと思った。仮に自殺であったとしても、事故だと明らかにわかるケースならば報道するだろうけども、ここで自殺がありましたなんて自殺行為を助長する報道そのものはしないはずだからね。後は、戦国時代とか居城となる城が攻め落とされて、自決を余儀なくされたときにこの滝で命を落としたとか。」と切り出すと、それを聞いた秩父が「戦国時代に負けて自決した地としては非常に考えにくい。近くに川崎城跡と玉生城跡があるが、今でいう車で30分ほどの距離を馬か何かを使って逃げたとしても移動する間に敵に襲われて命を落としているはずだ。自決の地であったとは非常に考えにくい。」と話すとそれを聞いた後藤は「それじゃ地縛霊の正体って何なんだよ?俺やむっちゃん、油井と村田が見た複数の人の視線は一体何があってここで亡くなったんだ?」と聞き出すと、じっとやり取りを聞いて居た秩父がある可能性を示唆し始めた。
「心霊スポットではないが那須塩原市のスッカンの沢という場所がある。ここもおしらじの滝と同様でコバルトブルーの美しい水が人々の心を魅了させる場所である。だが水温が非常に冷たいがために、手を入れただけでもあまりにも水の冷たさでキーンとなってしまうらしい。確か心霊スポット検索サイトでも”心臓発作の可能性”を伝えていたんだよね。だとしたら、死因はここに棲む地縛霊が生者に対して禍を齎そうとして死に陥れたというより、こんな絶景とも言うべき場所だからこそ日頃のストレスから解放されたいということもあって、思い切って飛び込みたくなる心情も分かる。ただ、地元の人間でないからこそ、水温が異常に冷たくなることを知らぬ人間がこの地で水遊びをしようとして危険性を理解せぬまま飛び込んで二度と浮上することがなかったと考えるのが筋だろう。そして俺達が実際に見たあの複数の視線は、心霊スポット検索サイトで報告されている事案以外にもあったんじゃなかろうかと思う。自殺の可能性は無いだろう。その場合なら、ここの水の特性を理解したうえで飛び込んだことになる。衝動的にショックを受けて死のうと思ったものならばそこまで冷静になって死に場所を考えることはない。」と話すと、畑が「確かにそうかもしれないな。しかし2017年よりも前の事故の事案というのが調べてみてもやはり最近に起こった2020年の事案以外が見つからないために、過去に何件かあったぐらいの程度で頻発に起きたというわけではないために大々的に伝えられなかったのかもしれない。報道されるようになったのは恐らくだが、ここに訪れたカメラマンがSNSでアップした雨が降ったときにしか見れないという絶景の滝が流れる様子が話題に話題を呼び観光客が増加すると同時に話題になっていたのだから、観光客の増加に伴って危険を伝えるためにも報道機関に伝えた可能性はある。」と言って切り出すと、後藤は秩父と畑の話をじっくりとうんうんと首を振って頷きながら聞いたところで「なるほどね。仮にニュースで取り上げられたとしても”矢板市内の山中で”ぐらいでしか伝えられなかったから具体的にどこで起きたのかが示されなかった可能性もあるね。そのニュースを見て、あまりにも絶景だからそれがいつしか知る人が知るスポットとなっていったのが、SNSを通してより知名度が高くなった可能性があるな。」と自分なりの意見を述べた後に「俺達が全員で霊の気配を感じたのは紛れもない事実だ。撮影された写真に何か異変が起きていないか確認しよう。」と切り出したところで、一同は邪魔にならぬ場所に移動し始めるとすぐさま撮影した写真を検証することにした。
杉沢村がポラロイドカメラで撮影した滝壺の近くの写真に目が留まると、一同に対して「この写真おかしくないか。水の底に3人ほどの白い顔のようなものが浮かび上がっている。自然現象にしては気味が悪い。それ以外にも、チェキで撮影した写真には本来なら滝が流れている場所のところを撮影したものだが、ここにもやはり白い顔のようなものが浮かび上がっている。デジタル一眼レフカメラでは、左側の岩と岩の空間にちらっとやはり白い顔のようなものが浮かび上がっているのが見て取れた。やはりここは報道されている人数以上の方が亡くなったか或いはこの世への未練が捨てきれずに彷徨っているものだと推測される。」と言って明らかに心霊写真だと思える写真をサークルになって写真を回し合いをすることによって検証すること時間が過ぎてゆく。事故かもしれない、自殺かもしれない、色々と思うことは出てくるが、なぜどうしてそこに未成仏霊として現れるのか、理由に辿り着けない。
時間だけが刻々と過ぎていく中で、斧落が「これ以上インターネットで調べても答えが出てこないことを追求してもしょうがない。ただわたしたちがここで地縛霊と思える霊の存在を確認できたのも事実、撮影した写真にも心霊写真と判断してもおかしくないような、誰が見ても明らかにカメラのフラッシュによるものやハレーション、さらにはフレアのような症状なども見受けられず、かたやホコリによるものとも言い難い出来事が写真には写し出されている。この方達がなぜ、どうして、ここで彷徨っているのかは、わたしたちもこれ以上憶測で語り過ぎないほうが良い。だって仮に最近報告された事案以外に起きていたとしたら、行政がこれ以上の犠牲者を出させないためにも厳重過ぎるガードを設置していて、今よりさらに滝壺の近くには近づかせないようにしているはずだよ。本格的にここで何かあったかについて調べようと思ったらそれこそ矢板市内の図書館の郷土史などを見て調べるしかないでしょう。わたしたちが憶測で言ったとしても、わたしたちが証明できることは”ここに霊がいる”、これだけなんだから。もうこれ以上何があったかを追求してしまうと次のスポットに行けなくなってしまうよ。お昼になろうとしているし、はやいことお昼ご飯を取って次の明るい肝試しをしよう。」と話すと、斧落の指摘に油井は「そうだな。これ以上”何が起きたのか”を調べても答えが出てこないことに時間を費やすわけにはいかないからね。監督、答えが分からないって形になってしまったけどそれで良いかな?見ている人からすれば納得がいかない形になると思うけどこれ以上続けても時間の無駄になってしまう。」と質問し始めると、杉沢村は両腕を組みながら「メイサちゃんの言う通りだよ。結論の分からないことを追求したって俺達はネットの情報を頼りに伝えるしか出来ないのだから。俺だって地縛霊の正体を突き止めたかったが、ただ最近お亡くなりになられた方々以外にもいらっしゃるはずなので、じゃあその方達はどうしてそこに現れるのかと聞かれたら答えようがない。次へ行こう。心霊写真の収穫もあったのだからね。」と話すと、一同は駐車場のところへと戻ることにした。
歩いていく道中、油井は納得しなかったのか「今の今までいろんな心霊スポットに行ってきたが、おしらじの滝ほど納得がいかない思いになるのは初めてだ。」と村田に対して気持ちのモヤモヤをぶつけると、村田は「仕方がない。”こうかもしれない”と俺達がニコニコ動画やYouTubeのような公共のチャンネルで憶測にしか過ぎないことを伝えてしまえば、嘘が拡散されてしまう危険性すらある。それは自治体もそうだけど、それを見たさに肝試し目的の若者も集まりさらにルールを逸脱してまで過激な行為を行う者も出てくるだろう。それに山の中で水場であることも含め考えると霊が集まりやすい環境が揃っている。死後すぐに昇天しようとした霊達がここで休憩を取っていても不思議ではない。地縛霊ではなく浮遊霊の可能性だってある。何もここで死んだことに拘らず、場所のことも考えてより広い視野で見るべきだろう。調べても答えが出てこないということは、ここは霊の集まりやすい場所と考えたほうが筋なのだろう。」と説得するように油井に対して話すと、油井は納得がいかない表情を見せながらも冷静に考え「そうだね。次のことを考えて気持ちを切り替えよう。」と吹っ切れたような感じの口調で答えると、一同は車のところまで戻ってくると、11時30分に次の”明るい肝試し”を行うための心霊スポットがある日光市へと向けて出発した。
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