【完結】慰霊の旅路~試練編~

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多良崎城跡(茨城・ひたちなか市)

公開日時: 2022年1月20日(木) 23:15
文字数:8,863

A Happy New Year!!!!!


侑斗は母の故郷であるバルセロナで母、兄星弥と共に年越しのためにスペインへ一時帰国をしていた。テレビを点けると新年を祝う特別番組の特集等で盛り上がる中、侑斗は管理しているWEBサイトの”慰霊の旅路”に新規投稿されている心霊依頼が寄せられていないかどうかをその都度その都度チェックをしていた。


その中で心霊依頼ではないがあるコメントに思わず目に留まると投稿された文章の内容を読み上げた。


「侑斗さん、星弥さん。2026年新年明けましておめでとうございます。そして慰霊の旅路の最大の危機が訪れたことをご報告をさせて頂きたいと思います・・・?」


侑斗が読み上げる内容に隣でアホスープを飲んでいた星弥が思わず侑斗が読み上げた内容に対して「最大の危機?何それ?」と投稿された内容を確認しようとして侑斗が持っていたタブレットのところまで近づくと、二人で投稿されてある内容を確認することにした。


「ここ最近、ボランティアじゃないんですけども、霊能力者並みの霊能力を持って各地心霊スポットを近隣の方々の迷惑にならない時間帯でYouTubeとニコニコ動画で動画のライブ配信を行う”明るい肝試し”というサイトをご存知ですか。彼らは霊能者とほぼ変わらぬ霊能力を謳うチームですが霊能力者としての修業は積まれていません。しかし彼らが行く先行く先で、明るい時間帯に行っているにも関わらず心霊写真が非常によく撮影されることから、オカルト好きの間では”霊の存在”を改めて証明してくれたことでも大変知られています。そんな彼らが、年明けに茨城県内でも非常に有名な多良崎城跡での明るい時間帯での肝試しを行うということで宣伝を出したことでますますNETニュースになるぐらいに注目を集めています。彼らは常々”霊能者としての修業を積んだボランティアの饗庭兄弟に屈したりしない!饗庭兄弟とつるむその他ボランティアの地方公務員霊能者とも妥協しない!”ということをスローガンに霊能者ではないが心霊スポットの検証を行うことを謳い文句にしているのでこのままでは饗庭兄弟のこれまでなされていて霊能者としての活動が否定されかねないような気がしてとても危惧しています。お忙しいのは重々掌握していますが、出来る限り”慰霊の旅路”の新たな投稿を心からお待ちしておりますので宜しくお願いします。」


侑斗が投稿された内容をすべて読み上げると星弥が気になったのか”明るい肝試し”と検索して調べてみることにした。そして投稿されてあるチャンネルの内容を確認すると、侑斗に「これだろうな。主にYouTubeとニコニコ動画ではライブと動画の配信を中心にしていて、TikTokでは次の心霊スポットの予告で使う程度だな。」と話すと侑斗は「単純に霊感の強い人たちが集まってチャンネルを作っているだけですよ。だって俺達は霊能者としての修業を積んで御祓いだって出来るんだから。負ける理由が存在しないし、それに俺達の名前はオカルト系の番組を見る人ならば名前は聞いたことがあるぐらいの方が居てもおかしくないと言ってもいいぐらいだと思う。負ける理由なんて存在しない。」と言い切ると、それを聞いた星弥は「侑斗。俺達は競い合うためにボランティア霊能者を続けているんじゃない。本当に霊障で困っている人がいて救いの手をいつでも差し伸べることが出来る人がいて、除霊費用として高額な金銭など決して要求せずに真摯に向き合う、だから霊能者は本来儲かる仕事なんかじゃない。本来の目的を忘れてはいけない。」と警告すると、侑斗は「わかっている。競い合おうなんて思わない。だけど明日1月2日の朝9時から生配信される多良崎城跡への明るい肝試しってのも実際にどんなものなのか、生配信される様子を一度は見てみようよ。」と星弥に切り出すと、星弥は頷きながら「まあ一応見てみようか。茨城県に心霊ってイメージが本当にわかないんだけどなあ。まあぶっちゃけた話、行ったことはないんだけどね。しかも肝試しという割にはマナーを守って明るい時間帯で行いますという何と律儀な、肝試し=夜に行うものと思う人にとっては突っ込みどころが満載だろうけど見てみる価値はあるな。」と話すと二人は明日1月2日の朝9時からニコニコ動画とYouTubeで同時ライブ配信される”明るい肝試し”を視聴することに決めたのだった。


そして2026年1月2日の朝8時に目覚めた二人は朝9時からYouTubeでライブ配信される様子を早速どんなものか、侑斗が予め持ってきたタブレットのアプリでインストールされてあるYouTubeのアプリをクリックすると、公式チャンネルとして話題になっているのか、開いたと同時に生配信されているサイトの一覧に”明るい肝試し”が出てきたので早速クリックしてどんなチャンネルなのかを見てみることにした。


”明るい肝試し”のメンバーは7人で構成されており、メンバー全員が霊感の強い家系の出身で実際に霊を見た事がある、心霊体験をしたという人たちで結成されているフリーの映像クリエイター集団でリーダーで霊視が出来る油井活魚がリポーター、カメラマンの畑道衛門、音声の秩父黎介、編集の甲州むつ、企画の斧落メイサ、サブカメラマンの後藤房之助、プロデューサー兼監督の杉沢村泰時が担当している。ライブ配信されるまでに、メンバーの内容がある程度見てわかったところで早速8時55分頃からライブ配信されているのを確認するとさっそく生中継で配信されている動画を閲覧し始めた。


「はーい!皆さんどうも!明けましておめでとうございます!リーダーの油井です!昨年は皆さんの本当に温かい応援の支えもあって、当初は非公式のチャンネルサイトでしたが1月2日を持ちまして、”明るい肝試し”は2020年1月1日からライブの動画配信されてまる6年が経過しました。こうして僕達の活動の幅が広くなっていったのは皆さんが僕達のチャンネルを沢山沢山フォローをしてくれたおかげです!本当に感謝以外の言葉が出てきません!そこで新年一発目は茨城県の心霊スポットを語る上において外せないと言っても過言ではない多良崎城跡をご紹介させて頂きたいと思い、この地で”明るい肝試し”を実施させて頂きたいと思います。勿論編集のむっちゃんから多良崎城跡での撮影交渉をした結果の敷地内の撮影の許可はばっちり頂いていますので、今回の議題テーマとしてはずばり、多良崎城跡での心霊スポットの危険度はいかほど?ということです!これまで色々なオカルト番組でも取り上げられることが多い非常に有名な心霊スポットですが今回より心霊スポットの真偽を確かめるためにも懐かしい~!と思われるかもしれませんがこの今むっちゃんが持っているポラロイドカメラと、メイサちゃんが持っているチェキですね、今どきの心霊番組の割には使っている器具が非常に古いのですが、でも新しいカメラと違うのは、嘘偽りのない真実を写し出すことが出来ることです。一応畑君がデジタルの一眼レフカメラは持っていますので、再審の器具でも検証は可能です。それでは早速、時間は間もなく9時になろうとしていますので、”明るい肝試し”の多良崎城跡での肝試しを実施したいと思います。それでは僕の後ろにある多良崎城跡と書かれた石碑から、まずは多良崎城があった場所から心霊チェックをしてみましょう。」


カメラを前に油井が語りだすと、早速広場のほうへと歩き始める。

油井の後をついていくように、斧落が多良崎城跡に纏わる心霊現象の話について説明をし始める。


「今回わたしたちが来ている多良崎城跡で伝えられている怖い話というのが、ここは沢山の地縛霊が存在しているとされ、多良崎城跡の手前を通る道路では女性の霊が現れる他、多数の女性の話し声が聞こえてくるといったのがあります。地縛霊に呼ばれるのかどうかは定かではないようですがふらっといなくなって行方不明になる、絶命をする者もいたと言われているために、さらに地縛霊が増え続けているとされています。そのほかの心霊スポット検索サイトで投稿されている情報を全て確認してみましたがどれもが、女性の声が聞こえる、女性の霊が歩いてきた、誰もいないはずの場所なのに女性の姿を見る等の目撃例が多いみたいですね。霊感をあまり感じない方でも女性の声が聞こえてきたなど、多良崎城跡での心霊スポットの信憑性は極めて高いと思います。地縛霊の巣窟とも評する声もありますね。」


斧落の話した内容に油井は「俺もね、ここに来るまでに一応有名な場所じゃん。調べてきた。室町時代の始まりの頃に、天皇が2つの系統に分かれ(=南北朝)全国的に争いが多く発生して、常陸国も小田氏、常陸大掾氏などの南朝方と佐竹氏を中心とした北朝方が対立して南北朝の戦いが激化したそうだ。近年の研究で多良崎城は鎌倉時代の末期に常陸大掾氏一族である吉田里幹の後裔によって築城されたのだが、南北朝の騒乱で南朝方についた常陸大掾氏一族は没落し、その後に北朝方についた那珂氏系の足立氏が多良崎郷の地頭となったようだが、騒乱の内に支配者が入れ替わるなどの争いは続いていたとあってね。昭和50年にひたちなか市の史跡として指定を受けた多良崎城跡は数百年経った今でも残存状態がよく、虎口、本曲輪、土塁、掘切、二の曲輪、三の曲輪、木戸跡、隅櫓跡などがほぼ完全な姿で残っているために築城当時の様式を知る上において重要な城跡であるという。しかしその割には駐車場が無いのは何だろう、ひたちなか市の史跡として選ばれている割には、あまり観光地として来てほしくないのか、こんなところ車がないと来れんような場所なのに駐車場すらないのがちょっと気になったな。その上、かつての城があった場所に掲げられている赤い看板がはっきり言って気味が悪い。赤い色のほうが目立つから?それにしてはこんな色の看板にしているからこそ心霊スポットとして選ばれる理由にも繋がっているような気がしてならない。今スマートフォンを片手に多良崎城跡とワード検索で調べてニッポン城めぐり様で投稿されている多良崎城跡の記事をざっくりと読んでみたけども、これが心霊スポットとして言われる所以なら落武者の霊が出てきても不思議ではない、ところが女の霊の目撃例が多い。女の正体が何なのかがさっぱりわからなくなってくるな。むっちゃん、メイサちゃんは何か感じた?」と言って聞き始めると、甲州が油井に「さっきから微かにだけど、女の人の笑い声が聞こえてくる。」と話し始めるとそれを聞いた斧落が「わたしも聞きました。動物の泣き声を疑う声もあるみたいですけど、フフフという声はどう考えても動物ではないような気がします。明らかに女性の笑い声がしました。」と言って答えた。


それを聞いた油井は斧落が持っていたチェキと甲州が持つチェキ、畑のデジタル一眼レフカメラで撮影した写真をすぐその場で確認して、秩父、後藤、杉沢村と6人全員がすぐさまそれぞれのカメラで撮影した写真を検証するために集合することにした。


すると斧落が撮影したポラロイドカメラで”本郭”と赤い看板が掲げられた背景の木々に、それは油井の後ろを帯同していた甲州でも斧落でもない、髪の長い白い着物を着た女が木陰からこっそりと、その表情は恨めしい目つきにも見え、それを見た油井が「これは一体何だろうか。すぐ霊視を行う。」と切り出すと、検証は続く。畑が撮った写真には霧など発生していないにもかかわらず木々に向かって白い靄のようなものが写し出され、甲州が撮影したチェキには木々の上から大量のオーブらしき白い発光体が写し出される結果となった。写真に写りだすオーブや白い靄、そして女性の霊の正体を暴き出そうと油井が霊視の準備に取り掛かると、目を瞑りだし写真にじっと見つめると小さな声で何を言っているのか聞き取れないが何かを話し出した。


そして霊視を行った結果を、チームの皆に発表する。


「文献がないのでいかんせんこれが正解ですとは言い切れない。ただ城めぐり様の情報にも会ったことだが、ここは戦国時代に落城された経緯を持っている。色々と文献を調べては見たが、これと言って情報がいかんせん乏しい。ただ一つ、Wikipediaに掲載されてある情報によると、多良崎城跡は堀が浅く作りそのものが脆弱だったとされている。そのために佐竹軍の軍勢を前に籠城戦でもわずか一日で落城したそうだ。つまり、あっという間に落城されたという歴史を考えれば、ここで落武者が出ない理由も、そして何故あっという間に落城したのか、この僕達の動きを警戒したり恨めしく見ている女性の霊達を見ていると、恐らくだが攻められたときに攻撃する侍がいなかったんじゃないだろうか。そのために城にいた女性や子供たちなどで城を守らなければいけなくなった時に、城の作りが脆弱なためにあっという間に攻め落とされ、その上攻めてきた鎧武者と戦う手段がなかったために落城したのでは?と思う。」


油井が発表した意見に後藤が「今時珍しい白い着物姿から察すると恐らくそうだろうな。抵抗した末に亡くなられた方や追い詰められた末に自決された方も中にはいらっしゃったはずだ。誰よりもきっと平和な世の中を望んでいたであろう、戦国時代の社会に対する怨みを持ちながら今もこの地で訴え続けている。しかし俺達が今目の当たりにしていることが事実ならば、文献の一つか二つは残っているはずなのに資料が乏しいから”こうだろう”としか言いようがないのが残念でならない。正確な資料が遺されていないあたりからも、今は憶測でしか説明しようがない。」と語ると、畑は「仕方がないだろう。油井の発言だって、後藤の発言だって、この場に来た時に女性の笑い声が聞こえたのは俺も感じ取った。同時にすぐその場でいるかどうかを確認するとやはり白装束の着物を身に纏った女性の霊を複数名確認することが出来た。ここはやはり何かあったことは間違いない。それこそ戦国時代だ、今と違って酷いやり方で負けた側に対して責め立てることも当時は当たり前だったから余計に憎む気持ちを持っていてもおかしくない。」と切り出すと、彼らの意見を聞いた杉沢村が「実は言うとこの多良城跡に面する道路でも心霊現象が勃発している。そこでも心霊検証を行ってみて、城で亡くなっただろう女性の霊達の検証はそこまでにして、次は道路に出てみて検証を行おう。ここでも心霊現象が多く報告されている。道路の形状が非常に曲がりくねっていることからバイクのレースが頻繁に行われていたようだが、死亡事故が幾度も報告されたために今ではバイクの侵入が禁止となっている。ここに来るまでに車が停車できるスペースがあるかどうかを確認するためにね、ストリートビューであらかじめ停車位置や帰る際にどのような道を使ってなども隈なく調べたんだけど、これは皆に見てもらいたい。」と切り出すと持っていたタブロイドを見せびらかすようにしてストリートビューで検索した結果を披露することにした。


それをみた甲州が「何これ?モザイクだらけ。しかも不自然なモザイク処理はカーブの付近で処理されていることが多い。ということは、かつてここで事故死してしまった方の霊が今も彷徨い続けているってことだね。」と話すと、甲州の答えを聞いた杉沢村が「大正解。ストリートビューのモザイクの画像処理はAIが自動的に”人間”だと感知してプライバシーの保護を守るために顔にぼかしを入れるんだけど、おそらくだがこの茂みなどで映し出される、モザイク処理がなされていなくとも明らかに人の顔が写り込んでいるのは霊感のない人間が見ても明らかだ。そんな茂みからこっそりとGoogleの覆面調査の車に対して写り込むようなことが出来るとは、その覆面調査の車がいつこの道路を通りかかるのかのそのタイミングを知らなければいけなくなってくるから生きている人間ではまず非常に考えにくい。どうして秘密裏にされている情報を、厳重過ぎると言ってもいいGoogleのデータベースからいかにマップの調査をするための情報を取得できたか、それが出来たらすごいパソコンのスキルの持ち主だ。通常なら考えられない。だからこそ写り込むこの男は、生きている人間ではないということだ。悪戯にしても、使われている写真が有名人やタレントではないため悪戯にしてはあまりにも質が悪すぎる。」と言い切ると、油井が「監督。そうだね。まず僕達の前に現れて下さった女性の霊の皆さんに心から追悼の意を表明するためにも手を合わせ黙祷を捧げましょう。」と話すと、七人は入ってきた入り口のところまで戻ってくると並んで立つような形で城のほうへと向き始めると深く目を瞑り両手を合わせると女性の霊達へ黙祷を捧げた。


城跡を後にした七人は歩ける範囲内で徒歩で城跡の前の道を歩いて検証を行うことにした。二輪車の進入禁止の道路標識を通り過ぎ歩き続けていくうちに、秩父がメンバーに対して「このガードレール、何か感じる。その上、非常に真ん中あたりでボコボコに凹んでいるのが気になる。車がぶつかってきたとしても、果たしてこのような細かな痕跡になるのだろうか。ひょっとするとこれが、バイクが当たった痕跡なのか?」と気付き始めたときに、辺りから二輪車の進入禁止の道路標識があるにも関わらずにバイクのエンジン音がどこかしら聞こえてくるのだった。それを甲州が「さっきからオートバイのようなエンジン音が聞こえてくるんだけど、わたしたちが歩いているところは二輪車の侵入が禁止だったはずだよね。これっておかしいよ。」と聞き始めると、何が起こったのかが説明のし難いことになっていると気づいた油井が「どうしてだ?事故死された方が警戒しながら我々の動きを察知しているのは見て伝わってきた。しかしエンジン音の説明が理解できない。どうしてだ。ここから主要道路なんて距離があるじゃないか。これじゃ俺達の耳にバイクも走っていないのにバイクのエンジン音が聞こえてきました。怖かったです。それで終わりかとなる。」と語ると後藤は「これ以上の調査は俺達の身の安全を考えても危険としか言いようがない。危険信号を鳴らしているとしか思えない。これ以上近付くなのサインだろう。冷静になって考えよう。」と打診すると、後藤の意見に同調するように秩父が「俺もそのほうが良いと思う。さっきの女性の霊達もそうだが、ここは真剣にやばいと思う。写真を撮影したところで、次の笠間城跡に行ったほうが身のためだと思う。俺が見ただけでも地縛霊だけでも洒落にならないぐらい多すぎる。その上、まだ成仏されていない方がこんなにも、明るい肝試しであってもここは危険すぎる。」と油井と杉沢村に対して退散するべきだと説得したところで、杉沢村が「そうだな。このガードレールを背景に一人が抜けるような形でカメラマンになってもらって、全員が写るような形で写真撮影してから佐白山と笠間城跡の心霊検証しよう。撮影は中止だ。」と語ったところで、七人は一番霊の存在を強く感じたカーブに差し掛かるまでに設置されてあったガードレールを背景に記念撮影を三枚撮影し終え、車を停車させた場所まで戻ることにした。歩きながら斧落が杉沢村に「いつもTikTokで予告しているのに今回ライブ配信の動画で予告しちゃって良かったのかな?といっても後藤君が言っているからまあもう聞き流すしかないよね?」と笑いながら話すと、後藤が「悪い!悪い!また車の中でもメイサちゃんが宣伝したらいいんじゃないのかな?」と笑いながら話すと斧落は「そうだね。」と気持ちを切り替えて、車へと戻ると杉沢村が運転席に座り込みエンジンキーを回したら無事エンジンがかかったことに一同がほっと一安心をしたところで、次の目的地である笠間城跡へと向けて車を出発させた。


ライブ配信の動画はここで終了した。


一通りの様子を見た侑斗と星弥は「バイクのエンジン音何だろうね。」とお互いの顔を見ながら話すと、星弥は「事故死されただろう御霊達がバイクに乗ってエンジンをかけたなんてことは有り得ない。ましてやあのメンバーの動きを見ていても、そんなバイクのエンジン音をスマートフォンから流し始めるような怪しい動きをしているようなのは見受けられなかった。カメラに写らないような場所でもしっかりと写し出すことで”やらせ”ではないことを証明しているんだけども凄い事なんだけど、ある可能性が考えられる。」と侑斗に話すと、侑斗は「それって何?まさか事故死したときの情況がフラッシュバックしたことによるもの?」と聞き始めると、星弥は「千日前デパート火災跡を思い出してほしい。火事が起きてもいないのに未だにあのビルは俺達のような霊能力者が行けば白い靄に包まれ中に入ろうとすると黒煙で覆われていた。要は未だにあのデパートビルが火災が起きたままの状態であるのと同じで、この多良崎城跡の道路で起こる現象というのも、恐らくだが事故当時の状況がフラッシュバックしたことによるものだと思う。城内での落城した際に、中にいただろう女性達が自決したり敵軍に攻められてお亡くなりになられた無念も相当のものだろう。肝試しなんてするべき場所じゃないな。そうじゃなくともそっとするべき場所だろう。」と話すと、侑斗が「しかしリーダーの名前、油井活魚って笑えるね。」と話すと、星弥は失笑しながら答えるのだった。


「油井グランドホテルの裏側にあった山が、大雨の影響で土砂崩れを起こして建物が土砂まみれで崩壊も時間の問題となっているからね。亡くなった女子高生の霊ももう遊びに来る輩がいないとわかればほっとすると思う。もう油井グランドホテルが”千葉屈指の心霊”と言わなくなる日は近いな。にしても油井活魚というハンドルネームは本当に悪趣味だな。」

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