Reality barrage Gamers

初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

V1.07  作戦と情報とシステムと

公開日時: 2022年3月23日(水) 18:53
文字数:2,313

『「要はその現地の人々がデタラメに動いていて上手くいってないんだろう?ならこっちで統率を取ろうか?そのすきに迎撃体制を整えて欲しい」』


 念話でミカちゃんが言ったことをそのままユキが艦長に告げる。


「そんなことできるのか?」


「できるよ〜」


 ユキはミカちゃんが言っていることをそのまま復唱していた。語尾は伸びてるけど…


 そして、その詳細をユキとアリオト艦長は詰めていた。その時、残り4人の私たちはユキ達とは離れて作戦会議をしていた。器用にユキに話しかけながらミカちゃんは別に私たちに「ノアNo.7」の周辺状況の詳細データを送り付けてくる。


「これはまあ、初心者だからわかってない人間と、スタートダッシュ決めて目立ちたい人間とに別れてる感じか?」


「あまりノア防衛をしよう。と言うよりはモンスターをともかく「派手に」倒そうとしている人たちが目立ちますね…」


「これ近くの…えーと…JI-1闘技場も陥落してもおかしくはないですわよ」


『指示出すなら現地の現実側の建物名称言わないと向こうのプレイヤーは分からないのでは?』


『地図今調べてる』


『さすがにこっちから木星までは移動できないよな?まだ』


「起動ポータルはゲーム内だと作動しないらしいですよ?」


「行けるならそれに越したことはないんだがな…」


『こっち初心者だらけ…俺もだけど』


「ノアの損耗率は現在どのくらいですの?」


「86%…かなり危機的状況です」


 みんなよくそんなことがスラスラと出てくるね?コメントの人達もビュアさん経由でミカちゃんが送ってくるデータが見れるようにしてあるため、それも交えて作戦会議をしている。私は見てるだけだけど…。


『初心者の中の目立ちたいヤツらがどんどん前に出ていく。人の話を全く聞かない!』


 木星の視聴者がそうコメントをうち。少し考えこむ3人…。


「足並みは揃いそうにないな…」


「まだ〔地図〕や〔表示〕を持ってないので揃えたくともできない人達もいますね…これは」


「遠隔で私たちが指示出したとしても聞く耳持たないのじゃないんですの?」


『そうかも』


『有り得る』


「それは…。そうかもな…」


 なかなかいい案は出てこない。そもそも私たちは戦いに参加できない状況が絶望的である。


 現状をまとめると、


・木星はサービス開始直後なのでほとんどのプレイヤーがスキルもほとんど使えない。

・そこに「ノアNo.7」が墜落。

・木星周辺衛星の全闘技場と、ノアがモンスターの襲撃を受ける。

・ミカちゃんの大規模戦闘システムにより情報は獲得出来る。

・現在ノアの乗組員とプレイヤーは協力関係を築けていない。

・プレイヤーは何していいのかわからず。

・1部のプレイヤーが目立ちたいがために突貫して点でバラバラな場所で戦闘を開始。

・その人たちは話を聞く耳を持たない。

・現在ノアの損耗率は86%

・私たちはそこに行けない。行く方法が無い。




 こんなところかな?そこに…。




「ミカ曰く〔地図〕の表示と〔念話〕は限定的とはいえ、向こうのプレイヤーでもできるようにすることが可能らしいよ〜」


 アリオト艦長と話し合いが終わったユキが一緒にこちらの作戦会議に加わった。


「それにこちらの7号乗組員も連携するよう通達した」


「あとはその問題のプレイヤーだけど〜…私とナユカが指示を出せば…あるいは…。そこそこ名の知れたプレイヤーな自信はあるからね〜」


 ほうほう!なるほどね!…ッてなるか!!?


「なんで私!?ユキだけで十分じゃん!」


「今はナユカさんもユキさんも同じくらい有名人ですよ?」


 うそー!!?確かに目立つように闘技大会では立ち回ったけどユキと一緒は無いでしょ?私最近始めたばかりだよ!?


「だな」


「ですわ」


『むしろ今まで自分がどれくらいだと思ってたのか気になってきたぜ?』


 ミカちゃんにまで否定されてしまった。あれ?私味方ゼロ?


「だから2人で名前出しながら指示出したら、少なくとも何していいかわからなかったプレイヤーは従ってくれるかな〜?」


「もう決定事項なんだ…」


 既にユキの中では私に拒否権なんて無いのだ。いいもん!そういうことならもうとことんやってやる!



 1人私があきらめてむしろやる気を出していると、その間にどんな感じに向こうのプレイヤーに動いてもらうかも決まったみたいだった。みんなちょっと酷くね?


 そうしてわたしとユキは、ビュアさんが動画撮影用のカメラをちょうどいい場所に浮かべているところに立つ。


「まさか〔撮影〕と〔中継〕がこういう使い方できるとは…盲点でした」


 ミカちゃん経由で一斉に木星に送信させる映像をビュアさんのカメラから送る。ミカちゃんそんなこともできるようになったとか。ちなみに後で聞いたらアホみたいにEP減らされてちょっと涙目になってた。集めるの大変なんだって。

 大規模戦闘システムの本領発揮と引き換えなのだから、安いものでしょ〜?とユキが無惨にも切り捨ててたのもミカちゃんがちょっといじけたげんいんである。


『じゃ、配信映像を木星戦闘区域に飛ばすぜ!あとは任せた!』


「任せなさ〜い」


「私いるかなぁ…」


 私のつぶやきは皆さんスルーでした。ひどい!








《大規模戦闘システム。指揮システム発動。指定区域のプレイヤーに映像と音声。地図の表示を開始致します》





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




大規模戦闘システム


・先頭区域のプレイヤーの位置情報共有

・敵性反応の位置情報共有(ステルス不可)

・その他反応の位置情報共有

・マークポイントの設定

・コマンダー、サブコマンダー、キャプテン、リーダー、の任命

・パーティー、レイドパーティーの設定

・各対応スキルの大規模共有

・巨大シールド設置(ミカのEP不足により未開放)

・■■の操作。指示(条件未開放につき非表示)

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート