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初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
D,S(diamond) D
D,S(diamond)

R×2 37  ストーカーはいつもあなたのそばにいる。怖ぇよ!

公開日時: 2022年8月15日(月) 21:04
文字数:1,640



「ヒイロさんは…」


「大丈夫。外でこの戦いを見てるはずだよ〜」


「うん…」



 私たちの目の前で消えてったヒイロさん。彼女との付き合いは短いけど、私たちのために戦ってくれた…。



「ユキ」


「わかってるよ〜。…全力で潰す!」


「了解!【赤眼発動「ワールドビュー」】」


「私たちを怒らせたら…。フフフッ!あなたはいったいどうなってしまうのか…。【あなたの美しい命を凍らせましょう】」




 吹雪と雨の入り乱れるこの環境。そしてユキはドレス装備から白装束(浴衣じゃね?)にモードチェンジする。

 私は〔ジャンプ〕で上に上昇。ユキはそのままスティー目掛けて飛び出す。



「我、その理を歪ませる。我の前に現れたるは鉄の星々。重力ヲも持つものよ。その力をここに!【磁気の物理化アイアンプラネット】」



 そのまま飛び、近づいてくるユキをものともせず、少し早口に簡素な詠唱と技名を唱えるスティー。



 ユキの目の前には大きな瓦礫が球を成し、そのまわりにも細かな鉄塊となった瓦礫がくるくると回っていた。



 それにユキは臆することも無く突っ込んで行く。


「…そのまま来るとは。…バカ?…いや」


「【一閃流星「アクセルスター」】!」


 ユキばかり見てるなら、私が行くよっ!超高速で突撃しながら狙うはその首。私は扇子をスティー目掛けて振りきる。


ガキャンッ!!



 その腕に着いていた盾で防がれた。そのままの速度は止まらないっ!!



「ナユカばかり見てると、殺られちゃうわ」


 私とワンテンポずらして、鉄の飛翔地帯を切り抜けたユキがそのタガーを真っ直ぐに突き立てる。


「…見てるっ!」


キンッ!



 どこからともなく飛んできた小さな鉄塊がユキのタガーの軌道を逸らした。


「フフフッ!」


 その途端、そのタガーから砕け散るように飛び出す小さな粒子。


「…厄介」


 その攻防の中でも私は動き続けている。地面に突撃する前に〔ジャンプ〕で今度は真上に軌道を折り曲げ、再びスティーに肉薄していた。



「…グ」



 一撃。浅いけど確かな手応えとともに相手を斬り飛ばす。

 しかし…。



「ナユカ!」


「見えてるっ!!」


 私とユキを狙うように、【磁気の物理化アイアンプラネット】の周りを飛んでいた鉄塊達が、遠心力とともに凄まじいスピードで飛来する。



 ユキは被弾。そのまま吹き飛ばされる。私は見えてればなんとかなる。その鉄塊を〔ジャンプ〕で躱していく。




「…あれを、躱す?」


 咄嗟に弾幕をスティー目掛けて飛ばすも、鉄塊を今度は盾にするように構えられて、弾幕は消されてしまった。



『ユキ!無事?』


『〔受け身〕取ったからね〜。無事だよ〜』



 ほっ。ひとまずユキが無事なら一安心だね。



「…【巨塊の公転オーベット】」



 スティーがそう唱えると、今度は大きな瓦礫がスティーの周りを周り始めた。



「フフフッ…。もう遅いわ」



 吹き飛んだ先から帰ってきたユキ。そしてその周りには霜が…。



「…!?」


 そしてスティーは気付く。自信に状態異常凍傷が付与されたことを。



 ひとまず、この場から離れようと動くスティーだが、私がそんなことはさせない。


「…〘爆発〙!」



 私が妨害してくると踏んで、そのランデブーポイントに巨塊を回して突っ込ませつつ、爆発で私の視界を奪う。大丈夫…。もう既に、あなたは逃げれない。



「【1フレームの】」




「…なっ!?」




 ドコォン!!



 突然の衝撃で後ろに吹き飛ばされたスティー。彼女の目の前には、突如現れたビュアの拳が見えていたことだろう。



 私たちは地図があるから誰がどこにいるのかわかる。それが、気配すらも消すスキルでも、地図の上に表記されていたビュアさん。まるでこちらの様子を伺うように、遠方で待機していたのだ。


 さすが、ストーカー。あんなの誰も気づけないって。



「…っ!」



パキパキパッ!!!




 スティーは地面に落下して直後、氷にがんじがらめにされる。


 吹き飛ばされた先にいたのは…。




「さて。あなたは私のテリトリーに踏み込んだ害虫。冷却スプレーはお好きで?」


「…嫌いです」


「あぁ、そう」



バキッー!!!!!!!




 辺り一面、浮かんでた鉄塊さえも氷の世界に変えてしまったユキが、スティーを砕いた。










 冷却スプレーは掛けないであげたのね…。

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