「ヒイロさんは…」
「大丈夫。外でこの戦いを見てるはずだよ〜」
「うん…」
私たちの目の前で消えてったヒイロさん。彼女との付き合いは短いけど、私たちのために戦ってくれた…。
「ユキ」
「わかってるよ〜。…全力で潰す!」
「了解!【赤眼発動「ワールドビュー」】」
「私たちを怒らせたら…。フフフッ!あなたはいったいどうなってしまうのか…。【あなたの美しい命を凍らせましょう】」
吹雪と雨の入り乱れるこの環境。そしてユキはドレス装備から白装束(浴衣じゃね?)にモードチェンジする。
私は〔ジャンプ〕で上に上昇。ユキはそのままスティー目掛けて飛び出す。
「我、その理を歪ませる。我の前に現れたるは鉄の星々。重力ヲも持つものよ。その力をここに!【磁気の物理化】」
そのまま飛び、近づいてくるユキをものともせず、少し早口に簡素な詠唱と技名を唱えるスティー。
ユキの目の前には大きな瓦礫が球を成し、そのまわりにも細かな鉄塊となった瓦礫がくるくると回っていた。
それにユキは臆することも無く突っ込んで行く。
「…そのまま来るとは。…バカ?…いや」
「【一閃流星「アクセルスター」】!」
ユキばかり見てるなら、私が行くよっ!超高速で突撃しながら狙うはその首。私は扇子をスティー目掛けて振りきる。
ガキャンッ!!
その腕に着いていた盾で防がれた。そのままの速度は止まらないっ!!
「ナユカばかり見てると、殺られちゃうわ」
私とワンテンポずらして、鉄の飛翔地帯を切り抜けたユキがそのタガーを真っ直ぐに突き立てる。
「…見てるっ!」
キンッ!
どこからともなく飛んできた小さな鉄塊がユキのタガーの軌道を逸らした。
「フフフッ!」
その途端、そのタガーから砕け散るように飛び出す小さな粒子。
「…厄介」
その攻防の中でも私は動き続けている。地面に突撃する前に〔ジャンプ〕で今度は真上に軌道を折り曲げ、再びスティーに肉薄していた。
「…グ」
一撃。浅いけど確かな手応えとともに相手を斬り飛ばす。
しかし…。
「ナユカ!」
「見えてるっ!!」
私とユキを狙うように、【磁気の物理化】の周りを飛んでいた鉄塊達が、遠心力とともに凄まじいスピードで飛来する。
ユキは被弾。そのまま吹き飛ばされる。私は見えてればなんとかなる。その鉄塊を〔ジャンプ〕で躱していく。
「…あれを、躱す?」
咄嗟に弾幕をスティー目掛けて飛ばすも、鉄塊を今度は盾にするように構えられて、弾幕は消されてしまった。
『ユキ!無事?』
『〔受け身〕取ったからね〜。無事だよ〜』
ほっ。ひとまずユキが無事なら一安心だね。
「…【巨塊の公転】」
スティーがそう唱えると、今度は大きな瓦礫がスティーの周りを周り始めた。
「フフフッ…。もう遅いわ」
吹き飛んだ先から帰ってきたユキ。そしてその周りには霜が…。
「…!?」
そしてスティーは気付く。自信に状態異常凍傷が付与されたことを。
ひとまず、この場から離れようと動くスティーだが、私がそんなことはさせない。
「…〘爆発〙!」
私が妨害してくると踏んで、そのランデブーポイントに巨塊を回して突っ込ませつつ、爆発で私の視界を奪う。大丈夫…。もう既に、あなたは逃げれない。
「【1フレームの線】」
「…なっ!?」
ドコォン!!
突然の衝撃で後ろに吹き飛ばされたスティー。彼女の目の前には、突如現れたビュアの拳が見えていたことだろう。
私たちは地図があるから誰がどこにいるのかわかる。それが、気配すらも消すスキルでも、地図の上に表記されていたビュアさん。まるでこちらの様子を伺うように、遠方で待機していたのだ。
さすが、ストーカー。あんなの誰も気づけないって。
「…っ!」
パキパキパッ!!!
スティーは地面に落下して直後、氷にがんじがらめにされる。
吹き飛ばされた先にいたのは…。
「さて。あなたは私のテリトリーに踏み込んだ害虫。冷却スプレーはお好きで?」
「…嫌いです」
「あぁ、そう」
バキッー!!!!!!!
辺り一面、浮かんでた鉄塊さえも氷の世界に変えてしまったユキが、スティーを砕いた。
冷却スプレーは掛けないであげたのね…。
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