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初心者がゲームの常識をひっくり返す...無自覚に?
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T065  遥か彼方への緊急通信12.4

公開日時: 2022年2月10日(木) 12:40
文字数:2,074




『緊急通信回線を使用します』





『座標を獲得』






『炉の起動を確認使用率5%のうち4%を緊急通信回線に使用』



『回線設立完了続いて誤差修正』



『信号検知勇人様の緊急呼び出しを開始』














『応答を確認これより通信を開始致します』








『ナビィか!?何があった?』



『姫様の適正に反応がありました』







『完全に覚醒したのか?』



『いえ、まだ完全とは言えませんが…データを送ります』








『おい!これは本当か!?』





『はい事実です』





『ちっ!俺と花恋の子だろ?血は半分しか入ってない混血のはずだ。なのになぜ?よりにもよって花恋よりも数値が高い?』





『まだ完全な検査は終了していませんが、逆に混血だからこそここまでの値が出たのではないかと。さすがに予想外でした』





『このことは那由花は?』




『自覚はないようですが、使おうとしたら使える状態です』






『他に知ってるものは?』





『雪様が知っておられます。後の人間には知られてはいないはずです』





『朝霧のとこの守り人か…。彼女はなんて?』





『勇人様次第だと』





『そうか、諸々のデータを見たがやはりゲーム内で覚醒したのか?』




『はい。そのためこのゲームの統括AIはこのことを検知した可能性があります』





『こちらからのアクセスは可能か?』



『かなり優秀かつ、子機の多い本体なため不法アクセスには時間を消費します』






『わかった…、ナビィ。今後那由花を監視しアクセスが必要と判断した場合。アクセス実行を許可する』





『了解しました』








『並びにそのAIに敵性の反応があった場合。ゲームの影響が出ない範囲での破壊工作を許可する』





『了解しました』





『那由花には何も言わずそのままゲームを続けてくれ』





『いいのですか?』





『今のところゲーム自体に害はないからな。覚醒したのも多分意図的ではなく偶然であろう。その代わり那由花がもし今後覚醒したらその時のデータをナビィが直接取得してくれ』





『了解しました』




『これからは朝霧と協力してことに当たるように。また、部外者には知られないようにカモフラージュしておいてくれ』






『了解しました』





『このタイミングで覚醒するとは…、一旦そちらに帰還する。ビーコンを建設してからになるからしばらくかかるが…』





『このことは姫様にはお伝えしますか?』






『いいぞ。むしろ伝えといてくれ』






『了解しました』








『それとナビィには伝えておこうと思う』







『なんでしょう?』




『今回は当たりの可能性が高い』




『見つかったのですか?』



『いや、まだたどり着いてはいないがそれらしい反応を感知した』



『了解しました。このことは姫様には?』



『まだ伝えないでくれ。もしかしたら勘違いかもしれないし巻き込みたくはないからな』



『それは…』



『あぁ、わかってる。その素質があった以上もう難しいだろうが幸いまだ向こうには存在が露見してはいないだろう』



『了解しました』






『よし、これで報告は以上か?』





『はい。緊急を有するものは以上となります』




『あ〜、まあ、どうせ暇だこのままなにか他に報告も聞いておこう。緊急回線だが傍受なんて出来るやついないしな』





『了解しました。では、おふたつほど報告致します。ひとつは先程のデータとは別に姫様のゲームプレイ映像と、今日生配信されました動画のデータをお送り致します』





『おお!でかしたぞナビィ!』





『昨日の報告以降のデータですのでこの中に黒龍戦と言われている例のデータも含まれています。あくまで姫様の視点のデータですが参考にはなるかと』






『了解した。後でじっくり見ておこう』





『2つ目の報告ですが、少し姫様が寂しがっていました。パパが全然こっちに帰ってこないとたまにボヤいていますから』





『そうか…、すまんな』





『いえ、私では人の温かみを姫様に与えることはできませんから』





『…』




『そんなことは無いと思うけどー?』



『花恋様ですか?』



『そうよーん!』


『おい!花恋これ緊急回線だぞ?なんで入ってこれるんだよ!』


『得意分野だからー!』


『そんなことができるから…』


『ねえナビィ…』




『なんでしょう?』





『これは私からの命令よ。那由花を私たちが帰るまで死守しなさい!』




『はっ!』





『あなたはこれでも21世代目の後継機。このくらいわけないわね』





『必ず姫様をお守り致します』







『あ!それと…ナビィ。那由花にとってあなたは大切な家族よ。少し相手をしてあげてみてね?』





『…はい』






『あー…、もういいか?』


『ええ!いいわよ!』


『それじゃあナビィ。那由花を頼んだ』






『おまかせください』




『以上で通信を終了する』


『あ!あなたー!那由花のデータ見してー!』


『待て待てそう急かすナ…』





*





「そっかー。那由花がついに覚醒したのねー。本当なら喜ばしいことなんでしょうけど」


「あぁ、タイミングが悪かったな」


「さっさと見つけて潰してしまいましょ?あいつらなんかに私も…那由花もやらないわ」


「もちろんだ。さてでは早速ビーコンを建設しないとな。トビィに頼めるか?」


「もう頼んだわよ」


『既に建築を開始しております』


「そうか。頼んだ」




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