さて、今私は1人でRBGを起動している。夕食までの1時間ちょっとの時間、少しでもオーブでも集められたらいいなと思っている。実際、サーチしている時ユキと一緒に走っている時にも他のオーブを発見していた。目的は飛行系スキルなので2人ともスルーしていたのだが....
やっぱり他のスキルも集めておくことに越したことはないからね。今の私は圧倒的に手札が少なすぎると思うのだ。ユキがいるからなんとかなってはいるがいつまでも迷惑かける訳にはいかないからね。
「ん...」
気がつくとそこはこのゲームを起動してすぐに1度来たことがある。何も無い部屋のような空間だった。そして相変わらずメイド服を着た女性がたっている。
『おかえりなさいませ』
「どーもー」
なんて返せばいいんだろうね、こういう時。
『ログイン場所はいかがなさいますか?』
あ、こうやってログイン場所の選択をするのね。てっきりパネル操作かなにかだと思っていたわ。
「現在地で」
『かしこまりました。行ってらっしゃいませ』
そうしてすぐに私の視界はブラックアウトしていき....
自分の部屋で目覚めた。ほんとにここが現実と言われても違和感はほとんどない。あるとすれば....
「ナビィ」
................
まあ、そりゃー返事はないわな。
さて、あまり夕食までの時間もないしさっさと適当にオーブ集めを始めちゃおう。
自分の部屋から出て廊下を進んでいく。玄関まではそこまで遠くない。すぐにたどり着いた。
そういえば、自分の部屋などは自由に行き来できているが他の人の家などには許可なしには入ることはできないらしい。後で知ったのだが家の内装などまでは再現されず廃墟のように見えるのだとか。
これらは、建物が個人のものの場合適応される。駅や、商業施設なんかはそのまま現実と変わりなく見えるらしい。
「さて、適当に走ろうか!!」
オーブ集めと言ってもサーチと違い目的地がない。好きな所に行ってもいいし、何もしなくてもたまに見つかるとユキが言っていた。
「うーん、まあそんなにすぐには見つからないかな?....いや、あったわ」
私が見つけたのはビル3階くらいの場所にあるオーブだ。以前の私では取る事はできなかっただろう。だがしかし!私も成長しているのだ!!....今日始めたばかりだけど。
「よし!!〔ジャンプ〕!!」
と言いながらスキルを発動。瞬く間にオーブの高さまでジャンプで到達。オーブを取って華麗に着地。
「うん!!いい感じ....空飛べたら必要ないけど」
オーブをゲットすることができた私は早速どのスキルが取れたのか確認をした。
《スキル・赤 を獲得しました》
赤....?あか....?Red....?
なんじゃそりゃ。
色ってなんに使うんだろう....あ、魔弾の色を変えられるとか?今は魔弾を飛ばすと基本的に白色の弾がでる。が属性を付けた魔弾はそれっぽい色になる。火はオレンジ....というか燃えてるだけか。水も現物が飛んできてるね。ユキが使う氷弾も氷が飛んでるからそう見えるだけか。
「ま、試してみるのが1番早いかな?てことでホイ」
ポン!!
おおー。赤いわ。真っ赤だね。
他の色とか集めてみようかな?そしたら色々できそうな気がしてきた!そうと決まればもっとオーブ集めないとね!
また走り抜けたらなにか見つかるでしょ!!
タッタッタッ....
タッタッタッ....
キョロキョロ....
チラ....
タッタッタッ....
うん。無い!!ええい諦めるものか!
タッタッタッ....
タッタッタッ....
「おっじゃまっしまーす。廃墟だから誰もいないんだけどねー」
タッタッタッ....
トットットット....
ガラガラガラ....
「あった!!」
あったよあった!!走りまくった挙句どこにも見つからないから、廃墟マンションの中とかしらみつぶしに探したらついにありましたよ!!うん、疲れたよー。あ、気持ち的にだけどね?
「では早速....今回のオーブも白ね。」
《スキル・整列を獲得しました》
うんうん。またまたよく分からないの来たけどまあいっか!
次行きましょー!!........あれ窓の向こうに見えるのオーブじゃない?あれ?
やっぱりオーブだー!!ラッキー!
んー....ここ8階かな?結構高さあるけど大丈夫かな?窓から向こうのマンションの窓まで〔ジャンプ〕で行けばなんとかなるかな?向こうの窓は何とかして割って入ろうか....
よし....やろう!!女は度胸!!
まずは、こっちの窓は開けといてそこに片足を乗っけておく。そこから何メートルくらいかな10メートルないかなー?を〔ジャンプ〕で飛んで。目の前のオーブをキャッチ....まあ、たぶん体のどこかに当たれば獲得できるはず....で、その後すぐに窓ガラスにタックルでもなんでもして割って入ろう。
よし完璧。
じゃあ行きますか。とりあえず飛ぶ時に叫ばないとね。
せーのー!
「アイッ!!キャンッ!フラーーィッ!!」
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